- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181899
感想・レビュー・書評
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11/5/10
ユリアヌス帝。キリスト教の優遇策を廃止しギリシア・ローマの多神教を振興する。ペルシア戦役中に死亡。ローマ帝国がキリスト教に染まりきる前に、キリスト教に反対した最後の人。この人が19ヶ月ではなく、長生きしてたら中世はどうなっていたか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正帝コンスタンティウスが病に倒れ、内戦をせずに唯一の皇帝となったユリアヌス。
それまでのキリスト教優遇策を全廃し、かつてのローマの精神を取り戻そうと次々と改革を断行してゆくユリアヌスですが、そのユリアヌスをして紀元4世紀のローマ人という限界を超えられなかったという印象を受けます。
全盛期のローマを支えた精神を知識として知ってはいても実感は持てず、それゆえに何もかも急ぎ過ぎた故の短い治世であったと思います。 -
皇帝ユリアヌス
帝国東方。ササン朝ペルシャ戦役。
トルコ、ヨルダン、シリアに旅行した時(景色、気候、距離感など)のことを思い出しながら読んだのでかなり面白かった。
戦役中の皇帝の死。31才で、19ヶ月の治世。死を覚悟して最後に残した言葉。最後の章「皇帝ユリアヌスの生と死」で塩野さんが書いているように、治世が19年だったら、世の中どう変わっていたのだろう。
2011/03/09読了 -
後代に背教者ユリアヌスとユリアヌス帝の短すぎる改革。キリスト教に偏りすぎた国政を50年前のミラノ勅令時代に戻そうとし、また皇帝の側近を一掃するリストラを敢行。しかしペルシアと拙い戦いを仕掛けて戦死する。満身創痍のローマ帝国を再興せんとした若き理想主義的な皇帝として好意的な著述。治世19か月が、19年だったらという記述が印象に残った。
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キリスト教がヨーロッパに広く伝播されたのは,ローマ帝国による.迫害・弾圧を受けながら,キリスト教が国教化された過程は興味深い.(2010:小林茂之先生推薦)
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ユリアヌス帝。この人が長生きしてたら、世界は違ってるだろうな。
キリスト教だけの台頭を防げたかもしれない。 -
背教者ユリアヌス。悲運の主人公を,古代で唯一人,一神教のもたらす弊害に気づいた人と解釈して称賛する。”背教者”を最も輝かしい贈り名と考える著者の洞察力に驚きと共に凄みを感じた。
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ユリアヌスが皇帝となる。哲学の学徒たるユリアヌスは、キリスト教公認以前の帝国に戻るよう次々に手を打つ。しかし、その皇帝在位期間は19箇月。ペルシャとの戦場で亡くなってしまう。
もうキリスト教の流れを抑えることはできなくなる。 -
皇帝ユリアヌスが皇帝になり、ペルシャ戦役で亡くなるまで。ユリアヌスという、ローマ時代最後と言っても良い、優秀な皇帝の出現。昔のギリシャの神々の復興を目指したために、キリスト教徒からは背教者と名指しされた。辻邦夫の「背教者ユリアヌス」をもう一度読みたくなりました。彼が長生きをしていたら、宗教に多大な影響を与えたという気がします。
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上巻の後半でかなり魅力的だったユリアヌスですが…この巻の失速っぷりに愕然として読んだ。
理想と現実とかキリスト教徒と異教徒とか、色々なバランスを取るのが不得手だったんだろうなぁ。