峠(中) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152417

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  • 河井継之助の物語も面白くなってきた。長岡藩の家老になり、それまでよりも藩を生き残らせることに腐心しながらも、殿様のやりたいこと(徳川家への義理)を実行したりと、思想や行動に制約が出てきてしまう。しがらみがあると能力発揮は難しくなるということか。
    途中で出てくる福沢諭吉はそういうしがらみがなく、自由な発想で将来の日本を見ていたこととは、好対照。
    親戚筋の藩との話し合いなどもあり、家老は大変だ。先進的な家老ではあるが。

  • 幕末の不安定な時勢を乗り切った日本人を誇りに思う。揺れ動く思想、動乱、政治に対し芯を鈍らせず立ち向かう継之助はすごい。

  • ついに大政奉還により徳川体制が崩れ、今まで300年間続いた秩序が壊れた。ここにきて長岡藩の大老としてどのような判断をしていくのか、立場を基礎として自分で情報をとり、自分の頭で判断していく継之助の姿がかっこいい。下巻が楽しみ。

  • 歴史上の人物「河井継之助」を題材にした小説。私が最も尊敬する人物です。幕末は薩長に隠れがちですが、発掘していただいた司馬遼太郎氏に感謝!です。

  • 福沢諭吉も出てきて、その権利と自由について語っている。継之助は福沢を理解したようである。上巻と同じく陽明学に関する記述を拾ってみると「おのれの日々の目的は、日々いつでも犬死ができる人間たろうとしている。死を飾り、死の意義をあらしめようとする人間は単に虚栄の徒であり、いざとなれば死ねぬ。人間は朝に夕に犬死の覚悟を新たにしつつ、生きる意義のみを考えるものがえらい」「肉体はどこにもない、からだは風に吹きとおってる。一個の気だけが歩いている。おれはそれさ」「左様。御上洛がおわりますれば、その翌日ためにござります。その翌日がおわりますれば、さらにその翌日のためにござります。生は事を行う為の道具にすぎませぬ」

  • 【44/150】ムムム、周りはいろいろ展開していくのだが主人公の河合継之助には特にまだ何もおこらない。奇妙なストーリだ。コメントしようがない。

  • 大政奉還から時勢が一気に動く。300年以上続く武士の思想・習わしにより思うように身動きの取れない様を見ているともどかしくなってくる。大局を見据える幅広い視野を持ち時勢の判断力に優れ、いち早くガットリング砲や洋式銃を揃えて武力を強化しているのに、自藩の長岡藩のみを守る立場を変えることができなかったのが、なんとも残念

  • 幕末の越後長岡藩執政、河井継之助の生涯を描いた歴史小説。なにしろ幕末には英雄・豪傑が多いので、地元ではともかく全国的にはそれほど知名度がない河井継之助だが、なかなかユニークな人物だったようだ。そんな人物を発掘してきて、ここまで面白い読み物に仕立て上げる司馬遼太郎の眼力と筆力には感服する。


    史料や史実を踏まえながらも、人物描写がとても活き活きとしていて、かなり書き込んでいる。実際の河井継之助がどういう人物だったのかは知るすべもないが、読者にはまさにここに描かれているような人物が実在していたかのような錯覚を覚えさせる。多分この辺が歴史小説の醍醐味なんだろうと思う。

    実はこの作品を読むのは、数回目くらいになる。数年ごとに読みたくなる深く印象に残る作品だ。こういうのを愛読書というんだろう。読む側も年月を経るうちに様々な経験を積み、読み方も受取り方も変わってくるものだが、この作品は毎回いろんな示唆を与えてくれる。

    http://fionfion.seesaa.net/article/185510123.html

  • 藩主・牧野忠恭に取り立てられてゆく。

    でも、おもねるわけではない。

    こういった君臣の関係は異常事態ならではなのだろうか。

  • ・8/14 読了.読み始めると止まらなくなるのが司馬遼太郎の本だ.いよいよ幕末に向けてどうなるか楽しみだ.

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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