転々 (新潮文庫 ふ 18-8)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101197180

感想・レビュー・書評

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  • 恋が「世界がぱっと変わるもの」だからそれが様々な交差を生み出す。東京という場所の匂いがする。

  • (428P)

  • 一時やたらハマった。

  • サクサク読める。オモロイねんけど何か腑に落ちんまま読み終えた。ラストだけ現実的というか何というか。文哉が段々と変っていってただけに違うオチを期待してしまった。あと10ページぐらい有ったら良かったのに。有れば有ったで蛇足になるんかも知れんけど。

  • オダギリジョー主演の映画化原作。
    って、本の帯で選んだものです。


    内容は借金取りに追われる主人公がその借金取りの一味と思われる奇妙な男に百万やるから一緒にあるところまで歩けという依頼を受けてしぶしぶ承知するというもの。
    その過程でだんだん主人公やその男の過去が明らかになり・・・。


    まあ、読んでる途中で男が借金取りではないんだろうなということには気づくんですがね。
    主人公の生い立ちがキモです。
    こんなまれな主人公っていないと思うんだけど・・・。
    普通はグレルよね。



    最後がちょっとすっきりしない終わり方だけど、なかなかおもしろかったです。
    ただしちょっと過激なシーンもところどころに出てきます。

  • 僕この小説、好きです。純粋に面白いと思いながら読み進められましたね。確かに最後の母親のくだりは蛇足っぽいけど。
    惜しむらくは文哉君の人物像がすんなり入って来なかった所かなあ。現代の若者っぽい思考も幼さも的を射てるとは思うんですが、
    行動に一貫性と言うか説得力を感じられなかったかも。向こう見ずに美鈴を追い求める思い込みの強さ、自分本位さは理解できます。
    ただやたら冷めた視点を持ちつつ船酔いを恐れて借金取りから逃げまわったり、恩を受ける立場なのにやたら強気だったり。
    その辺はちょっと不安定に感じましたね。「達観していたい」という願望からそういう自分を演じていただけなのかな?
     
     福原さんは格好いいです。こういうオッサンにはどうしても惹かれてしまいますよね。全然立派な大人ではありません、
    むしろ社会的にはダメ人間の部類なんでしょうけど、子供には出せない部類のオーラってやっぱりあると思うんですよ。
    うじうじしてないんです。自責を世のせい人のせいにせず、そういうものとして受け止める儚さが哀愁を匂わせるんでしょうか。
    まぁ「そういう奴に限って世間にダメ出ししたがる」ってのはこの人にもズドンと当てはまるんですけどね(笑)
     
     美鈴は・・・なんか答えを急ぎ過ぎてるように映りました。人を心から好きになれない、誰かと一緒に居る意義を見出せない、
    そういうのって別に珍しいケースじゃないと思います。むしろ突き詰めて考えた所で正解なんて出ないでしょうし。
    よくある言い回しですけど、根が真面目ってやつですかね。この小説風に言えば、だらっと生きるのが苦手な人だったのかな。

    でもこれ、福原という後ろ盾を無くした文哉君、佐島に強襲されたら終わりじゃね?美鈴はいなくても来るでしょう

  • 所沢高校 卒業生 推薦

  • 大都会東京を歩くロード・ノベル。

    ストリッパーの美鈴に恋した、身よりの無い大学生の僕。
    借金を重ねる僕の前に、現れた借金取りの福原。
    ある事情から彼と東京を歩いて旅することに。

    大小様々な罪を背負った訳ありの人間達との出会いと別れ。
    そして、僕と福原の旅が終わろうとするその時、明かされる事実。

    ただただ悲しいラストに涙。

  • 映画が面白くて、原作も。

    映画と比べて全体的に重い内容。
    ふみやの彼女の話は映画では全部割愛されていて、代わりに家族のシーンが。映画はうまくまとまってた。

    で、小説はといえば。
    小説も映画とは全体的に違う雰囲気で、これはこれでまとまっていた。終わり方も賛否両論はあるだろうけど、小説の雰囲気としてはいい終わり方だったのではないかと思う。俺はあまり好きではないけれど。

    登場人物はみな完璧ではないけどあったかい人たち。福原、母、不倫してた使用人、ゲイの人、、、みんな好きになれるような人物。暗い内容の中で、なんとなくほんわかした雰囲気をもってるのは、こういった登場人物のおかげかもしれない。

  • 映画のほうが面白かった。
    あのオチはいただけないな。
    でも、ほのぼの暖かくなる小説。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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