項羽と劉邦(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152332

感想・レビュー・書評

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  • 人間の魅力とはなにか?学生時代にはそんなビジネス書みたいな感想で満足していた。しかしいま読み返して感じることはそれほど単純ではない。
    たしかに劉邦の周りには様々な者が集まってきた。だが蕭何や張良のような者ばかりではない。肉に群がる獣や虫みたいな輩もいた。項羽は自身の熱すぎる炎により近づく者を選び孤独だったかもしれないが、虞美人や最後の瞬間までつき従った故郷の楚兵と死ねた。まだ31歳。
    『国破れて山河在り . . .』である。

  • 「虞や虞や汝を如何せん」
    高校の古典で習ったときは「虞や虞や」の響きが面白かった。
    でも、物語を読み進めていって出てくるこの台詞は泣きそうになった。

    命を懸けるとはもう安っぽい言葉になったかもしれないけれど、この時代の人は本当に一戦一戦に命を懸けた。項羽と劉邦に命を預けた。下巻では女性たちの心情描写も出てくる。男のために生きた人、裏で男を操った人、気の強い人……。
    これは古代中国を生きた人々の物語。

  • 「(あれは、楚歌ではないか)」

    ついに項羽と劉邦の決着。
    今まで押していた項羽が食糧不足により一転窮地に。
    項羽:崇拝され負けなし。その気迫、存在だけで楚軍の士気を盛り上げ、勝利に導く。漢軍に負けたのではなく、天に滅ぼされた。
    劉邦:負け将軍。表情豊かで懐が広い。中身がなく袋のような存在で、多様な者を引きつける。項羽を恐れ最後まで攻めきれない。

    どんなに強くても食べ物がなければ戦えない。劉邦は和を重んじ、項羽は武を重んじた。項羽は白黒はっきりさせるのが潔く、かっこよい。しかし、天下を治めるには潔さがかえって仇になるのか。和議からの劉邦による襲撃で追いつめられた。項羽は言う、自分は天に滅ぼされたのだ、と。

  • 完結巻。
    劇的な展開。四面楚歌の話で、物語が完結。

  • 「劉邦と項羽」でなくて「項羽と劉邦」の理由が最後まで読むと分かった気がしました。下巻が一番面白かった。

  • 2014/01/03【古】 80円

  • ※上巻にてレビュー

  • 韓信の「背水の陣」の戦いから
    負けてばかりだった劉邦軍が、圧倒的強さの項羽軍を垓下に囲み
    「四面楚歌」により「天が我を滅ぼした」と項羽が自害するまで。

    おもしろかった。
    時代背景...当時の文化や政治、考え方なども合わせて書かれているので
    「ふむふむ」と話をよく理解しながら読み進めることができた。

    愛情と惻隠の情があったものの自尊心が強く白黒はっきりさせる項羽と
    彼のために知恵を絞りたくなるような人格的雰囲気を持つ劉邦
    その可愛気に引き寄せられた側近たち
    登場人物だれもが魅力的でお腹がいっぱいになった。

  • 面白かったです。

  • 下巻では、各地で戦闘が勃発。劉邦の天才家臣達が、またしても項羽軍を追い詰める。その中でも輝く不屈かつ最強すぎる項羽。ラストは壮絶。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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