- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101006079
感想・レビュー・書評
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清貧譚と竹青がすきだ。太宰の女の人はいじらしくて清潔感があって凄く素敵だと思う。憧れる。昔話のパロディがいっぱいあるんだけど、どれも登場する女の子が可愛い。カチカチ山のうさぎさんの残忍な美少女っぷりはそういうの好みの人にはたまらないんじゃないかと思います。どうだろう。わたしは乙姫様と竹青ちゃんのほうが好みですが。
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太宰によるフォークロア新解釈をたっぷり味わえる一冊。新釈諸国噺などは、西鶴の原文にちかいのだろうなという話と、『粋人』『遊興戒』『吉野山』など太宰節が滲み出ている話とに分かれている。
特に好きだったのが『竹青』と『浦島さん』。
こうも伸びやかな想像力、幻想的な世界を鮮やかにいきいきと書くことができる作家とは。戦時中の制限された中で、ひとびとを、そして自分自身を鼓舞させるような、そんな切実とした思いも裏に感じる。両者、あまりにうつくしい世界観で、もっと色んな人に読んでもらいたいなぁと思った。これを作者名を伏せて読んで、一体どのくらいのひとが太宰と気づくだろうかと。
そうした美しい描写のなかで、太宰が綴る率直な言葉というのはまたいつも以上に胸にひびくものがある。「年月は、人間の救いである。忘却は、人間の救いである。」
お伽草子は珍しくも「父」としての太宰治が垣間見えるところもあり、なんだかほっこりもした。 -
中期の名作ですね。
学生時代(20年近く前)何度も読みました。
今回、津軽へ年末一人旅に行こうとする後輩のために貸し出すべく再読。
御伽草子の筆が軽く、饒舌。
「曰く、惚れたが悪いか」
は名言です。
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新解釈昔話集。特に人魚の海と竹青が好きでした。
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面白い、おとぎ話がこんなに面白くなるのか。。
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特に印象に残ったのは「浦島さん」。物語中には太宰の独自の解釈が垣間見られるが、最も感銘を受けたのはやはりパンドラの箱の話である。パンドラの箱は開けると膨大な憎悪や悲観など否定的な感情、悪物質が放出される。ただ、底に残るのは希望である。どれだけ辛くても、希望を見出して生きていけという太宰の強く優しい訴えだと考えることができる。そして、「浦島さん」を太宰が執筆完了したのは昭和20年、終戦直後のことである。
本当に太宰治は偉大な作家だと思う。 -
清貧譚・竹青そして井原西鶴の作品群にヒントを得た新釈諸国噺、と人情物がてんこ盛りで、心情の機微に敏感な彼らしい作品がずらり。お伽草紙には期待が大きかったかな、まあ普通。桃太郎をあえて作品化しなかった理由も書かれてたけどなんか腑に落ちない。逆説的だが井原西鶴を読みたいと思わせたね
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『ノイズカット』
太宰治の人生の中で中期を彩る作品。
この作品では太宰治のアツイ情熱を感じる。
どこか、なにか悶々としたものが吹っ切れて、ある制約がある中を自由に闊達に表現されている感じがする。
ちなみに、カチカチ山は女性の感想をきいてみたい。
デートでこの話題をだしたら飯がまずくなるかも。。。 -
斜に構えたスタイルは変わらず
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教科書以外では初めての太宰治。
大学の同級が好きだったな。
どの本か知らないけど。
この本は名前から想像出来るように古典のアレンジ?です。
元を知らないと独自部分が分からないけど、日本の有名な昔話なども題材になっていてちょっと楽しかった。