エディプスの恋人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171135

感想・レビュー・書評

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  • 前作の内容をほぼ覚えておらず、最後の方でああ、そんなこともあったなあ、って思い出したが。全体的に暗いよな。筒井さんならくすりと笑えるところもあるかなあと期待したが全くない。本文の中で時代を感じさせるところがあるので、十年早く読めばよかった。

  • 1作目とも2作目ともまた違う作風。

    「宇宙意志」まで話が飛んでいってるけれど、神の依怙贔屓な展開はあまり面白くない。

    ただ前作との繋がりが示されたシーンは、3作品目が作られた理由であり、伏線の回収であり、圧倒的な絶望感を叩きつける結末そのものになっていて凄かった。

  • 3部作のラスト
    結末がやばい
    その結末はないだろうと思いながら読んでたらその結末だった
    まあこういう話ってことでいいのかな
    3部作だけど、どれも全く趣が違う

  • 文字通り「神」SF。七瀬シリーズを読んでいると思ったら『モナドの領域』だった。

    相変わらず意識の流れ的な手法を使った心情描写の説得力がすごい。文字を二次元的に配置するやつなんて名前だっけ。

    「意志」の正体が判明するにつれてコズミックホラーにも似た気持ちのいいゾクゾク感が味わえる。『モナド〜』に比べて万能でもなくかつ人格があるのがおもしろい。

    官能シーンは「彼氏が彼氏の母親(神)にNTRれてるのを全能状態で見せつけられる」という構図が斬新すぎて笑ってしまった。

    途中これ七瀬シリーズでやらなくてもとか思ってしまったけど、最後のメタ的展開、自問自答に至るのは主人公が七瀬故の必然といった観がある。

  • 映画の中で真剣に生きる人と映画を自分の好きなようにカスタマイズする人。

  • 実在論という観点から超能力を相対化したんかもしれん。
    形而上的な存在が世界を操ってるんだとしたら、超能力者もそうでないやつも吹けば飛ぶような存在として大した違いはないと。

    サブカルとカウンターカルチャーの違いを影山民夫さんが話しているYouTubeを見たけど、日本はカウンターカルチャーは無くてサブカルが群居していると指摘していた。

    サブカルとしてのSFがメインストリームになりかけてた時代なんだとしたら、なんとなくわかるけど、多分その時代は大人の話として聞いてた俺は、やっぱり超能力者という設定にピンとこない。

    ただ「家族八景」からみるとスケールが格段大きくなっているのは間違いなく、先生の本腰の入れようは大いに感じられる。

  • 話しが大きくなりすぎて、何が何やら。

    リングシリーズもそうだが最終的には神の領域にいくのかな。
    この時代の作者の方々は

  • 初めから中盤にかけては、謎が謎を解決しない様な展開で、先を読みたくなるような物語です。最後、彼が超能力を持っていたわけではなく、母親に守られていた事がわかってエディプスコンプレックスを題材に近親相姦の様な場面が描かれますが、内容が宇宙を連想させる様な記述なので、変にイヤらしくありません。これが筒井康隆のSFなんだと思います。

  • 三部作の完結篇といった位置付けで、それに間違いはないのだが、第1作2作とはまた大きく違っている。発表順が逆だが、鈴木光司の「リング」三部作の「ループ」を思い起こさせる。
    思いもよらぬ展開、重要登場人物香川のキャラクター表現の少なさ、その父の独白の長さなどのびっくり要素はいろいろあったが、うねるような独特の文体で、やはりぐいぐい読まされる。
    正直、このストーリー、この結末は、スケールが大き過ぎて、理解しようにもなかなかにむずかしい。筒井康隆氏の構想力の凄さに圧倒されるのを楽しむ作品と思った。

  • 七瀬三部作の完結編。
    第一作「家族八景」では家族を、第二作「七瀬ふたたび」では超能力者たちの対決や交流を描いた本シリーズの完結編は、非常に哲学的でSF要素が強い作品だった。
    人が抗うことができない絶対的な「意志」の前で、私たちの「存在」とは何なのか。
    「意志」の都合に翻弄される七瀬がやや可哀相に思えた。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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