ビルマの竪琴 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101078014

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の地で、歌の力で生還した兵士達。
    竪琴の兵士は帰らず、戦地に残ったけれど
    深い、いい作品でした。

  • 自分がやるべきことは、必ずしも周りが望むような形にはならない。
    誰のためでもなく、自分のために、自分がそうしたいからそうする。

    実際に戦争下生き抜いた著者が、戦争をテーマにフィクションを描くのは珍しいと思う。
    描写の正確性は著者自身が否定しているが、話の筋は明快でしっかりしているし、何か心に残すものがある。

    人間の内面の変化って、外見も変えてしまう力があるのか。
    目とか。たたずまいとか。
    それって、意志の堅さの表れだと思う。
    星5つ。

  • 面白かったです。戦争を扱ったものなんですが、嫌な気持ちにはなりません。別の任務に赴いた仲間のことを思って喜んだり沈んだりする場面では絆の深さを感じました。仏教というか宗教色は強いですが違和感は感じません。割とオススメです。

  • 帰国を断念し、弔いのために異国に残るという決断をさせた光景ってどんな光景だったんだろうってずっと思ってる。どれだけ衝撃的だったんだろう。

  • ビルマに行きたくなった!とまで思わせなかったので★4つ!でも、読む価値有り。
    元々、子供向けの童話として書かれたこの作品ですが、むしろ大人向けと言っても良いと思われる作品。子供の時に読む機会があったにもかかわらずその機会を逃したので今更ながら読んでみて感動。読みやすさも良いですね。
    “おーい水島、一緒に日本に帰ろう”なんてセリフは聞いた事があるかもしれませんが、どうして日本に一緒に帰ろうとしなかったのか、心の奥深い所をえぐられる気持ちになります。
    実は想像だけで、ビルマの描写を見事に書ききったと言う筆者を賞賛!

  • やさしい、柔らかい感じの文体で好感度◎。
    第二次世界大戦でビルマへ送り込まれた日本兵のお話。
    ビルマ人に扮して自作の竪琴をかきならし敵兵の目を欺く(水島)など冒険的な内容あり。かと思えば山奥の部族との心温まる交流、歌と音楽を通して敵兵とすら心を通じあわせることができるという、ハートウォーミングな物語でした。戦争という殺伐とした環境下にあっても音楽は人間のすさんだ心を柔らかくほぐしてくれる。
    敵も味方も故郷を愛する気持ちや家族を想う気持ちになんら差はないのだなぁということを強く感じました。
    水島からみんなへ書いた手紙の中で、「人間全体」の救済について語られるが、ココ、さらっと書いているようで深い…仏教の観念から来る人類の精神救済や、功徳について考えなければ水島上等兵の言葉を真に理解することはできないでしょうね。
    ところでビルマの当時の小乗仏教てどんなだったんだろうね。

  • おもしろかった。
    インコに本音の言葉を話させるという、技に脱帽した。
    小説としてのおもしろさがしっかりしている。そのため、戦争や、宗教色をえがいていても、暗さや説教臭さはほとんどない。

  • 最初に読んだのは中学生の頃だっけ。30年ぶりにこの名作童話を手に取ってみた。

    戦後の混乱期、誰もが生きることに精一杯な世の中で、死者を敬う気持ちを持つことの正しさ、すばらしさを教えてくれる。

    竪琴が象徴する音楽と、未開国ビルマ国民の生活の中心である信仰心。人が殺し合う戦争の中で、この2つの役割は大きいのだなと思う。

  • テーマは重いがやさしい本
    空想の物語。ビルマのこともよく知らないで書いたらしい。
    作者はドイツ文学者で、唯一の小説著作とのこと。

  • 水島~っ帰ってこ~い

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著者プロフィール

竹山道雄(たけやま・みちお 1903-84)
1903~1984年。1920年旧制第一高等学校入学、1923年東京帝国大学文学部入学、1926年東京帝国大学卒業後、一高の講師となる。20代でベルリン、パリに計3年間留学、帰国後、一高の教授となる。1948年『ビルマの竪琴』(中央公論社)を刊行、毎日出版文化賞を受賞(以後、二度に渡り映画化される)。1950年一高廃止と共にその後身の東京大学教養学部の教授となるが、翌年には辞し、文筆に専念する。『新潮』『芸術新潮』『心』『自由』などを舞台に、「見て・感じて・考える」を根本姿勢とし、時代の風潮に流れない執筆活動を続ける。著書は『古都遍歴』『昭和の精神史』『まぼろしと真実』『剣と十字架』など、芸術論から時論、紀行文など幅広く、ニーチェ『ツァラトストラかく語りき』『善悪の彼岸』イプセン『人形の家』ゲーテ『若きヱルテルの悩み』など優れた翻訳も残す。1983年『竹山道雄著作集』全8巻刊行。

「2017年 『主役としての近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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