痴人の愛 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9261
感想 : 1005
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005010

感想・レビュー・書評

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  • 注解にほぼネタバレみたいなのありませんでした?!ワクワクさ半減しました…けど面白かった!
    河合もナオミもどちらもキモすぎる。
    ですが、登場人物をキモすぎると思えるほどのめり込む事ができ、以前読んだ同じ世代あたりに生きた文豪の梶井基次郎の書いた文と比べるととても読みやすかった。ストーリーがひたすらに面白く、特に最後の方(河合がナオミに出て行けと言ったあたり)は、気持ちが清々しくて、早く結末が知りたい!とページを捲る手が止まらなかったです。
    しかし、主人公がナオミに翻弄されたまま終わったのが腑に落ちませんでした。

    馬鹿馬鹿しいと思ったので、最後の文に免じて、思いっきり笑わせていただくことにします。

  • 描写が綺麗で読み進めやすいけど、最終的にはパパ活ビッチと自分に自信がない男の話。なおみが歳をとってその外見的魅力が損われた時、2人はどうするんだろうか。ジョージは彼女に恋してるからそのシワやたるみも美しく感じるのかな?恋ってすげ〜〜

  • ナオミは誰のものにもならない

  • 細雪を読んだ時も思ったけれど、1.2ページに渡って途切れない長い文章に冗長性を全く感じず、寧ろ伸びやかで優雅な印象を受けて、すらすらと読めてしまうのがすごい(文豪相手にすごいも何もという感じだけど)
    美貌の女ナオミへの病的な執着と西洋人に対する卑屈な崇拝心/コンプレックスが混ざりに混ざって気が触れたようになっていく主人公の様が恐ろしかった、と同時に面白かった。

  • 100年も前の小説なのに読みやすい。

    ナオミと譲治のふたりの関係は歪でもあるが美という観念に気づいてしまったらそれを捨てることが出来ない複雑な感情を醸し出している。

  • 馬鹿馬鹿しいと笑ってなんていられません。いい教訓になります。


  • 少し胸糞悪い部分もあったけど続きが気になりすぎて一気読みした
    引き込まれた

  • すごかった。朗読もとてもよくて、毎日聴くのが楽しみだった。ナオミの我儘、ずる賢さは想像を越えている。

    28歳の河合譲治が貧しい15歳の少女だったナオミを引き取って、心身ともに理想的な女性に育てようとした。そういう状態だと、普通なら男の方が支配的になるものだが、あまりにも甘やかし贅沢をさせすぎたためか、ナオミの天性の才能のせいか、逆になった。ナオミは自分の魅力を知り尽くしていて、10代のうちから譲治を手玉に取り、遊び放題、浮気し放題。

    それでも口先で、15のときから育ててもらった恩は忘れない、感謝している、と言っているうちはまだよかった。本性がバレて、さすがの譲治もブチ切れて追い出してからは、もう無条件降伏して帰ってきてもらうしかなくなる。

    こんなに踏みつけにされて、譲治はよく我慢できるものだ。それほど自尊心を捨ててまでナオミを手元においておきたいのか。

  • 23の女ナオミと、彼女に翻弄される36の男譲治の物語。ナオミの純粋無垢で素直な少女から、娼婦のような大胆なエロさを身につけ、男を次から次へと振り回す姿へと成長していく。

    ポイント
    ・大正時代のモダンな雰囲気
    ・流れ込む西洋文化(社交ダンス、衣装、化粧、白人)の描写が味わえておもしろい
    ・強いオンナの本
    ・男のマゾさ全開

    感想
    オンナが強い。なんか失恋した時とか読んだらある意味強くなれそう。そして男のマゾさはかなり気が引けるレベルの描写だけど、あるいみリアルなのかなと感じた

  • まず、この時代に今でも通じる読みやすく美しい文体を確立していることに驚く。

    耽美派として谷崎は有名だが、生々しい描写をしないのにエロスを強く感じさせるところが他の作家と一線を画していると思うし、芸術だと思う。
    特に本作ではそんな谷崎の芸術性がいかんなく発揮されている。
    個人的には谷崎作品で一番好き。

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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