赤ひげ診療譚 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134062

感想・レビュー・書評

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  • 山本周五郎の八編からなる連作短篇集。
    主人公の登は、長崎遊学後、幕府の御目見医の席が用意されているはずだったのだが、なぜか小石川養生所の見習医として働くことになってしまう。養生所に来たばかりの主人公登は、“赤ひげ”と呼ばれる養生所の医長、新出去定に対して強く反発していたが、赤ひげの下、最下層の人々の苦しみや赤ひげの考え方に触れるうちに、貧しい者を救う養生所の医師という仕事にやりがいを感じるようになっていく。
    赤ひげのブレのない姿勢と、登の成長していく姿が清々しかった。

  • 再読。学生時代に読んだ時は赤ひげ先生の言葉があまり心に響きませんでした。 今回は自分自身、登より赤ひげの年齢に近くなったのでズシンと心に響きました。それを確かめれただけでも再読の価値があったと言えますね。 何冊周五郎作品を読んだかにもよると思いますが、作者の哲学の集大成が語られていると言っても過言ではないような気がします。 読めば読むほど赤ひげ先生がとっつきにくい存在からカッコよくて立派な存在に変わるのだと思います。 病院(診療所)を舞台としているだけに、単なる人情話だけでなく命の大切さや人間の本質を問うより厳しい物語となっています。 主人公・登の成長はサイドストーリーともなっている恋物語の行方で読者に通じるところが楽しいですね。 作者は天国から読者に対して、現代においても人間は精神的に貧乏であってはならないと読者に諭してくれているのだと思います。 3回目はもっと早く読もうと思っています(笑)

  • 江戸の雰囲気を豊かな情景描写で表した小説。当時の医者のモラルを考えさせられる。

  • 一時代前はほんとにメジャーな本だったけれど、今はどれほどの人が知っているのだろうか・・・・

  • 中学の読書感想文で書いたなぁ~
    徒労に人生を賭ける赤髭と、赤髭を師と定めた登の生き方に感動☆

  • 赤ひげかっこいい。

  • 現代の赤ひげ先生はいずこ?こんな医者がホンとにいれば最高♪

  • 憧れ。

  • どちらかと言えば、短編は苦手なんだけど、
    これは登場人物が最初から最後まで一貫してたから読みやすかった。
    っていうか、これは短編とは言わないのか!?

    昔から、いや昔だからこそ(?)世の中色々大変な人達が一杯いるんだなぁ~。

    少々のことで文句を言ってはいけないね。(^^;)

  • 医者と人間についての話

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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