- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101313313
作品紹介・あらすじ
出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた-。有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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危うい‥‥ほんっとギリギリ。好き。〆方も好きだー。
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人は一日に35,000回の選択をしているというのを何かの本で読んだけれど、この本を読んでそれを思い出した。
それくらい主人公の描写が細かい。
恋愛ともなれば尚更そうなのかも。 -
【2021年目32冊目】
最初から最後まで主人公の早希に引っ張られる作品でした。一人の人間の、女の心理がこれでもかというほど書かれていて、痛々しさを感じながらも世界に惹き込まれたま読了しました。最後の選択だけわからなかったけれど、きっとそうせざるを得なかったんでしょう。
すごかったです。 -
2023/09/26
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心を鷲掴みにされた
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会話「」が多い。
主人公の女の考えてることもっと知りたいとは思わなかった。それだけ自分のことを自分で説明していた。
植物風景の描写に人間の何かを重ねた間接的表現はなく、直接的な表現。
最近、小説の表現方法に関心がる。
どういう表現がされているのか(何を言葉で表して何を表さないのか)なと。
気が乗らない本は、なぜ気が乗らないのかを知りたくて、その本を分析したくなり、その気の乗らなさを自覚した上で著者がこういう文を書いているのなら、そうまでして表現したい何かはなんだろうと気になる。
「」会話中に自分や相手が言った言葉の後に、主人公の内面が吐露されている。
会話と気持ちがセットで書かれている。
会話(行動)と、「」の後に綴られる本心(心)。
心が饒舌。
行為の影に見える心。
現実では自分の心は全てこの小説のように語らないから
隠れている。 それが語られている。
全て赤裸々に語るから、逆につまらない
主人公の女の「」の後の内面の吐露が、もっともっと悩み抜いたものであればいい?
「うん」。ばかり。
行かないで、テレビに出たい、そう言えない。
わがままを相手に言えない。
人の心が死んでいくところを撮りたいあんたに付き合ってらんないわ。 と言えばと思うが、言えない。
主体
カメラマンの男にとって一番の存在でありたい
蘭をとらないでほしい
ツアーに行かないで
こういうのは主体? 受け身の主体?
主体のない、自ら行動しない、人見知りに見える若い女と
有名カメラマン、人気バンドのボーカルが付き合うのはなぜだろう。
主体的で、仕事で名が知られているような人が、なぜ?
そういう人は、相手にも主体的な人を選ばないのかな。
私は主体のない女の側からこの疑問を抱く。
カメラマンの男は女に自立を求めた。
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歪んでいる、ただただ歪んでいる。