- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101060095
感想・レビュー・書評
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何度も蹴られる 路傍の石。
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小川洋子さんのラジオで紹介されていて、今更ながら読んでみたが、とてもよかった。
昭和15年、制裁を受け、未完にせざるを得なかったことは「ペンを折る」に書かれている。
吾一の志が素晴らしい。 -
吾一が今後どうなるのか続きが気になる。
昔読んだことがあり、読み返すつもりが違う本と勘違いしていたのかもしれなかった本。
運命に翻弄される不遇の少年の話と思って読み始めた。
ところが、吾一は、思っていたよりも、強い上昇志向(倍働いて出世する、色恋よりも仕事を優先)と未来を掴み取ろうとする意志の強さを持っており、実際は、不遇の運命に挑戦し続ける話であった。
一方で、無理して仕事をしても健康な吾一に対して、あっさり亡くなってしまった人間や、必死に吾一が身につけたスキルが変な方向に利用されるなど、頑張れば報われる話ではない。
まさしく人生など自分など路傍の石でないか、なんのために生きているのかと考えさせられる。
“いかに生きるでなく、いかにして生きるか、、のほうがおれたちのようなものにはもっと問題ではないのか。”
平成の終わりまできても未だに、後者のレベルで人類は生きている気がする。どうやって食べてくかでなく、どんな人生をどんな風に生きたいかをちゃんと答えられるようにならないとなと思う。 -
主人公の吾一と同年代である若いときに読むのもいいけれど、大人になって改めて読んだらまた、大人の登場人物の心情や日露戦争前後の社会の空気など、いろいろ違うものが見えて面白かった。
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艱難は汝を玉とす。
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感動。延々。
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いわゆる教養小説である。
実は未完の作品である。これくらいの作品でも検閲の網に引っかかったという。信じられん。
立身出世的なストーリーは最近ではお目にかからないので、新鮮であった。 -
山本有三記念館に行ったのをきっかけに、どんな文章を書く人だったのだろう?と思って読み始めてみた本。もっと古めかしい文章かと思ったら、意外と読みやすい。だけどタイトルの「路傍の石」の様に、この本も戦争によってあっちでけっとばされ、こっちでけっとばされ。結局完成しなかった。完成してないけど、それもまた良いかと思ってしまうのがこの本の不思議なところ。統制を受け、自由な表現が規制された時代。今でも何でもOKなわけではないけれど、作家にとってどんなにか息苦しい時代だったのだろう。今後二度と、そんな日本にはなって欲しくないな。作品も良かったけど、「ペンを折る」という文章がとても印象に残った。働くとは"はた(周り)"を"楽"にする事。そんなん無理!!傍に楽にして欲しいよ(笑)
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中途半端なところで一時中断、そして再開するも微妙なところで終わっているのが勿体無い。
明治時代に生まれた少年の成長記です。時代的には日露戦争後?父親に振り回され奉公に出され、都会に出て身を立てる家主の娘といい雰囲気になるかな?と思ったらまた父親、またお前か!
困難だらけの人生ですが、それでも上を目指していこうと頑張る吾一を見てると応援したくなります。
そしてあんな父親いたら嫌だ...