- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369112
感想・レビュー・書評
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幻想的なタイトル。自殺へと仕組まれた3人の女性の死と次は自分ではないかと怯える4人目の女性。彼女たちが隠し持つ現実的な社会問題。そして彼女たちともその社会問題とも関係のなかった16歳の少年。
全く接点が見えなかったものたちの糸が次第に結ばれ絡まり、徐々にほどけて最後に1本の糸となる、そんな社会派ミステリー。
父が失踪し母が病気で亡くなったあと、伯母のより子一家と暮らすことになった16歳の少年、日下 守。
守を通して事件は解明されていくのだけど、この物語は単なるミステリーではなくて、守を救済するための物語でもあったんだろうなぁ。
だって守がいい子すぎなんだもの。本当に聡い子。
そしてその賢さが彼の過去を通じて身についたものなんだとしたら……
わたしはなんだか彼の頭を撫でてあげたくなった。
伯母のより子が、「あんたは強いからね、心配なんだよ。強い人間は独りでいたらいけないんだ。みんな自分で抱えこんじゃう」みたいなことを守に話すんだけど、本当にそうだよ。
守自身は気づいてないのかもしれないけど、すでに人生を悟ったと思い込むことで、ギリギリのところで立ってるんだろうなと想像せずにはいられなかった。
守はどうなっていくのだろう、どうすればいいのだろう。そんなことを考えてるうちに、善と悪、過去と現在、そういうものを単純に2つに分けることってできないよねと改めて気づく。
感情って簡単に割りきれるものじゃない。
赦すことと赦さないことも然り。
だから心は揺れ動く。
わたしにとってこの物語は単なるミステリーでは終わらなくて。守が独りでかかえこんでいた何かから解放される、そんな救いの物語でもあったのだ。 -
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こんばんは。
もうこの本のあらすじなんて一つも覚えていないのですが、この本が宮部みゆき先生の本の中で、自分には一番面白かったことだけ覚...こんばんは。
もうこの本のあらすじなんて一つも覚えていないのですが、この本が宮部みゆき先生の本の中で、自分には一番面白かったことだけ覚えています。
昭和のお話でしたか。。。
再読したくなってきました(^^)2024/04/27 -
bmakiさん、こんばんは。
昭和のバブル期のお話でした。懐かしかったです。
宮部さんの初期の作品でしたけど、今も昔も宮部作品は面白いですね...bmakiさん、こんばんは。
昭和のバブル期のお話でした。懐かしかったです。
宮部さんの初期の作品でしたけど、今も昔も宮部作品は面白いですね。人に対する優しさがにじみ出ていて、ラストはほろりとさせられました(*^^*)2024/04/27
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こんな悲しい境遇の高校生 守くんが立派に成長して行くだけで満足や!
( 完璧に親目線^^; )
まぁ、現実としては、あり得ない設定のように思うけど、読んでる時は実際に起こってる気がする。
(宮部さんマジック?)
真相が判明した後のラストも良かった!
でも、私が主人公なら、
そんな実体験ないからか?年取って、人間が丸くなったのか…
「東京は今夜も霧ですね」
も
「魔術師の幻想」
もナシかも? -
日下守は叔母の家族と暮らしていた。なぜなら母は亡くなり、父は失踪していたからだー横領犯としてー。犯罪者の子供としてあからさまに阻害されながら育った守は若くしてなんだか悟ったような一面を持つ高校生だ。しかし、今度は伯父が仕事中女子大生を轢いてしまう。女子大生が亡くなったり目撃者もいなかったため、「すごい勢いで赤信号を飛び出してきた」という伯父の言葉は裏付けがとれない。叔母や従姉の様子をみて、守は女子大生の足取りを追う。そこから見えてきたのは亡くなった娘の裏の顔からつながる不可思議な事件だった。
なんとか的確なあらすじ的導入部分を書こうと思ったんですが、どこまで書いても導入にならない!!どんどん話が展開してたくさんの問題、たくさんの人、たくさんの後悔とかたくさんの怒りとかもう、どこも面白くて・・・!!!
ミステリーで社会派でファンタジーで青春小説で、いろんな顔を持った本です!
あ・・・まさかこれが魔術・・・か・・?? -
宮部みゆきさんの小説は起伏に富み読みやすいので、さくさく読めるが、本作も面白くて一気読みした。いろいろなキーワードも複合的に取り入れられていて野心作だったといえるだろう。少々文章に無理をして力みすぎる傾向があるが、若々しくもあり、そこがまた面白い。
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レベル7の時も思いましたが、宮部みゆきさんは読者をワクワクさせるのが上手いと思います。読み終えるまでペースが落ちないまま、ページをめくることができました。「魔術」と「ささやく」にはそれぞれ2つの意味が含まれていると感じ、いいタイトルだなと思いました。
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宮部作品に最近ハマってて、3冊目となりました、
この魔術はささやくは少し変わった内容のミステリーに戸惑いながら読み進めるうちに物語がはっきりしてくる…そんな印象を受けました。 -
2023.12.1読了。
おそらく、初めて宮部みゆきさんの作品を読んだ。
一度も読んだことがないからと思って、夏の新潮文庫の100冊の時に買っておいたもの。
平成元年の12月に刊行されたそうなのでちょうど34年前の本。ケータイ電話やスマホが一切出てこないところが今と大きく違うと言えば違うけど、全く違和感なく読めた。
主人公はつらい環境で育ってきたのにめちゃくちゃ前向きで良い子。色んな登場人物が代わる代わる各々の視点で過去や現在を語りながらラストに向かっていく形で書かれており、先が気になりおもしろかった。
「まもるぅぅぅぅ!!!」となりますよね~
宮部みゆきさんの作品は数えるほどしか読めて...
「まもるぅぅぅぅ!!!」となりますよね~
宮部みゆきさんの作品は数えるほどしか読めていませんが、しんどい思いをしてる子どもたちの作品もありますよね。
でもどの作品のラストも、かすかにでもちゃんと光が見えてくるような物語になっていて、子どもたちへの宮部さんのエールがこめられてるのかなぁと思ってます。
フォローしてる方にも宮部さんファンは多いので、つい皆さんのレビューから読んだつもりなってたのですが、ぼちぼちこれから読んでいこうかなと思ってたところです。
insectofbooksさんのレビューも楽しみにしてます。
どうぞよろしくお願いします(*^^*)
ブックリスト楽しみにしてます♪
わたしはブックリスト、あまり活用できてないなぁ……...
ブックリスト楽しみにしてます♪
わたしはブックリスト、あまり活用できてないなぁ……f(^_^)