マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181066

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  • マキャヴェリとはほぼ無縁な人生を歩んでいる。

  • あるビジネス書に引用されていたので、興味をもったマキャベリ。人間の本質をついている。

  • 君主論を初めとしたマキァヴェリの著作から,君主篇,国家篇,人間篇の3つに分けて名言・名文章をまとめたもの。
    特に君主篇・人間篇は刺激的。
    ただ,その性質上,体系だった本ではない。

    「君主にとっては,愛されるのと怖れられるのとどちらが望ましいであろうか。……ほとんどの場合一方を選ぶしかないとなるのだが,わたしは,愛されるよりも怖れられるほうが,君主にとって安全な選択であると言いたい。なぜなら,人間には,怖れている者よりも愛している者のほうを,容赦なく傷つけるという性向があるからだ。」(87頁「君主論」)

    「中傷がはばをきかすのは,告発という形式があまり用いられない場合か,それともその共同体内に,告発を受け入れる体制づくりがなされていない場合か,である。」(153頁,「政略論」)
    日本は後者か?特にネット中傷。しかし最近は裁判も増えてきた。

    「もしも近隣の諸国が,友好関係を保ちたいがために貢納してくるようならば,その国は強国といえよう。反対に,弱体なはずの近隣諸国であるのに,それらの国々に対し金銭をもって援助する関係である場合,その国家の国力は弱いと思うしかない。……つまり,友好関係を売りつけるのではなく,友好関係を買おうとしたにちがいないのだ。」(177頁「政略論」)
    日本から見た日米関係は,やはり後者か。

    「なにかを為したいと思う者は,まずなによりも先に,準備に専念することが必要だ。」(206頁「戦略論」)
    あちこちで同じことが言われている。引用参照。

  • マキアヴェッリの君主論から、塩野さんがその思想・視点を現している部分を抜粋した蔵言集。個人の価値体系から発言するのではなく、実直なまでの第3者的視点で現実のみを見続けたマキアヴェッリの思想がよく分かります。今の生活・社会にも流用できる言葉・考え方に感銘を受けました。

  • 「君主論」「政略論」をはじめとした、マキァヴェッリの著作からの言葉を抜粋した語録。次は原典を読んでみよう。
    以下、引用。
    ==============================

    頭にしかと入れておかねばならないのは、新しい秩序を打ち立てるということくらい、むずかしい事業はないということである。この上なく実行が困難で、実行したとて成功はおぼつかなく、実現の過程では細心の注意を必要とすることなのだ。
    なぜなら実行者は、現体制下で甘い汁を吸っていた人々すべてを敵にまわすだけでなく、新体制になれば得をするであろう人々からも、生ぬるい支持しか期待できないものだからである。
    この生ぬるさは、二つの原因から生まれる。第一は、現体制を謳歌している人々に対する恐怖感であり、第二は、異例の新しきことへの不信感によるものだ。
    (君主論)

    次のことは明言しておきたい。
    すなわち、危険というものは、それがいまだ芽であるうちに正確に実体を把握することは、言うはやさしいが、行うとなると大変に難しいということである。
    (政略論)

    誰だって、誤りを犯したいと望んで、誤りを犯すわけではない。ただ、晴天の日に、翌日は雨が降るとは考えないだけである。
    (若干の序論と考慮すべき事情をのべながらの、資金援助についての提言)

    天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
    (手紙)

  • 【本の内容】
    「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」「いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される」「人間は必要に迫られなければ善を行わない」…。

    浅薄な倫理や道徳を排し、ひたすら現実の社会のみを直視した、中世イタリアの思想家・マキアヴェッリ。

    「マキアヴェッリズム」という言葉で知られる彼の思想の真髄を、塩野七生が一冊にまとめた箴言集。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 主に君主論、政略論からの抜粋された語録。感情抜きの客観的な視点で人間社会の真理だけを切り出されており、1つ1つ心にぐさっとくるがなるほどと共感できる。共感できるということは、今も昔も人間の行動パターンはあまり変わっていないということだろう。ただ、人間篇の運命に関する記載だけは客観性が欠けた意見のようにも聞こえたが、これは社会の真理というより経験則かもしれない。よくマキアヴェッリは倫理や道徳を排した思想だといれわれるが、現実社会の経験則だと思って読めばもう少し身近に感じることができそうだ。

  • マキャベリの語録という形で各著書の言葉をまとめている。抜粋であるため君主論等を先に読んでから復習がてら読むにちょうど良い。
    マキャベリはまさリアリズム。

  • マキャベリという人には驚かされる。
    人の本質を突っついているからだ。それも人の本質は昔も今もそこまで変わらないことも教えてくれる。

    この本はマキャベリが著書で残した言葉を抽出している。
    歴史からたくさんのことを学べる。それはマキャベリが生きていたころと変わらない。
    現代に生きる私たちにそう語りかけているのかもしれない。

  • いわずとしれた『君主論』からだけでなく、マキアヴェッリの諸著作から、著者の主観で選び出された言葉の数々。

    なるほどー。どんなに科学技術が進歩しても、所詮人間。歴史は繰り返すってのを最近よくわかるようになってきました。

    もう少し歴史を理解し、自分のこれまでの経験を振り返る。そして、今後経験するであろう未来に備える。次の40代はどんなだろう。

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