文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.69
  • (392)
  • (454)
  • (771)
  • (51)
  • (13)
本棚登録 : 5698
感想 : 491
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010182

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読んでよかった。漱石先生への扉が開いたような心地がする。はじめての漱石作品「こころ」が教えてくれたのは、とにかく明治は堅苦しいということ。それ以来避けてきた。

    「夢十夜」は意味深な夢ばかりだけど、深く考えなくても、美しく幻想的な世界が楽しめる。第一夜と第七夜が好きだった。
    「思い出す事など」のような随筆風な小品の数々も面白く、先生を好きになってきた。妻や子どもたちの話はなんだか可愛らしい。また、門弟たちに対する面倒見の良さそうな姿が伺える話の数々も良い。

    全体的に硬いけれどテンポの良い文章。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00254678

  • 久々に気晴らしにと、小説を読んでみた。

    10個の短編で、それぞれ最後の方にハッとする展開に持って行く。ただ、全体的にフワフワしていて、夢の話だろーと残念なことに上手く感情移入できなかったので、あまり楽しめなかった。

  • 100殺!ビブリオバトル No.14 午後の部 第4ゲーム(4班) [チャンプ本!]

  •  再読。
     解説にある説明を要約すると、ここに収められているのは「小品」であり、「小品」とは「短編小説と随筆との中間に広がるあいまいな領域」ということになる。
     全くの「虚構」による作品(夢十夜)や、いわゆるエッセイといわれるもの(文鳥、永日小品、思い出すことなど、等)、そしてその中間と思われるもの(手紙)などが収められている。
     とにかく漱石の文章が僕は大好きなので、それが虚構だろうとエッセイだろうと私小説的なものだろうと、どれを読んでも気持ちが良いのである。
     また、読んでいると、漱石が生きていたあの時代(明治)の人々の息吹、生活習慣、文化等が鮮明に脳裏に現れてくる。
     8月24日の「大吐血」前後、漱石が病の床に伏している状態を描いた随筆を読んでいると、つい先日同じように病院のベッドに寝たきりのまま、ついに最期を迎えてしまった僕の父のことも重ねて思い出され、なんとも言えない感情が湧いてきてしまった。
     そういえば、ずっと夏目漱石の全集が欲しいなぁと思っているのだが、なかなか手を出せないでいる。
     ちくま文庫からは1万円しない価格で出版されているのだが、評判が良いのはやはり岩波文庫から出版されている全集である。
     ただ、これが3万円以上もするのだ……だれか買ってくれませんかぁ?

  • 2017/12/22
    読了

  • 2017/11/17

  • ふと、読みたくなるときがくる。
    幻想的で、詩的で、でもどこか仄暗くて。

    文脈に余白が多くて、自分の気の持ちようで、様々の解釈を楽しめる。
    筆者はなにを思い、この短編を紡いだのか。
    知りたいような、知りたくないような。

  • 文鳥と夢十夜を同じ一冊にまとめた編集者は天才ではないかと思う。文鳥については圧倒的な現実感、かつて存在した文豪がまごうことなき「一人の人間」であったことを示す物語。そして夢十夜は妖艶かつ冷たい文章がまさに夢の中にいるかのような美しさ/儚さを感じる。これを一冊にするとは。

  • 「文鳥」と「夢十夜」のほかにもいくつかの小品を収録した漱石の短編集。
    きっと誰もが知ってる有名どころではないですが、私小説と随筆の間のような作品が多く存分に楽しめました。
    でもいっちばん好きなのは夢十夜ですね。
    こんな夢を見た。っていう冒頭がたまらなく好き。
    特に好きなのは第一夜。
    死んだら、埋めて下さいーーから始まる女のあの言葉。
    「百年待っていて下さい」と言う思い切った声。
    幻想的で艶やかで甘美で、あぁもう本当とても素敵。
    思い出すことなど、で綴られていた、漱石の闘病記のような作品も趣深くて良かったです。
    死を眼前にするとあらゆるものが長閑で安らかになるんだなぁと。
    末尾におかれる漢詩もちゃんと味わえたら良かったのですが難しかったですね。

全491件中 101 - 110件を表示

著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夏目漱石の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×