リヴィエラを撃て〈下〉 新潮文庫

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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347158

感想・レビュー・書評

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  • 結局《リヴィエラ》は黒幕ではない……という認識で合っている?

  • 1992年のやや古めのシリアスなスパイ小説。日本人作家 高村薫によるものだけど、 舞台はアイルランド、イギリスを中心に、東京、香港と世界に渡る。CIA、MI5、MI6、警視庁など世界中の捜査機関、スパイ組織が登場して密に関わり合うスーパースケールな物語で、スパイ小説ファンとして大変楽しい。主人公の一人ジャック・モーガンがアイルランド共和軍 (IRA) というテロ組織メンバーというのもユニーク。

    ジャックの恋人リーアンの親戚であるウー・リャンが暗殺された。その暗殺は謎の東洋人スパイ、リヴィエラが指令を出しており、ジャックの父イアンが実行させられていた。ジャックはリヴィエラ正体を追う。裏の裏へ行く展開で長いけど最後までしっかりエンターテイメントしてくれる。

  • 期待が裏切られることなく下巻も面白いのだけど,魅力的な人がどんどん死んじゃうのは悲しく,いよいよ読み終わってしまうのかというのも寂しく,悲しい気持ちで読み進めた。特にノーマンの訃報のくだりは電車の中だったけど思わずあぁと声が出た。
    ただ,最後は独白というのはなぁ・・・。それでおもしろさが減殺されることにはならないけど,何か他の方法であって欲しかったと思う。

  • 日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞受賞。
    1992年冬の東京。元IRAテロリスト、ジャック・モーガンが謎の死を遂げる。彼を衝き動かし、東京まで導いた白髪の東洋人スパイ<リヴィエラ>とは何者?
    日本人が書いたエスピオナージュを初めて読んだ。

  • 舞台はアイルランド、イギリス、日本。
    1970年代から1990年代まで、時代を感じて。スリルに満ちた最高のエンターテイメント。アイルランドに行ってみたい。

  • とても面白かった。過去に植え付けられた種が時間の経過とともに根が絡み合い複雑なストーリーを作り出す。見事な小説でした。おかげで寝不足です。

  • 日本人がIRA全盛時代の国際的な諜報活動をテーマにした大作を書いた意欲的作品である。特にあの時代のアメリカ、イギリスそして日本のポジションが理解出来ないとここまで骨太な作品をものにするのは不可能であり、おそらく多大な取材を通じての作品であり、読み応え充分である。少しばかりCIAが悪者に書かれているのもご愛敬。なんとなく当時の国際情勢が透けて見えてくる一作である。秀作

    • teshiigogoさん
      日本人の作家がIRA全盛時代の国際的諜報活動をテーマとした意欲的作品の後編。リヴィエラというと日本人がどのような役割でこの国際的な影の工作に...
      日本人の作家がIRA全盛時代の国際的諜報活動をテーマとした意欲的作品の後編。リヴィエラというと日本人がどのような役割でこの国際的な影の工作に関わったのか。CIA.MI-5やMI-6、イギリスの警察機構がどのように本件の中で役割を演ずるのか、物語の最後まで謎は解けず読者を惹きつけて離さない。しっかりとした取材に紐付いていて枝葉末節まで書き込まれた物語は骨太で読者の期待を裏切らないものとなっている。秀作
      2018/06/10
  • 読み終わってまた上巻頭からざっと振り返り、ようやく全体像が見えてきた。完全には理解できてないな。
    リヴィエラやギリアムの謎は緻密なようで呆気ないようで、振り回され飲み込まれていったたくさんの命を思うと悲しいし虚しい。
    大筋では絶望しかないような話だけど、ジャックとシンクレア、シンクレアとダーラム侯、ジャックとケリー、ケリーとサラ、MGとキム、キムと手島、それぞれの間に確かにあった心の繋がりに胸が熱くなる。
    普段読まないジャンルだったけど、難しくて必死に読んだぶん楽しかった。またいつか読み返したい。

  • 高村薫の中では割ときちんと読みこめました。
    どうしてそこまで…解説にもある男達の暗い情動が切ない。壮大で濃密なものがたりです。

  • 後半の謎解きを読んでも、組織や人間関係が複雑すぎてさっぱり。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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