絶叫城殺人事件 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204338

感想・レビュー・書評

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  • まえから気になってた有栖川有栖。6つの建物で起きた殺人事件を火村と有栖が解決するミステリ。

    ホラー要素もあってこわいとこもあったけど短編なので読みやすかった。個人的に紅雨荘の話が好き。

  • 「絶叫城殺人事件」
    静かな作品が多かった中でこの作品が一番読みやすかった。 犯人も意外だったし。
    最後の被害者の気持ちを考えるとなんとも言えなくて深く考えさせられた。

  • 『黒鳥亭殺人事件』と『絶叫城殺人事件』のために星五つ。
    有栖川作品の特徴である寂寥感が色濃い短編集だと思う。

    『黒鳥亭殺人事件』では、終盤、真樹ちゃんの天使のように無垢な振る舞いと笑顔が胸を打つ。
    なんの自覚もないままに行ってしまったことだけど、将来成長して過去の自分の行いに気づいたとき、彼女はどうなるんだろう。子どもの無垢さというのは、雪のように綺麗で儚いものだなと思った。

    『絶叫城殺人事件』は有栖川作品の中でも一、二を争うほど好きな作品。
    まずは作中のゲーム『絶叫城』がすごく面白そう。久しぶりにゲームがしたいなと思ってしまった。
    この作品で印象的なのは、後半のアリスの激昂。火村のためにフィールドワークに同行し、静かな語り部に徹するアリスが、ここまで感情を荒ぶらせるのは珍しいことで、すごく印象的。

    『雪華楼殺人事件』は「こりゃないだろー」っていう仕掛けだけど、涼とみずえの若くも悲しい生活を描写する筆力に呑まれて、まんまと切ない気持ちになってしまった。

  • 再読

  • 火村×アリス。表題作のほか「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」の6話作品。表題作が一番面白かった。

  • 火村シリーズ。

    特にこのシリーズが好きとかではないですが、

    シリーズものは主要人物キャラの性格をイチから把握する必要がないところが良いです。

    好みの話が多い短編集でした。

    壺中庵殺人事件だけは「大密室」で読了済。












      


    ----------以下ネタバレありの細かい感想-----















    ⚫︎黒鳥亭殺人事件

    私の好きな「Yの悲劇」(エラリー・クイーン)に似ている感じで良かったです。

    小道具に使われている「20の扉」は知りませんでした。

    面白そうだけど、5歳には無理かな。

    真樹はかなりしっかりした5歳児です。



    ⚫︎月宮殿殺人事件

    あんまり謎解きっぽくなかった。

    火村とアリスが出てくるただのお話。って感じ。



    ⚫︎雪華楼殺人事件

    あれだな。

    この短編集は少年少女がたくさん出てくるな。




    ⚫︎紅雨

    最初の映画のシーンがちょっとチープでしたが、

    仕掛けはよく出来ているな〜って感じ。

    真広についてのアリスの推測が無駄に抒情的で、

    あまり好きでは無い。



    ⚫︎絶叫城殺人事件

    本のタイトルにしただけあって一番気合いが入っている。

    登場人物が少ないのに、手がかりからでは犯人が分からず、

    最後はちゃんとびっくりした。

    言われてみるとなるほど!となる、

    すごく理解しやすい動機だった。

    本筋以外の要素として、

    残虐な内容のゲームが犯罪に与える影響についての考察なんかも、興味深い。

    「男から女への通り魔犯罪は時代や国を問わず起こる。

    でも逆は起こらない。

    俺が女だったら、その事実だけで男を信じない」(要約)

    というアリスのセリフは、全く同感です。

    あとラストの英児のセリフに対して、

    アリスが「ジョーク」だとしたのはいいとして、

    火村のコメントが聞きたかったかな。

    英児自身の本当の動機も。

  • やるせない話が多かった。どれも事件そのものというよりも、結末が悲しすぎる。素直な子供が気がついたとき、どう思ってしまうのだろうか(黒鳥邸)。 壺中庵は犯人がバカすぎるし、月宮殿は、もういいじゃん、あいつらが罰せられればいいよって思った。雪花楼は、偶然の範囲について考えた。かわいそう、とは言えないかもしれないけども。紅雨荘は、とても悲しい。裏切ったことは悪いのかもしれないけども、それだけが縋るものだったっていうのが、少し同情。表題作はもう、事件がどうこうよりも、結末が悲しい。犯人も、最後の被害者も。

  • 社会派な
    ところが垣間見えてよかった。事件に対するワイドショーやコメンテーターなどポピュリズムの本質も分かる作品

  • 火村&アリスシリーズの6篇からなる短編集。マジかっ!?と思うようなネタもありますが、気軽に本格推理が楽しめました。

  • (短編)火村&有栖シリーズ11

    黒鳥亭(こくちょうてい)殺人事件
    壺中庵(こちゅうあん)殺人事件
    月宮殿(げつきゅうでん)殺人事件
    雪華楼(せつかろう)殺人事件
    紅雨荘(べにさめそう)殺人事件
    絶叫城(ぜっきょうじょう)殺人事件
    あとがき
    〜殺人事件というタイトルをつけないようにしていた作者がなぜこのシリーズを書くことになったかについて。
    建物の名前+殺人事件と殺人が行われるのは夜という縛りがあったという話など。

    文庫版あとがき
    「ゴールドベルグ変奏曲」で演奏者と楽器の違いが、アリスと火村のキャラクター対比になってるという話が、なかなかおもしろいなと思ったり。何気にシリーズで、アリスはよくクラシック聞いてたり、ヘビメタバンド詳しかったりするよなぁと。火村先生はよく運転しながらだとか、ご機嫌だと、鼻歌歌ってたりするなぁと。「46番目の密室」も同じクラシックきいてたよね。
    絶叫城のタイトルは今はなき、スペースワールドで絶叫マシン全制覇したときに生まれたタイトルだとか。

    解説 竹島 清(建築コンサルタント)  
    建物からの物語解説と、自身が手がけた建築物?に関する秘密のお話が面白かったです。病院長は隠し部屋をつくりたがる話とか、事実は小説より奇なりって感じで。建築の仕事をしていると秘密を知りやすいとうのも面白かったです。「紅雨荘殺人事件」実写の折には、竹島さんの引っ越し先のお宅を、事件現場の舞台にして、もらって欲しいかもしれない。(笑)
    好み的には、月宮殿→絶叫城→黒鳥亭かな。
    絶叫城は、東京のホテルに缶詰めのアリス先生と片桐さんのやり取りがみられて楽しかった。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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