赤ひげ診療譚 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134062

感想・レビュー・書評

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  • 男と女の愛憎の話し、人間の悲哀が書かれ、診療のはなしが主体と思ったが大違い。人間の業の深さを感じさせる。非常に感銘深い良書。

  • 100刷を超える世代ほ超えて読み継がれた秀作である。清貧な名医「赤ひげ」新出去定に呼び出された遊学から戻った保本登の診療にまつわるあれこれの話である。『三度目の正直』『徒労に賭ける』が特に良かった。貧しさ、正義、因業、欲望、愛欲が作者の巧みな筆で生き生きとまざまざと描かれている。作者の没年のあとに生まれたのが残念である。これも因業か。

  • 「人間に善も悪もない。ただ環境がそうさせているだけなのだ」

  • まどろっこしくて、高校時代に『樅ノ木は残った』を挫折して以来、何故かしら山本周五郎とは全然縁がなく、現在に至っていた。
    しかし、齢五十を越えて読む山本周五郎は実に心地佳い。
    そうか。山本周五郎は、若造の高校生なんぞが読んではいけない、それなりの人生経験を持つ大人のための小説だったのだ。

  • 温泉宿でその夜を過ごすため、温泉卵も売ってる本屋で購入。面白くて一気に完読。

  • 赤ひげの所に「気違い女」が入院してきた。しかし、男に蹂躙され、悲しい思いを持ち続けた女は夜叉として関係した床を刺殺するので、隔離されているのであった。
    いろんな患者もいろんな生活苦で悩んでいる。

  • 樅の木は残った以来の山本周五郎作品だと思う。
    空気感の描写が独特で、ふわっとしている感じに馴染めない印象があったが、人気作家である理由が本作品でわかった気がする。
    もっといろいろな作品が読みたくなった。
    時間を空けてから再読してみたい。

  • 主人公は赤ひげ先生じゃなくて、そこに新しく入った医師。初めは嫌厭してたのに赤ひげ先生や医師としての使命(?)に改心していくところが興味深かった。
    貧困とは心も病むものだというのは初めて知ったかも。生きていくのにお金に不自由しないというのは、かなりいい世界なんだな。

  • 赤ひげがいいなあ。

  • 2013/11/22
    思っていた感じとは違ったけど、とてもいい作品。
    仕事がすごく忙しくて読むのにかなり時間がかかったので、次読む時はもう少し集中して読みたい。
    保本がどんどん変わっていく姿がいい。

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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