白い人・黄色い人 (新潮文庫)

著者 : 遠藤周作

• 新潮社 (1960年3月17日発売)

感想・レビュー・書評

[カナさんの感想 · 2021年3月12日]

異邦人の幸せを知った

神を持っていないため罪を感じない？

[けもらさんの感想 · 2021年2月17日]

登場人物の信仰心の対比が面白い。

[村口諸氏さんの感想 · 2021年1月22日]

信仰あるゆえに苦しむ白い人と、信仰なきゆえに苦しむ黄色い人。

[naさんの感想 · 2020年12月13日]

教会も罪の苦しみも、救済の願望も、私たち白人が人間の条件として考えた悉くに無関心、無感覚にあいまいなままで生きられるのだった。これはどうしたことなのだ。これはどうしたことなのだ。

[ガナガーナさんの感想 · 2020年7月28日]

カトリック作家として若い頃の作品。宗教、人種差別など作者が作品を通して伝えたいことが解説を見てようやく分かった。
表現や深みある文章はさすがで、エッセイを見た時との印象の違いもすごいものがある。

[samさんの感想 · 2019年8月16日]

白い人の舞台は第二次大戦中のフランス。
生まれつきの容姿に対するコンプレックスを持った主人公は敬虔なプロテスタントである母に清くあることを強いられるが、それに反する精神が芽生えていく。
黄色い人のテーマは信仰心を持たないが故の幸せ。
女性と関係を持ってしまい破門となった神父は神を裏切ってしまったことに悩むが、それに対し日本人はキリスト教徒ではないが故にそのような悩みを持つことがない。それを肯定も否定もしないが、それに気づいたという話。

[haroldさんの感想 · 2019年4月5日]

絶望を知る「白い人」に対し、「黄色い人」はただ疲労するだけなど、日本人はキリスト教を理解し得ないのではないか、という信仰に基づく懐疑を、感情から掘り下げている。解説の通り、初期作品であり後に遠藤文学で大きく展開されていくテーマが既にはっきり現れている。

[tommy1111さんの感想 · 2018年12月31日]

暗く重い。後の作品につながるテーマがいくつも出てくる。深すぎて消化できなかった感じだけど、山本健吉のあとがきでちょっとすっきり。

[Στέφανοςさんの感想 · 2018年12月5日]

芥川賞

[Rさんの感想 · 2018年7月14日]

難しい。この辺りのテーマが後の「沈黙」とかの作品に繋がってるのはわかる。

著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50～53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」