マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181066

感想・レビュー・書評

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  • (「BOOK」データベースより)
    「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」「いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される」「人間は必要に迫られなければ善を行わない」…。浅薄な倫理や道徳を排し、ひたすら現実の社会のみを直視した、中世イタリアの思想家・マキアヴェッリ。「マキアヴェッリズム」という言葉で知られる彼の思想の真髄を、塩野七生が一冊にまとめた箴言集。

  • 始めて君主論を読んだ時の衝撃に引きずられて購入したように思う。
    1990年代に購入した本のはずです。

    君主論を何度か読み返した後にこの本を読むと肝心な部分が端折られている事に驚きました。
    たしかに最初の読者宛メッセージとしてイタリアの歴史に不案内な日本人が理解しやすいように不要と思われる箇所をカットしましたとあります。ですが話の流れをぶった切って適当な箇所を抜き出した文章にどれほどの重みがあるのでしょうか。

    マキアヴェッリに興味のある人は是非、君主論他の訳本を読むことをお勧めします。一部の抜粋された文章だけで判ったつもりになるのはあまりに勿体無いと思います。
    そういう意味でこの本は初心者には背景を伝えきれず、いくつかの格言のようなものを抜き出しただけのものとなっているのが残念です。

    ローマの歴史等に詳しい塩野氏には君主論なり政略論なりを当時の時代背景や人物の詳細な解説を加えた形で紹介していただきたかった。

  • 時代背景や君主論を知らなくても読めるけど、知っているとずっと面白い。塩野さんの訳は解りやすく、スタイルも箇条書きでとても読みやすかった。どこから開いても読めるのも「語録」らしくて良い。最後の「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」という一文は、当時のカトリック界の内情を皮肉っているようで思わずにやりとしてしまった。

  • マキアヴェッリの語録を抜粋して、ヨーロッパ史に詳しくなくても理解しやすく編集してある。歴史を理解することで、さらに理解が深まる。これから先、時々読み直したい。

  • 帝王学の名著です。2代目社長にピッタリの本

  • (感想)
    色々な事が書かれているが、マキアヴェッリ自身が言っている通り、現在に通じる物もあると思う。全て直ぐに身に付く考え方ではないが、物事を考え、生きていく為に参考になる本である。

    (忘れない為に読んだ個人的な理解を記載)
    人間には悪の部分はあるため、制御には法が必要である。
    寛大な対応と、厳格な態度は場合によって使い分けルヒツ用がある。

  • 大きな病いを経験したことをきっかけに、私自身、自分の人生や生きる意味を問い直しているところです。色んな本を読み、たくさんの人から話を聞いて、今自分にピッタリくるのは儒教の考えだと思いはじめています。
    ただ一方で、対極にある考えも知りたいと思い、韓非子やマキャベリの本も読むことにしました。

    そして、とても驚いています。
    なぜなら私が勝手に「対極だ」と思い込んでいた思想が、とても近い間柄であるように感じたからです。確かに双方手段は異なります。しかし人間という生きものの捉え方は、とても似ています。
    一人の人間として、またその集団の中に生きる者として、どんな手段を選ぶのか。後は選択の問題だと思っています。

  • (2019/01/22)
    7年前にも読んだんだ、ということを忘れていました、、。
    今は会社での役割も重くなり、組織を運営する身として、マキャベリの現実主義的な組織論、人間論が、今回のほうがよりヒシヒシと伝わってきたと感じます。

    (2012/06/17)
    マキャベリって、権謀術数の親玉で、上昇志向の強い人向けの何だかネガティブな響きのする人だと捉えられがちだと思うし、実際に自分もそう思っていた一人だけど、本書で彼の思想の一端に触れると、その取り上げ方の浅さに気がつく。
    耳に優しい言葉を排し、徹底的に冷徹に人間の心理の本質を見つめ、そんな自分勝手で優柔不断な大衆をまとめていく指導者とは、政治とはいかにあるべきかが語られる。国家を正しく導くためなら短期的な非情さはあってしかるべきで、大衆迎合は国を弱体化させる。人間心理のあてにならなさを認識した上で、制度の重要性を説く。
    塩野さんの別のマキャベリものも読んでみたい。

  • ホワイトハウスの書架にはマキアヴェッリの著作があるとか。抽出された言葉だけで本質を語る事は出来ないが、なんとなく頷ける。

  • ●君主篇
     ・君主は、人間的なものと野獣的なものを使い分ける能力を持っていなければならない
     ・悪しき行為は一気にやってしまう。恩恵は長く味わわせるために小出しに施す
     ・愛される君主像は捨てざるを得ないが、恨みや憎悪だけは避けねばならない
     ・君主にとっての最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されること
     ・人の恨みは悪行からだけでなく、善行からも生まれる
     ・あなたに意見を率直に述べてもよいことにすると、あなたへの敬意を減じてしまう
     ・常に部下たちに君主は必要だと思わせること。そうすれば忠誠でありつづける
     ・偉大なことを成したいと思うならば、権謀術数を習得する必要がある
     ・必要に迫られてやむを得ずやったことでも、自ら進んで選択した結果のように思わせる
     ・話す能力に長じた者が、良い指揮官になれる

    ●国家篇
     ・敬愛と恐怖、いずれも人を動かすが、恐怖のほうに服従しやすい
     ・過度の敬愛は軽蔑を生み、過度の恐怖は憎悪を生む

    ●人間篇
     ・謙譲の美徳は相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯す
     ・人間は、ひとつの野心が達成されても、すぐ次の野心の達成を願う
     ・人間は、必要に迫られなければ善を行わない
     ・賢明で思慮に富む人物は、他者を脅迫したり侮辱したりしない
     ・人物を評価する最も簡単で確実な方法は、どのような人びととつきあっているかを見ること
     ・人間は、権力を持てば持つほどそれを下手にしか使えない
     ・中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝者であり続ける
     ・やったあとで後悔するほうが、やらないことで後悔するよりもずっとましだ(『デカメロン』)
     ・良い面を残そうとすれば、どうしても悪い面も同時に残さざるを得ない

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