- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349138
感想・レビュー・書評
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いじめの回は入り込みすぎて自分がいじめられてれている気分になってしまった
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「父親を、お前は超えろ」
大学時代、父親を超えるというのはどういうことかという話の中で、自分を超える子供を育てて初めて父親を超えたと言えるのではないかという意見に感心したのが思い出される。 -
いじめに関する物語5つ。
「エビスくん」が特に印象に残った。
自分は我ながら負けん気が強い人間なので、もしも同じ状況だったら、とっくにどこかでブチギレてると思う。
どうして主人公はやり返さないのか当初は分からなかったが、読み進めていくうちに何となく理解できた。
家庭環境もあると思うけど、優しい子もいるもんだな。
物語として、とても綺麗な終わり方で後味が良かった。 -
重松さん好きだけどあんまり刺さらなかった。
いじめの描写が結構苦しかった。
もやもやした感情を持つ家族の話ならビタミンF、ちょっとしたすれ違いを描いた話なら日曜日の夕刊、ふとした時に思い出して読みたくなるのはロングロングアゴーです。この本はイマイチって人にはそちらをおすすめします。なんか最後の話のオチが同じ作者の別の作品で読んだような気がして残念でした。 -
ヤダこれもうステキ大好き。
な感じの、大人向けのこども話。まぁ現役のガキやら子どものいない大人やらには伝わるまいよ、この気持ち。要するに酸いも甘いも噛み分ける大人が子どもに対して持つ感傷やら苦痛やらやるせなさやら何やかんやと思う気持ちをすべてぶつけるような、要するにマスターベーションに他ならないのであって、そういうセンチメンタルに夢見がちなオッサンこそが読むべきではないか。オッサンのはそういうのが必要なわけですよ。分かってチョンマゲ。 -
この本を手元に置きたくないなと思った。読んでいて本当に辛かった。いじめの加害者がたくさん出てくるが、彼らは特に制裁を受けず、被害者が重い傷を背負うのを横目にのうのうと生きるのだろう。それが辛い
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夫の友人からお借りしました。
いじめをテーマとした5作品が収録された短編集です。
今まで、温かい涙を誘うようなほっこりした気持ちの読後感の作品しか読んだことがなかったので、著者が書いたものでこんなにつらいいじめの描写があるなんて思いもよらず、衝撃を受けました。
ラストはほんのり希望のみえる作品もありましたが、とにかくいじめの描写が鮮烈過ぎて今も憂鬱な気持ちから立ち直れません。これが今のリアルないじめなのでしょうか・・・
それは私には知りえないことですが、ただ、読んでいてハッキリわかったのは、いじめられている側はそれを周囲に隠したがり、心配や同情も嫌うんだなっていうこと。
大人にSOSを送れば心配かけちゃうしカッコ悪いし、という子供なりのプライドも大事にしてあげたくなりました。
でも。
それ以上に大切なのが、心や命なんだよ、と教えてあげたい。
小説では父親が悩みながら奮闘する姿に救いをみましたが、実際にはどうなんでしょうか。 -
しんどい話や描写が多く、
親・子・幼なじみ様々な人物と視点でその狂ったいじめの世界と向き合っていく話。
最後の家族の話にほっと救われるところを含めて良い作品です。 -
1998年度第14回坪田譲二文学賞受賞作。
表題作『ナイフ』を含む5編を収めた短編集。小学生や中学生のいじめを中心とした構図の作品が多い。いじめについて誰かに打ち明けたいのだが、口に出すとなんとなく負けた気になってしまい、家族の前ではついつい明るく振舞ってしまう。家族もその変化に気づいてはいるのだが、なかなか声をかけにくい雰囲気が漂う。そのあたりの心情を巧みに掬い取っている。残酷さと同時に温かさも伝わってきて「生きることは悪くない」と思う。みんないろいろな思いを抱えて生きているんだなと実感する作品集である。 -
面白い