- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181066
感想・レビュー・書評
-
マキャヴェリとはほぼ無縁な人生を歩んでいる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「君主論」「政略論」をはじめとした、マキァヴェッリの著作からの言葉を抜粋した語録。次は原典を読んでみよう。
以下、引用。
==============================
頭にしかと入れておかねばならないのは、新しい秩序を打ち立てるということくらい、むずかしい事業はないということである。この上なく実行が困難で、実行したとて成功はおぼつかなく、実現の過程では細心の注意を必要とすることなのだ。
なぜなら実行者は、現体制下で甘い汁を吸っていた人々すべてを敵にまわすだけでなく、新体制になれば得をするであろう人々からも、生ぬるい支持しか期待できないものだからである。
この生ぬるさは、二つの原因から生まれる。第一は、現体制を謳歌している人々に対する恐怖感であり、第二は、異例の新しきことへの不信感によるものだ。
(君主論)
次のことは明言しておきたい。
すなわち、危険というものは、それがいまだ芽であるうちに正確に実体を把握することは、言うはやさしいが、行うとなると大変に難しいということである。
(政略論)
誰だって、誤りを犯したいと望んで、誤りを犯すわけではない。ただ、晴天の日に、翌日は雨が降るとは考えないだけである。
(若干の序論と考慮すべき事情をのべながらの、資金援助についての提言)
天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
(手紙) -
【本の内容】
「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」「いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される」「人間は必要に迫られなければ善を行わない」…。
浅薄な倫理や道徳を排し、ひたすら現実の社会のみを直視した、中世イタリアの思想家・マキアヴェッリ。
「マキアヴェッリズム」という言葉で知られる彼の思想の真髄を、塩野七生が一冊にまとめた箴言集。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
主に君主論、政略論からの抜粋された語録。感情抜きの客観的な視点で人間社会の真理だけを切り出されており、1つ1つ心にぐさっとくるがなるほどと共感できる。共感できるということは、今も昔も人間の行動パターンはあまり変わっていないということだろう。ただ、人間篇の運命に関する記載だけは客観性が欠けた意見のようにも聞こえたが、これは社会の真理というより経験則かもしれない。よくマキアヴェッリは倫理や道徳を排した思想だといれわれるが、現実社会の経験則だと思って読めばもう少し身近に感じることができそうだ。
-
マキャベリの語録という形で各著書の言葉をまとめている。抜粋であるため君主論等を先に読んでから復習がてら読むにちょうど良い。
マキャベリはまさリアリズム。 -
マキャベリという人には驚かされる。
人の本質を突っついているからだ。それも人の本質は昔も今もそこまで変わらないことも教えてくれる。
この本はマキャベリが著書で残した言葉を抽出している。
歴史からたくさんのことを学べる。それはマキャベリが生きていたころと変わらない。
現代に生きる私たちにそう語りかけているのかもしれない。 -
いわずとしれた『君主論』からだけでなく、マキアヴェッリの諸著作から、著者の主観で選び出された言葉の数々。
なるほどー。どんなに科学技術が進歩しても、所詮人間。歴史は繰り返すってのを最近よくわかるようになってきました。
もう少し歴史を理解し、自分のこれまでの経験を振り返る。そして、今後経験するであろう未来に備える。次の40代はどんなだろう。