キッドナップ・ツアー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058214

感想・レビュー・書評

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  • 小学生にとって夏は特別。田舎の匂いや縁側で食べたスイカ、花火、暗がりで見たホタル。そんな懐かしさを思い出させてくれる一冊でした。

  • ■感想

    子供の頃、冒険物語を夢中で読んだ時の様な気持ちで、読み進めました。
    読んでいるのが楽しかった。

    ハルとおとうさんの会話のキャッチボールが最高でした。
    相手の突拍子もない変化球を見事に受け取り、負けずに変化球で返す・・・みたいな言葉のキャッチボール。
    そして、実はその言葉通りではない、いろいろな気持ちや思いが、不思議と相手に届いている・・というのが、ジーンときた。
    時にハルは、無視という手段で、わざとボールを返さない時もあったけど、おとうさんからのボールは必ず受け取っていたもの。

    飽くまで、ハルという少女の目線で描かれた、おとうさんと過ごした、ある夏休みのできごと。
    おとうさんとおかあさんの大人の事情は、最後まで描かれていなかったのだけれど、どこか醒めていたハルが、おとうさんや他の人を愛おしいと自覚するようになったハルの成長が、この物語のキモ・・かなと思う。

    ドラマ(映像)にたら面白そうだなー。
    お父さん役は、さんまちゃんかなぁ・・・^^;

    角田光代さんの小説は、心地よい残像感が後を引き、丁寧に読みたい、もう一度読みたい・・・と思うことが多く、好きだなー・・と改めて思います。

  • 2006.10.5

  • 登場人物たちの気持ちが大切に描かれていて、切なくなったりホッとしたり…。
    角田さんのこまっしゃくれた(たぶん)子供時代が目に浮かびます。

  • バカな親父と一緒にしたキャンプとか
    思いだして心あったまった。

  • 角田光代さんらしい、読みやすく難しくない言葉で綴られた、口に出せないやさしい、そして良く分かる思いの物語。最後まで明かされない秘密も、だからこそ含みがあって、膨らんで、素敵。

  • 父親として、子どもとの関わり方を考えた作品でした。角田光代さんの作品は、家族を扱ったものの中では秀逸だと思います。

  • 年頃の女の子が感じるイライラや親に対する不満…。ハルを通じて懐かしく思い返していた。

  • 久しぶりに読めた本は角田光代でした。

    角田さんらしいっちゃらしい。この雰囲気。けど、もう少し期待していた私にとっては少し物足りない。

    読んだ後に久しぶりに達成感というか、ここいい!みたいのがなくて解説を読んだけどいまいち納得できず。

    けど、小学5年生のとき、自分のことを自分で決められない感じとか
    あのころは自分にとっては全てで必死になっていたものを、大人は惜しげもなく捨てたりすることに対する怒りとか、は、すごく懐かしかった。

  • 五年生の夏休みの第一日目、私はユウカイ(=キッドナップ)された。犯人は二か月前から家にいなくなっていたおとうさん。だらしなくて、情けなくて、お金もない。そんなおとうさんに連れ出されて、私の夏休みは一体どうなっちゃうの?
    海水浴に肝試し、キャンプに自転車泥棒。ちょっとクールな女の子ハルと、ろくでもない父親の、ひと夏のユウカイ旅行。私たちのための夏休み小説。


    読みやすかった!
    最初はどうなっちゃうのかなーと思ったけど、最終的にはよい終わりかただと思いました。
    夜の海で浮かぶシーンがよかったなぁ(*^_^*)

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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