壁 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121024

感想・レビュー・書評

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  • わけわかんなかった

  • 第一部の「S・カルマ氏の犯罪」はある日突然名前を失った男が、周りの人間から迫害され、最終的に壁になってしまう話。不条理小説であるカフカ『変身』の壁バージョンだろうか。いや、あちらは目覚めたらいきなり虫になっていた設定なのでちょっと違うか。でもモチーフは近いものを感じる。
    第二部の「バベルの塔の狸」は、量子力学の考え方(タイムマシンが出てくるからアインシュタインの相対性理論か?)が所々にみられるのが印象的だけど、それが作品の本質じゃないことは明らか。じゃあ何?って聞かれるとゴニョゴニョだけど・・・
    第三部の「赤い繭」「洪水」「魔法のチョーク」「事業」は比較的読みやすいけど、それはそれで読後に残るものがあんまり無いという。
    何となく凄い作品であることは分かるんだけど、全体を通して『箱男』を上回る難解さで、何を書いてもとんちんかんな感想になりそうで怖い。こういう作品をちゃんと理解して読める人は、きっと頭のつくりが私なんかとは根本的に異なっているのだろうなあ。

  • 正直よくわからなかった。ある日突然名前を失った人の話と影を失われた人の話。タイトルである壁が何を意味してるのか全体を読んでも分からなかった。

  • 2023.8読了

  • 見渡すかぎりの曠野です。
    その中でぼくは静かに果てしなく成長してゆく壁なのです。

  • 砂の女を読んで安部公房のミステリアスだが、妙に説得力があり、現実のある語りに惹かれて本書を読み始めたが、今回はあまり惹かれなかった。
    解説を見てカフカとの比較が語られていたので、カフカを読めば何かが変わるかもしれない。

  • ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。
    独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った芥川賞受賞の野心作。

  • 難しい。こんがらがる。難しい。

  • 何を読んだのか…

  • 登場する主人公はどれも、日常から非日常に放り出される。
    次から次へと変化するめまぐるしい展開を漫然と楽しむのもおもしろいし、作者の展開する非日常の論理を考察するのもおもしろい。
    ぼく→彼→ぼくの変化はどうにも難解だった。

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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