卒業 (新潮文庫)

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感想 : 400
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349190

感想・レビュー・書評

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  • 本を読んで涙が出たのは、本当に久しぶりです。
    前回がいつだったかは思い出せません。

    4つの話の短編集であるこの本の中で、
    最後の「追伸」の話が一番好きでした。

    幼くして母を亡くした敬一、その4年後に新しい「母」として現れたハルさん。
    二人をいきなり親子にしようとしてしまった不器用な父、父とハルさんの間に産まれた、年の離れた弟。

    4人の複雑な家族の話が、丁寧に描かれています。
    物語では、既に敬一は40歳を迎えているところからはじまります。


    重松清さんの書く人物の心情はとてもリアルで、
    必ずしもまっすぐではない意思を持っていて、
    セリフだけでなくその目線やしぐさからそれを表れていて…
    だからこそ共感でき、自分だったらどうするだろう、と
    思いを巡らせることができます。

  • 最初は学校の意味の卒業かと思いましたが本を読むと人生にはいろいろな卒業があることを改めて感じました。

  • 高校時代の読書感想文で選んだ本です
    「卒業」かー、学生の話なのかなーとか思いながら読み始めたのを覚えています
    それもあってか、読み終わった時には放心状態で余韻に浸りまくりました
    人生における色々な「卒業」が語られていて考えさせられる本でした
    社会人となった今読むと感じることもまた違うんだろうなと思ってまた読みたいと思ってます
    この本がきっかけで本っておもしろいなと感じ始めました

  • 私が卒業して、子供が私を思い返す時があれば子供に読んで欲しい

  • まずジーンとくるお話ばかりだった!!
    4つのストーリー全てが面白いという本はなかなかないので凄く読んでて楽しかった。
    のめり込んで一気に読んでしまった。
    家族を題材にした話だったので共感できる部分も多かった。

  • さまざまな人生の卒業。
    生きている中で、何度も卒業しながら次のステップに進んでいくけれど、その先に見えるものは清々しくて、希望なんだと思う。
    そして、進んだステージにはまたいろいろな苦悩や試練が待っている。

    生きるってことは、こうやって命の卒業の日まで、たくさんの卒業をしていくんだな。。。

    もがきながらも卒業していく姿に涙が出ましたし、応援したくなった。
    そして、自分もちゃんと折り合いつけながら卒業をしていこうと思う。

  • なにか自分がとらわれているものから抜け出して一歩まえに進む時、人は「卒業」するのかなと思いめちゃめちゃ泣きました

  • これは、いかんよ。
    電車の中などで読んでると泣けて来て、恥ずかしい思いをします。
    こっそりティッシュ片手に読む事をお勧めします。

    4編からなる短編集なんだけど、ビタミンFみたいなもんですね。
    どれも良い。
    彼の短編作品は、なんとなくパターンがあるようで・・・
    いじめ、自殺、リストラ、学校、痴呆症、介護・・・
    こんなのがテーマになってるのが多いです。
    泣けてくるのは悲しいんじゃなくて、「よかったね、よかったね」と暖かい気持ちにさせてくれるから。
    人にやさしくなれます。

  • 「まゆみのマーチ」と「追伸」で重松ワールドの虜になりました。4作に渡る数々の人生の卒業シーン・・・心温まる物語です。是非読んでもらいたいと思います。

  • 短編4つ。
    登場人物各々の気持ち、生き方や境遇の違いからすれ違いが起きる。30~40年を経てやっとお互いをゆるし合える事ができたお話し。
    それから、娘が幼い頃に自殺した父親。高校生になって娘はイジメにあい、死ぬ前に父親の友人を尋ねて、記憶には残っていない父親の姿を形作ってから自殺を選ぶ...?
    いじめ、母性、友情、家族、自殺、ある障害を抱えた妹と兄のお話し。

    5年ほど前に一度読んだ事を忘れてまた買って読んじゃいました。テンポ良く物語は進んでいくので読みやすい小説でした。
    筆者の作品は色々好きです。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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