司馬遼太郎が考えたこと〈1〉エッセイ1953.10~1961.10 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.56
  • (19)
  • (21)
  • (52)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 316
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152431

作品紹介・あらすじ

歴史と文明、人間について天性の明るい知性で考えぬいた司馬遼太郎が、40年以上にわたる創作活動のかたわら書き残したエッセイを、年代を追って収録した集大成シリーズ。第1巻は、新聞記者時代から、『梟の城』で直木賞を受賞する前後まで。食や大阪、神戸についてのエッセイや、戦争中の極限的経験を綴った「それでも、死はやってくる」など、若き日の思索をたどる89篇を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 枕元に置いて
    一編ずつ ゆっくり まったり
    読み進めている

    そういう読み方には
    とても合う一冊でした

  • 新聞のコラムをまとめたもの。時代時代の移り変わりがよく分かる。全巻通して読みたいけど、何せ時間がない。

  • こ〜いうふ〜に普段物事について考えながら氏が歴史の名著を書いていたのかと思うと、まるで目の前で氏が語っているよ〜で極めて幸せな一時を過ごせます!

  • 氏のエッセイをとりまとめたもの.このシリーズだけで15巻もあるのがすごい.

  • 若き頃の司馬さんのエッセイ、新しい魅力の発見でした。

  • 微妙に後の蘊蓄癖が見え隠れしなくもないけれども、まだまだ青い感じのエッセイ集。正直これだけでは全く面白くないと思います。
    でも後に国民作家と言うべき地位にたどり着いた作家の軌跡という観点では興味深い。幾つかの選択肢が確かにあり、おそらくは半ば自覚的に、半ば無意識のうちに自らの進路を進んでいったという意味で。

  • 金子拓 織田信長不器用すぎた天下人あとがきつながり

  • 9/13読了

  • 「司馬遼太郎が考えたこと」全15巻は司馬が書いた随筆のうち単行本としてまとめられたもの以外を集成し、初出時系列順に並べたシリーズ(初出情報については各巻に詳細な「作品譜」が付いている)。本書はその第1巻。したがって彼が公にした文章のうち、最初期のものが掲載されている。

    最初期とはすなわち、彼が新聞記者・福田定一として生きていた時代も含むものである。その頃の文章は、やはり後年の司馬遼太郎のそれとはどこか違う。文体が違う、という批評はいささか表層的で、おそらく、視点が違う、というのが本質だろう。「それでも、死はやってくる」のような文章が生まれるのは、敗戦から10年と経ていない時期のせいもあるが、それ以上に「司馬」的な鳥瞰的視点への飛躍がいまだなされていなかったためだと思われる。戦争・宗教・死と向き合う、大変内省的な文章である。

    本書の半ばあたり、昭和30年代中頃に近づいてくると、我々のよく知る「司馬遼太郎」の文章となってくる。つまり本書の前半で我々は「福田定一は如何にして司馬遼太郎となりしか」を読み解くことができるのである。この第1巻に特別の意義があるとすれば、その点であろう。後半になるともうすっかり司馬遼太郎のスタイル=視点は確立されている。その語り口の魅力を説明するのに今さら変な小理屈を並べることもあるまい。「生きている出雲王朝」「わが愛する大阪野郎たち」「丼池の鳥葬」「ああ新選組」など、いずれも名品だと思う。

    巻末には海音寺潮五郎と山崎正和の文章が載っている。海音寺のは昭和35年に書かれたもので、新人・司馬遼太郎への惚れっぷりがすごい。山崎のは本書の単行本刊行時に書かれたものだろうが、司馬の本質を言い当てた大変見事なものだと思う。「従来、この文学者についての最大の誤解は、その歴史学を称えて、詩人の心を見落としてきたことであった」の一文には思わず膝を打った。

  • 新聞記者であった頃から「司馬遼太郎」となった前後、昭和27年から昭和36年までの随筆集だ。最近では随筆ではなく「エッセイ」という言われ方が流行っているようであるが、司馬さんの書いたものについては「エッセイ」とは言いたくないという個人的なこだわりが何故かある。
    この随筆には大衆小説にはない面白さがあり、若き日の司馬さんが書き上げる文章にも興味がつきない。更に当時の日本社会や経済の一部を知ることが出来る側面もある。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×