- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104348
感想・レビュー・書評
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(一)(二)巻、読了だけどここまでの感想を書いておく。
なぜって、
上手い語り口に乗せられて、むらむらと怒り込み上げで読み進んでいるのだ。
なんとなく勘弁して欲しいなーという気分になるのはどうしてだろうか。なんかいらいらしてしまって困るのだ。
絶対そうだろうなーと思わせる確かな筆運び。
無理のない設定だし、そんなことこの世の中ありふれてるし、何もそんなに嫌悪しなくてもと思うのだけど。
えげつなく、リアル過ぎ?でもそれって著者が上手いということでしょう。
例えば「悪役」の「財前五郎」だとてひるむ時があるのをちゃんと書き込んであるし、「善の味方」の「東佐枝子」だって友人の夫を取りそうだし、バランスがとれ過ぎるくらい。
「女系家族」(相続)「華麗なる一族」(銀行の内幕)の時は面白い、痛快とまで思って読めたのに、変だ。
テーマが「金」と「権力」プラス「命」だからかもしれない。
ああ!限りなく上手い作家なのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
教授になり益々政治力を身につけた財前が魅力的。著者は他の作品でもそうですが、権力に魅せられ翻弄される人物を本当に活き活きと描かれる。
面白い一冊。 -
大学病院の世界、私では想像できないほど複雑に絡み合った世界なんだろう・・と感じる。
良い作品です! -
本の裏にダイジェストが書いてあるので読みやすい。
本当、誰かも書いてたけど社会の縮図のような物語。 -
大学病院の教授選をめぐり、賄賂や駆け引きが当たり前の世界、利害関係に結ばれた濁った人間関係が描かれる。登場人物は、頭のキレる人たちばかり。読んでいるだけで、心の弱さや狡さを見透かされているような居心地の悪さを感じるほど。
物語に出てくる人たちは優秀な医師ばかりで、もちろん信念や良心を持っている。それでも、名誉や地位を前にすると、人間が持つ良心は心許ない。権力は人を狂わせてしまう怪物のよう。
名誉欲に溺れる財前、学問と真実に向き合う里見、この2人が見事に対比する。封建的な人間関係が渦巻く白い巨塔の中で、純粋で正直な生き方を貫くのは難しく、だからこそ美しい。 -
おそらくこの第二巻が、財前の絶頂期だろう。
教授選の勝利、国際外科学会への招聘、一方でこれから財前に降りかかることも匂わせている。
それにしても、山崎豊子は人間模様の描写が絶妙だと思う。 -
しつこい‼️
教授選の模様が1巻から2巻の半分位まで、いささかうんざり。そして財前は教授になったらますます嫌味なキャラがパワーアップ、最近あまり見かけなくなったけど、かつてはこういう尊大で偉そうな医者、いたな。
さて、この先財前がますます調子に乗ってカッ飛ばすのか、大きな罠に陥るのか、見ものだ。 -
ハイボールがよく出てくる。