- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101048017
感想・レビュー・書評
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高校2年生の時に初めて読んで以来、私の中で『野菊の墓』は特別、心に深く刻まれている話である。こんなにも、切なくて悲しくて、心が痛くなるような初恋の物語というのはないと思う。民子の思いが、そして政夫の思いが読む人の胸に迫ってくる。人生はたった一度しかないのに、思い通りになることは少なくて、だからこそ自分の思いや他人の思いを大切にできる人になりたいと思う。
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なんで今まで読んでこなかったのだろう。
求めていた話がここにあった。
1900年代発表なのも驚き。
似た雰囲気の作品があればそれも読みたい。 -
綺麗で美しく、切なくて残酷。そんな気持ちになりました。
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人を慕う純粋な気持ちが清々しくも哀しいくらいに伝わってくる。
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── 伊藤 左千夫《野菊の墓 1906‥‥ 19551027 新潮文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101048010
(20231126) -
技巧的な面白さは
ないかもしれないけど
牧歌的な昔の日本を味わえた
2歳の差が
こんなに壁になるなんて
現代の人達には
分からない感覚だろうなぁ...
椙山書店にて購入 -
正岡子規に師事していた伊藤左千夫
酪農家でもあった
写生の人。
表現せずには生きられない
文学は道楽ではない「去年」
八女との食卓。生活と文学。
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何度読んでも味わいのある素晴らしい名作だと改めて思いました。
最初に読んだのは、中学生の頃だったと思います。大泣きしました。何と悲しいお話なのだろうと思いました。その後も何度か読み今回。情景描写の美しさ、格調のある文章等読みつがれる理由がよくわらりました。
時を戻すことはできない。その時々を悔いなく生きなければという気持ちが、強く残りました。 -
十五歳の政夫と二つ年上の民子。
幼い清純な恋は、大人たちのために隔てられてしまいます。
政夫は町の中学へ、民子は心ならずも他家に嫁ぐことに。
そして間もなく病死。
今尚、可憐な恋物語として読者の共感をさそい続ける『野菊の墓』。
再読ですが、若い時とは違って、今になって分かることもあり、改めて、良い作品だなと思いました。
幽明遥けく隔つとも僕の心は一日も民子の上を去らぬ。 ー 91ページ -
「政夫が中学生の時、病気がちな母親を手伝うため、二つ年上の従姉・民子が、家に同居していた。政夫と民子は、幼い頃から大の仲良しだった。しかし、世間体を気にする大人たちに二人の仲を注意され、かえって互いを異性として意識しはじめる。ある秋の日、野菊の咲く道で二人は淡い恋心を伝え合う。」
・『高校図書館デイズ』(成田康子著 ちくまプリマ―新書)にて女子高生がこの本について語っているのを読んでよみたくなった。
「『野菊の墓』(伊藤左千夫)はじいちゃんがすすめてくれた。とてもきれい、という印象だった。悲恋なのに、妙にスーッとする。「民さんは、野菊のようだ」と野菊を手に持って、恥じらってやりとりしているのが見えるようで、そして、最後の場面は動きや風景が浮かんで、今でも忘れられない。湧き上がってくるような感情を思い出す。きれいに世界が閉じている。ライトノベルとの違いって、こんなところにあるように思う。」(高2)(『高校図書館デイズ』 p18)