ビルマの竪琴 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101078014

感想・レビュー・書評

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  • 「おーい、水島。一しょにかえろう!」

    終戦後のビルマを舞台にした児童文学。戦闘態勢だった英国人と、歌を通して和解し、ともに合唱する場面がとても感慨深かった。ビルマの山奥で、極限状態のなか、敵陣地から耳慣れた曲が聞こえてきたときの心情とはどうゆうものなのだろう。読み終わってすぐ「はにゅうの宿(Home sweet home)」「庭の千草(The last rose of summer)」を聞いたが、素敵な曲だった。また本作は作者の想像で書かれたものだというのも驚きだった。作者いわく、戦争食後は戦時中の情報を得ることは厳しく、内情を知る手掛かりは人づてに聞くしかなかったそうだ。史実と異なる場所もあるかもしれないが、かつて映画化もされた作品で、心温まる作品であると思う。

  • え、これ児童文学なのか。渋いな。昔の児童。戦争だろうと、敗戦だろうと、歌を歌えばなんとかなる。そう、ディズニーならね。

  • ビルマ(ミャンマー)という国には個人的に思い入れがあり購入。

  • 書いたのがドイツ文学者で、戦後すぐの作品というのに驚き。

  • 実際に行っていないのに、人の話や文献、台湾での経験をもとにここまで書けるなんて、すごいとかそういうのじゃないくらいすごい。

  • 初めて読んだのは、中学の頃。以来、何度か読み返して、手元にあるのは2冊目。
    何度読んでも、涙が出そうになる。水島は、どうして日本へ帰らなかったのか。

  • ビルマに旅行するので読む。ビルマ僧と会うたびに水島上等兵の姿が浮かぶ。名作だと思う。

  • 竹山道雄が1948年に発表した児童向け作品。実話ではないですが、作者が一高教官として多くの教え子を戦場に送り出した体験が動機になって書かれています。戦争について語るのがタブー視された終戦直後に、これだけの内容の作品を書き上げ、発表しようと思った作者の気持ちを考えると頭が下がります。作者の想像で書かれた作品なので、荒唐無稽な部分もありますが、多くの名もなき人たちが日本に帰ることが出来ずに、異国の地で眠っているという事実をあらためて確認できた作品でした。

  • 戦争って悲しみしかもたらさない。竪琴の音色が、聞こえてくるように、読み進めた。さいごに水島はどんな気持ちで手紙を書いたのか、考えるだけで辛い気持ちになったんだー。

  • 水島は、何故日本に帰らずビルマの僧となったのか。一生に一度は軍服を着る日本と、一度は僧の修行をするビルマ。どちらが良い国なのだろうと議論する日本兵たち。精神的豊かさについて考えさせられる。何ができるかではなく、世界に対して人生に対して、どこまで深い態度をとって生きているか。「はにゅうの宿」という曲を知らなかったので、パソコンで聞きながら読みました。それにしても、ビルマの強盗が、「おまえのルーンジ(服)とバナナの葉をとりかえてくれ」だなんて、なんとものんびりしている。

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著者プロフィール

竹山道雄(たけやま・みちお 1903-84)
1903~1984年。1920年旧制第一高等学校入学、1923年東京帝国大学文学部入学、1926年東京帝国大学卒業後、一高の講師となる。20代でベルリン、パリに計3年間留学、帰国後、一高の教授となる。1948年『ビルマの竪琴』(中央公論社)を刊行、毎日出版文化賞を受賞(以後、二度に渡り映画化される)。1950年一高廃止と共にその後身の東京大学教養学部の教授となるが、翌年には辞し、文筆に専念する。『新潮』『芸術新潮』『心』『自由』などを舞台に、「見て・感じて・考える」を根本姿勢とし、時代の風潮に流れない執筆活動を続ける。著書は『古都遍歴』『昭和の精神史』『まぼろしと真実』『剣と十字架』など、芸術論から時論、紀行文など幅広く、ニーチェ『ツァラトストラかく語りき』『善悪の彼岸』イプセン『人形の家』ゲーテ『若きヱルテルの悩み』など優れた翻訳も残す。1983年『竹山道雄著作集』全8巻刊行。

「2017年 『主役としての近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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