- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101302829
作品紹介・あらすじ
ロタとカンバルがうごいた!北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。-十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結。
感想・レビュー・書評
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チューした!チューしよったで!(中学生か!)
はい、守り人シリーズ堂々の完結でございます
長かったバルサ、チャグムそしてヒマメロの旅もそれぞれの終わりを迎えることになりました
それにしても上橋菜穂子さん、あんたなんちゅー世界を作り上げてくれたんや
なんていうかな、ちゃんと息してるのよ
世界がちゃんと息してる
つまりさ、あれだ、そう!生きてるってことよ!
登場人物全てがそれこそ市井の人々に至るまで、そして自然が、そう天と地からとてつもない命を感じる物語だったのよ
たからもう没入感がエグい
どうしたってバルサとチャグムと一緒に旅してるように思えるわけ
いや、それだけじゃない
世界の全てに命が溢れてるから、時には敵陣に切り込むチャグムに続くカンバルの槍騎兵となり、時にはバルサと共に戦火から逃げる人々の護衛士となり、口笛で仲間に言葉を伝える小さな牧童のひとりとなり、タンダの横で盾を構える草兵となり、ヒュウゴの命令で城に潜む密偵となり、シュガの指示で青弓川に調査に行く星読博士となり、ノルガイと共に人々に災厄の訪れを告げる光の鳥を飛ばす呪術師となったのです
彼らは皆ちゃんと息をしていたから、自分も彼らの隣で息をしているように感じられたのです
そして命は続くのです -
恋人に会うより楽しい。くらい、このシリーズにのめり込み、漫画を読む感覚で今日、完結までを読み終えました。もう分析・批評は考えず、「自分の肌に合う本」と思うことにしました。ごちそうさまでした!!
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カンバルとロタの同盟を結ばせたチャグムは援軍を率いて、タルシュ帝国が侵攻する新ヨゴ皇国に戻る。一方バルサはタンダの行方を追い、新ヨゴ皇国を縦横し、大呪術師トロガイは天変地異から人々を救うため賭けに出る。タルシュ帝国の侵攻を食い止め、人々を救えるか?
戦術や戦乱に巻き込まれる人々の姿が鮮明で、どんどん引き込まれた。シリーズの中で最もスケールの大きい作品になっている。
ついに読み終わってしまった守り人シリーズ。守り人ロスにしばらくなりそうで怖い。笑 -
これで終わってしまうのかと、読み進めるのがもったいない気がして仕方がなかった最終巻。
あっという間に読み終わっちゃいました。
納得の内容、この世界が一人の頭の中から出てきているというのが、すごい!
やっぱり、全巻そろえてもう1回最初から一気読みしよっと。 -
「よき物語」に出逢えた時は
ほんとうに 満ち足りた気持ちにさせてもらえる。
ましてや その物語が大河物語であれば
その気持ちはなおさらである。
読み終えて本棚に戻し
その背表紙を見ているだけでも
読んでいた時の「心地よさ」が
じんわり蘇ってくる
上橋菜穂子さんと同時代に生きていることに
感謝したくなってしまうほどである -
シリーズ最後は3部作。
結末はわかっているようなものだけど、ハラハラドキドキ楽しめました。
すっかり成長したチャグムが夢を叶える苦難の旅路。
それを支える人々の思惑。
色んな人それぞれの正義。
そしてバルサ、タンダ、トロガイの行動。
全てが面白かった!
あーあ、読み終わってしまった…。読み終わるのが残念だけど続きを早く読みたい…と思える物語りは久しぶりでした。
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追記
いま、窓から外を見ると、青いビニールシートで屋根を覆っている家が見えます。
平成23年3月11日に起きた、東日本大震災の被害がまだまったく収まらず、福島原発の状況も予断を許さず、震度4レベルの余震がめずらしくない状況の中で、私はいま、このあとがきを書いています。これから日本はどうなっていくのだろう、私はいま、何をすべきなのだろう、と思いながら。(略)
こういうときには、人の愚かさ、醜さも顕(あらわ)になりますが、それを遥かにこえて、人の毅(つよ)さ、美しさも見えてきます。
天と地は、こうして、ただありつづけ、動きつづける。
その中に生まれ落ちた私たちは、いま、生きる、ということに向き合っています。知と、理と、情を尽くして、己が負える荷を負い、ともに生きて行きましょう。
(文庫版あとがきより)
まるで不思議な運命であるかのように、文庫版発売の最終段階で3.11が起きた。最終章には、大津波ならぬ、人間世界とは別のからくりによって引き起きた大奔流が、新ヨゴ皇国の京(みやこ)や、侵略してきたタルシュ帝国の兵士たち、そしてヨゴの王を流し去って行った。
その中で、バルサは、チャグムは、タンダは、シュガは、「知と、理と、情を尽くして、己が負える荷を負い」生き切った。
次は我々の番だ、とでもあるかのように。
「守り人シリーズ」が終わってしまった。今年の2月にこれを読み始めたときは、ノンフィクション系書物の合間の「息抜き」に読むものがないときの切り札として読む積もりだった。しかし、やはり甘くはなかった。特に最後の4冊は一ヶ月で読んでしまった。残念だ。あと補遺のように外伝や関連本があるけれど、あと残る本格的な物語は「鹿の王」しか残ってなくて、文庫本はいったいいつ発売になるのやら。まあ、しかし何時の間にやら上橋菜穂子の著作はほぼ100%読む体制になった。「守り人シリーズ」を外して上橋菜穂子特集本は読めないのだから、しばらくは彼女の
世界の分析・評論が出来る。
今年のマイ読書ベストには、「守り人シリーズ」はどうしても入ってしまうだろう。
2015年7月6日読了 -
とうとう終わってしまった。
映画も漫画もアニメもかなわない程の、豊穣な物語を味わうことができた。
シリーズを読み終えて不思議なのは、よくありがちな「物語のその後」はどうなったのか?できる事なら続編が読みたい…という思いが湧いてこないのだ。いい意味で。
腹八分目であとは余韻を楽しめば、もう満足、そんな感覚におおわれる。足りないでも、満腹でもない。本当にちょうど良い。最高である。次にこんな感覚を味わえる物語に出会うのはいつになるだろうか…
キッス(´ิ ❥ ´ิ♡)
キッス(´ิ ❥ ´ิ♡)