- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152417
感想・レビュー・書評
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私の友人に随分と年少の文士の卵が居り,この小説の主人公の河井 継之助像をリスペクトして書いたジュヴナイルがあって,なかなか面白かったので再読してみた.河井 継之助自身の確定資料は少ない筈なので,書く側にしてみれば想像力の余地が大きいところが良いところでもあり,悪いところでもあるかも知れない.
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時代が音を立てて震動するような状況になっていく訳だが、本作の継之助は「だからこそ」とばかりに色々な人と交わる“自分探し”を行い、それを通じて「自らの立場、または進めべき方向」を定めようとしている。彼が交わるのは、地元長岡の幼馴染である親友の良運さん、乗り込んだ幕府軍艦の士官、横浜で親しくなった福地源一郎、その年上の同僚である福沢諭吉、身の回りの世話をする忠僕の松蔵、横浜の女郎、外国商人のスネルなどなど実に多彩である。こうした多彩な人達と出会い、言葉を交わす都度に本作の継之助は自らの考え方を“確信”に高めていくのである。
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1997年4月28日購入
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1861(文久元)年、福沢諭吉はヨーロッパへ渡った。ドイツのプロシャが力を持ち、ウィルヘルム1世がドイツを連邦を統一して帝国へ。日本も倒幕して不合理な連邦政府(共和政体)から立君政体へ変わる必要がある。
「西洋事情」からもわかるように思想は尊王ではなく勤王であり、大名同盟では貿易がわずらわしくなり、戦になる。これでは世界についていけなくなるので、文明を吸収するなら封建制を廃して立君しなければならない。西洋の先進文明を成り立たせているのは「free]と「right]であった。福沢はこれを自由と権利と訳した。 -
上巻より続く。
とにかく面白い。
武士とは何か。時代とは何か。
独りよがりな中に侍を感じる。
男性は特に読むべし。 -
越後長岡藩河合継之助の話し。
新潟の人(特に長岡市民)は読んでみないと! -
幕末時代に生きた、長岡藩家老河井継之助の生涯。結構読むのに時間がかかったけど、生き様に脱帽!絶対に1回は読むべき作品です。
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?03.10.30(日本)
?0412.16(蘇州) -
異色の幕末小説!
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この『峠』、河井継之助の魅力に参ってしまう前に、こうした細部の社会が描かれているので、その日本の精神文化のレベルの高さにメロメロになってしまう小説なのだった。それから司馬氏の小説(クセなのだろうが)、「女」がカッコイイ。凛として立つ、というか、颯として在る、というか――ウーン「歩く姿は百合の花」で内面はもう、緋桜お龍さんである。