- Amazon.co.jp ・本 (665ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369129
感想・レビュー・書評
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面白かった!行動の初期の作品ということで各登場人物の動機やキャラクター造形に少し不満は残るものの、その分スピード感はあるので楽しめる。バラバラの伏線が繋がっていく過程はまさにミステリーの醍醐味だと思う。あまり深く読むと納得できない部分も多いのでエンタメとしてサラッと読むのに適している気がする。
点と点が繋がってくるまでの前半は少し読み進めづらいところもあるものの、記憶喪失の男女が自分が誰なのか?を探していくというプロットは引き込まれた。特に、最初にベッドで目覚めるシーンは、さすがの描写力だった。自分の名前もわからなくなってしまった語り手が心理的、物理的にどのような状況なのか、読者の頭にスムーズに思い浮かべさせることができる作者の能力には、改めてすごいと感じさせられた。
また、他の作品を思い起こすことも多かった。
本作には、やたらと首を突っ込みたがるお人好しで好奇心旺盛な素人(探偵や刑事ではないという意味で)もストーリテラーとして登場する。模倣犯、楽園の前畑滋子や性別は違うが杉村三郎シリーズの杉村三郎等と似通っているところがある。現実に知り合いにいたらおせっかいだなと少々うざったく思うだろうが、ミステリーにおいて探偵や刑事ではない人物に謎解きをさせるとなると、この手のキャラが必要なのはよくわかる。
他にも、真行寺義夫(よしお)のキャラクターはどこか模倣犯の有馬義男と似ているように感じた。(そういえば名前の音まで同じ)
SFチックな要素が入り込んでくるところは、どこかパーフェクトブルーにも近い。 -
レベル7と言う謎のキーワードで、ファンタジーの要素もあるんだろうと思い込んでましたが、全然違った(笑)ミステリー好きの私に知人が「ミステリーなら宮部みゆき!」と言っていた訳が判りました。
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勝手にタイトルからSFちっくなお話なのかと思い
読み進めていくうちに、違うことに気づく。
物語が進むにつれて明らかになる過程が
とても丁寧で、本自体はぶ厚いのに読む速度は落ちない。
とてもよくできたお話だなと思いながら読みました。
登場人物が多いので、そこで少し
頭の中の整理が必要な時があったかな。
この緻密に真実が積み重なる感じが
宮部さんという感じがして読んでいて気持ちがいいです。 -
面白かった!なのであらすじ読んで興味あったら読むといいと思います!
エンタメの感想であんまりネダバレしたくないので(笑) -
レベル7の意味はそんなに重要ではない。
SFとかファンタジー系かと思ったが、現実的な話だった。
皆がそれぞれ守りたいものを必死に守るものだ。 -
・ある計画がそれぞれの登場人物の言動と行動により段々と明らかになっていく流れが面白い。
また、権力をもつということの人間の傲慢さは醜く、それを受ける人々のやるせなさを感じた。そして現実世界でも想像し改めて恐ろしく感じた。