人情裏長屋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134321

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、長屋の短編小説。
    高校生の頃、付き合ってすぐに別れた男の子が何故か貸してくれた本。
    メッセージは、読み取れなかった。すまん。
    しかし、面白かった。
    たぶん時代小説、好き。

  • 04.10.31

  • とてもいい話です。
    周五郎さんを読むといつも、人間が愛しくなります。

  • 私にとって一昨年11月以来久しぶりの山本周五郎氏の小説。読み始めからもう山本氏の世界引き込まれてしまいます。11編の短編どれをとってみても珠玉いえる。男同士の友情を描く『三年目』や『秋の駕籠』などは『さぶ』を髣髴させる話だ。
    驚いたのは表題作『人情裏長屋』だ。めっぽう腕のたつ浪人・松村信兵衛は裏長屋住まい。金の入り用があると「取手呉兵衛」と名乗って道場破りをして金を稼ぐ。あっ、これは今から三十数年前、私がまだ中学生か高校生の頃にテレビでやっていた時代劇『ぶらり信兵衛道場破り』ではないか。高橋英樹が主演、信兵衛役でした。普段は贅沢をせずこつこつと仕事をしてつましい生活をしている信兵衛が、困っている他人を助けるためにまとまった金が入り用になると道場破りに出かける。信兵衛はめっぽう剣が立つので道場の門弟をつぎつぎ薙ぎ倒してしまう。いよいよ道場主との手合わせという段になって、最初は力の差を見せつけ道場主を追い詰めるのだが、そこで勝ってしまわず道場主がいまにも「参った!」という寸前になって逆に信兵衛が「参った!!」と言ってわざと負けてやり、あとで袖の下を頂戴するという筋書きであった。そうか、山本周五郎氏の小説がベースになっていたのか。三十数年たって初めて知りました。そういえばそんな浪人・信兵衛に岡惚れするおぶんちゃん役の武原英子の可愛かったこと。なんとも微笑ましく味わい深い時代劇でした。YouTubeで検索すれば少し視ることが出来るようだが、DVDは無いのかな。是非もう一度視たいものです。

  • 11の短編集。
    その中で一番良かった作品は、「ゆうれい貸屋」。ゆうれいを使って一儲けしようとする男の話。笑えた。

  • 今月の図書館での出会いから…この表紙ではなく、古い版で灘本唯人さんのイラストレーションの表紙でした。好きなイラストレータのひとりです。この絵は、どうかな?この大きさでは、わからないなぁ…本の中身ですが、つまみ食いのような感じで、短編を読んだだけなのです。時代小説の名手という印象がありますが、現代小説も2編ほど収録されていて、そっちのほうを先に読んでしまいました。解説を読むと、山本周五郎さんは戦前に直木賞を辞退されたそうです。現代では、欲しくて欲しくてたまらないヒトたちが多いようですが、時代が違うのでしょう。短編をポツリポツリと読んでいきたいものです。

  • 笑わせる話、熱くなる話、スッとする話、怖い話…
    いっぱい作品が詰め込まれているけれど、
    この話のほとんどが、立場的に庶民(もしくはそれに満たない人々)
    と言える人たちによって織り成されるのが良いです。

    まさに大衆のための小説。

    「泥棒と若殿」「雪の上の霜」あたりが個人的には好きだったかな。
    笑ったのは「風流化物屋敷」と「長屋天一坊」。

  • 2007年5月に歌舞伎座昼の部で坂東三津五郎の若殿と尾上松緑の泥棒で上演された「泥棒と若殿」の原作が読みたくて探した本。お家騒動の内紛で幽閉されてその日の食料にも事欠き餓死するかもしれないと武士の世界に絶望しかけた若殿と、お人好しにもつい彼に食料を運んでくるようになってしまう泥棒との話で、非常に原作に忠実に舞台化されていることがわかる。山本周五郎はいい話ばかり書いているわけではないけれど、これは表題作を含めて大半が結末の温かい話を集めていて読後感がいい。講談調の語り口の楽しい「風流化け物屋敷」などもなかなかいいですよ。

  • 昨日眠たい帰り道 KIOSKで本を買った
     なぜか目に飛びついた 人情裏長屋 山本周五郎である
    何年か周期で 時代小説や落語ブームが私の中に去来するのですが。今年がそうらしい
     帰ってひと寝りして こんな時間に本を読んでるわけだが
    いいね 下町
     「あんた」 「おまえさん」 「飴ん棒う」
    「―ってー始末だ」「ちょいと旦那」 「粋だねー」
    なんて言葉が溢れてる。 なんか幸せになるな。

  • 居酒屋でいつも黙って一升桝で飲んでいる浪人、松村信兵衛の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語『人情裏長屋』。天一坊事件に影響されて家系図狂いになった大家に、出自を尋ねられて閉口した店子たちが一計を案ずる滑稽譚『長屋天一坊』。ほかに『おもかげ抄』『風流化物屋敷』『泥棒と若殿』『ゆうれい貸屋』など周五郎文学の独擅場ともいうべき"長屋もの"を中心に11編を収録。
    <br>
    【感想】
    http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200505100000/

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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