芽むしり仔撃ち (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101126036

感想・レビュー・書評

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  • もっと以前に読んでいたら人生が違っていたに違いない。

  • お-9-3

  • 感化院(今で言う少年院)の少年達が、戦争のために疎開した村で、疫病がはやりだして、村人だけが逃げて、少年達は村に閉じ込められてしまう…みたいな話。

    ちょっと生々しかった。

    何人も仲間が死ぬし。

    ちょっと『希望の国のエクソダス』が思い浮かんだ

  • どこのレビューを見てもとにかく評価の高い作品。
    でも僕個人としてはそこまで面白かったとは思わない。
    ここ最近安部公房氏の作品ばかり読んでいたからその作風に慣れすぎて、
    読み取れていなかっただけかもしれないが。

  • 080412(a 080501)
    081226(n 090125)
    110118

  • かなしいかもしれないけどすごく好き。(個人的には)萌えどこもちゃんと入ってるし。読んでいて気持ちいい濃度。

  • 衝撃、何なのだこの新鮮な感動は。第2次大戦末期の寒村を舞台にしたこの小説は、昭和33年に書かれている。なのに、過去の話というよりは近未来を舞台にした話に思えてくる。高校生のときに読みそのときも始めて触れるタイプの小説と言う印象で、大事な一冊として何度にしまってあったのを昨夜なんか退屈とふと目にとまって読み返した。最初文章がこんなにキレイだったかと思うのだ。何がキレイか。風景の描写だろうか。感情や様子の表現だろうか。そうだ、文のリズムと言うか読みやすさだ。そう思い声に出して読んでみた。朗読しやすい文章なのだ。句読点や接続詞の区切りが息継ぎしやすいのだ。戦争末期、感化院の少年たち15人が山奥の寒村に疎開するが、疫病に村人たちは村の出口を封鎖し少年たちを置き去りにして逃げてしまう。閉じ込められた村の中で、自由なのだと感じたとき新たな発病者と村人の帰村により少年たちは屈辱的な結末を迎える。最初から、無邪気な弟の存在は結末の悲劇を予想させるのだか、この弟の存在が全体の中で妙に精神的に大人びた諦めや絶望感を感じさせる主人公の希望や少年たちの本来の好奇心あふれる素直な姿の象徴のように思え、いっそう結末が胸に迫る。愛する犬が殺されたとき、守ってくれなかった主人公やすべて犬のせいにするほかの少年に対する弟の絶望感、それは村人たちが少年たちを見捨てたことの縮図のようにも思える。自由と思っていた世界の中で少年たちも大人になっていく。この小説の中で、大人たちは強い存在として書かれている。確かに武器を持っていたりはするが、頑強で狡猾な存在、いま大人の男たちにそんなイメージはないように思う。近未来的に感じたのはそれだけ戦争がはるかむかしの出来事になってしまい、実感がなくなったというか社会から忘れられ、それよりも新たな戦争を予感させるような出来事が続いているせいだろうか。決して古臭い過去の作品ではないし、古典と言うような堅苦しいものでもない。ぜひ若い人に読んでもらいたい一冊だと思う。2005・9・27

  • 戦争末期、感化院の少年たちは山奥の僻村へ疎開させられる。仲間の一人が疫病で死んだ夜、村人たちは疫病を恐れて少年たちを置き去りにして村を出る。そして、少年達の自由を謳歌する短い日々が始まる。

  • 丁度ノーベル文学賞をとった頃だったか…なにかで紹介されててこの本読んでみたんですが。さすがに読後感はよろしくないです。実体験がもとなんだろうか。

  • あー怖い。
    あー怖い。
    人間の究極。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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