- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101186214
感想・レビュー・書評
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・妻には十分なことをしてやった、なんてその時に言える男が一体どのくらいいるんだろうか。などと思いそこで考えることをやめる。
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人としては美しい。行政が起こしてはいけない事件。
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解説が前になければ・・・。心が苦しくなる本。
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泣け過ぎる。塚越
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なけなしの50万、古ぼけたワゴンに末期癌の妻ひとみを乗せて、オッサンは最後の旅に出る。彼女との22年の時を埋めるように静かに綴られていく旅の記憶。はじめから、その時を迎える覚悟をしながらページをめくらなきゃならないけど、北陸の美しい山並みと静かな海。そして夕焼けの空が穏やかな気持ちにさせてくれる。
旅する本屋 放浪書房
http//horoshobo.com/ -
まだこんな事を考える年齢ではないのかもしれないけど、私は時々自分の最期を考える。
誰に看取られ、誰に支えられ、どんな最期を送るのだろう。
けど、どんな最期であれ、大好きな人に見守られて逝きたいと思う。
このお話は本当のお話です。
高度成長期、縫製一筋に生きてきた私は小さな工場を経営し、苦しくも充実した日々を送っていた。
長引く不況、膨れ上がる借金。万策尽きた時、妻のガンを知る。
「これからは名前で呼んで」呟く妻、なけなしの50万円、古ぼけたワゴン。二人きりの最後の旅が始まった。
このお話の中の私は、結局妻を病院に連れて行かなかった―。
正しくは連れて行けなかった…
「病院は嫌。オッサン(私の事を妻はそう読んでいた)と一緒におれるだけでいいの。」
そんな妻の言葉があったから。
放浪に出て9ヶ月間、私は妻の看病をした。
妻の最期から目をそらしていた私も、妻の苦悩を知り、逃げずに向き合った。
そして、二人はいつも一緒だった。
妻が最期に望んだコト。
それは自分の愛する人と一緒にいること。
それだけで良かった。
そして私も、妻を一人にしないと約束した。
妻は古ぼけたワゴンの中で息を引き取った。
私は「保護者遺棄致死」という容疑で警察の取り調べを受けた。
延命だけじゃなくて、"自分が望む最期を選ぶ"
そんなことが言われている今だからこそ、読んで欲しい。
本当の幸せな最期って何なのだろうか。 -
ベタではありますが、やはり泣けます。
堕落しとるな、あほやなあと思いつつ、共感できます。
弱いから、人間は素晴らしい! -
離れたくない妻の気持ちがすごく切なく、そんな状況になってから後悔しているオッサンは馬鹿だなぁ…と思いつつ…男なんてそんなもんなのか…??とも思いつつ…いろいろ考えさせられた。
でも、結局、夫婦は良いものだと思える、寂しくもあり、あったかい話だった。 -
とても切ない本です。真面目に生きてきたであろう著者の真面目であるが故の不器用さ、妻への思い、妻の夫に対する思い、
胸を打ちます。