卒業 (新潮文庫)

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感想 : 400
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349190

感想・レビュー・書評

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  • いまは、分かってもらえないことを分かってる。そして、いつか分かる時が来ることも。

    いつものことではあるけれど号泣。
    それぞれの評価は次の通り。
    まゆみのマーチ★★★★
    あおげば尊し★
    卒業★★★
    追伸★★★★
    表題作の『卒業』は、80年代の大学生活が描かれている時点で個人的に訴えて来るアドバンテージは高いハズなのだが、身重の妻を残して命を絶った理由が語られていないことが仇になり、読者としてはいまひとつストーリーに入れ込めなかった。
    『まゆみのマーチ』と『追伸』は、子を見守る親としての眼差しが優しい。
    子どもの時には決して気がつくことはないのだけれど、子どもを持つ親になって改めて気がつくというところに我が身を振り返って胸が痛くなる。
    読みながら泣きました。ははは。
    『あおげば尊し』は、ゴメン、おれもこの手の先生は好きじゃない。葬式にも行かなかったくらいだし。

  • 重松だから上手いのは当然やし
    と自分の中でハードルあげてもやっぱり上手いもんは上手い。涙防ダムが簡単に決壊しよります。まして俺まさに40代のおっさん、収録されている4作品の主人公と同年代の立場なんだから感情移入をするわ、するわ。

    「まゆみのマーチ」で脳内リピートが鳴り止まなくなってしま~う、かもね…と泣かされ、「仰げば尊し」で、巨人の星的父子の姿に師を職業とした覚悟を見せられて泣かされ、ラストの「追伸」で、予想通りの展開に絶対泣くもんかと思ってたはずが、蓋すらしてない落とし穴的ラストシーンにズボりはまって泣かされ

    唯一泣かなかった表題作「卒業」は駄作だから泣かなかったわけではなく、泣くことすら許されない密度の濃いテーマにうならされた。登場人物たちの選択はあれで良かったのだろうけど、逃げたヤツはそれだけでああいう裁かれ方になるんだなぁという重さが、ずしんと心に残った。時々読まないといけないテーマだけど、収録作品中で一番再読するのにエネルギーを使う力作だと思う。

    俺も卒業して行く親を見送る日が来る、俺も見送られて卒業する日が来る。在校生送辞、卒業生答辞、どっちもせめて相手にできるだけ迷惑かけないように済ませたいものである。

    「人様に迷惑をかけるのがそんなにいけないことですかねぇ」と言うてくれる人がおっても、やっぱり人様に迷惑かけるのは最小限にしたいなぁと思うのである。

  • 年またぎしてしまった・・(笑)4編からなる短編。相変わらずの重松さんらしい作品。いろんな題材があってもこんな切り口でこんなに豊かに表現できるというのは凄い。追伸がよかった。血のつながった親子でもその関係は難しいのだけど・・・。子を持つ親になってどちらの立場も理解ができるだけに・・・。最後の場面がほんのりほどけていくようで印象深い。

  • 表題作、「卒業」は舞姫通信に重なる部分があった。「仰げば尊し」「追伸」「まゆみのマーチ」と、どれも何か心に訴えかけられるものがあるが、中でも「追伸」と「まゆみのマーチ」には思わず涙せずにはいられない。重松さんの作品は面白いとか、ワクワクして読むようなものではなく、簡単で単純でだからこそ難しい問いかけにいつも、真正面から向き合っていける、貴重な体験ができる。

  • 卒業 4編集。
    涙が浮かぶくらい素敵な話。

  • 「まゆみのマーチ」:母性あふれる母親。理想的です。
    「あおげば尊し」:死にざま。について考えさせられます。良かった。
    「卒業」:相棒がいい味出してる。
    「追伸」
    の4編。

  • •命の尊さや親子の繋がり。短編のストーリーのそれぞれにテーマがあり、考えさせられることが多く、また感動である。読む人、また何歳で読むかによっても、感じ方は様々に変化するだろうと思う。言葉では言い表せない感動。必ず読み直したい一冊。

  • 「まゆみのマーチ」「追伸」がよかったです。
    母親の温かさやたくましさを感じます。

  • 4つの話で構成されている短編集で、誰でも、どれか1つは涙を流すであろう話だと思います。
    どれも良い話ですが、個人的に「追伸」で涙が止まりませんでした。

    登場人物が、ささいな仕草や言動で100ページ弱の短編の本当に最後の1ページで泣かせてくる。
    この作品で重松さんが、とても好きになりました。

  • 「親子」「家族」「生死」を書いた短編集。
    重松さんのこの手の話には泣かされる。号泣まではないがじんわりと
    心にしみる。中でも「追伸」がよかた

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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