- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152332
感想・レビュー・書評
-
項羽のまっすぐな生き方に共感を覚える。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんというドラマ。脚色も当然あるだろうが、圧倒的な力を有する項羽が弱いながらも人の良さと優秀な部下に支えられた劉邦に屈する様子はいかにも人間らしい。一つの答えなど無いのだと改めて考えさせられる。あらゆる時代もリーダーシップスタイルは色々な形が存在しているのだろうが、個々人が自分のスタイルの効果を理解しているかどうかは難しい。分かったところで簡単に変えられるものでもないのかもしれないが...。後から中国人に聞いたところによると項羽と虞美人との関係は大変に人気のある話だそうだ。そこに彼の人間らしさを感じるからだろうかと勝手に想像する。
-
楚漢の戦い、ついに決着! 項羽の最期が格好良すぎて悲しくなる。二種類のカリスマ対決、といった感じだったのかなあ。
-
4101152330 362p 1996・9・15 43刷
-
司馬遼太郎は難しいのではないかと思っていたが、わかりやすくて面白かったです。
前から気になってた漢創立期の話が読めて良かったです。
項羽と劉邦のキャラクターの違いも面白かったです。その才能から期せずして主君よりも大きな勢力となってしまった韓信と、劉邦との関係は切なく、歴史の深さ、難しさを考えさせられました。もちろん帳良ファンです・・・!いけませんか・・!鯨布もかっこよかったけど・・!司馬先生の描くこの楚漢攻防紀の登場人物は、どのキャラクターも個性が際立っていて、それでいてどこか剽軽な処があります。それ故かストーリーも読みごたえがあるのに重たくなり過ぎず、ちょっと爽やかな読後感(?)があります。 -
ここにレビューを記入してください
-
全三巻に及ぶ本作品を読了した。劉邦が項羽を破って漢帝国の高祖となるのだが、本作品は項羽の討死で幕を閉じる。私としては、楚漢戦争後の漢帝国成立時における韓信や彭越の末路なども興味が有ったため残念である。
司馬氏は、劉邦の勝因に「食」を重要視する。ひたすら武を重んじる項羽に対して、兵を食わせることを重視した劉邦。穀倉地域である敖倉を押さえた戦略は最たるものである。最も、その戦略は劉邦が判断したのではなく、優秀な部下が進言し、それに従っただけどあるが。結局のところ、部下に恵まれ信頼し有効活用した劉邦に対して、部下を信用せず独裁者とならざるを得なかった項羽という、組織力の違いが勝敗を分けたのだ。
本巻で私のお気に入りだった劉邦の部下は公侯。頑固過ぎる性格は、私は絶対付き合いたくないタイプではあるが、人物描写を読んでいて非常に心地よい。偏屈ではあるが、見事に項羽との和睦に成功する。そしてこれが垓下の戦いとなり、勝利につながるのだ。
2000年以上も前の出来事を緻密に描写出来る司馬氏の筆力の凄さには改めて尊敬するとともに、日本では卑弥呼すら登場していない時代にこれだけの政治抗争を繰り広げて「四面楚歌」という四字熟語をも残した中国という国の懐の深さに、改めて舌を巻いた。 -
再読