レベル7(セブン) (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (1993年9月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (665ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369129

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有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
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宮部 みゆき
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有効な右矢印 無効な右矢印

レベル7(セブン) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 一瞬ゲーム小説かと思われる本書は実に意欲的な作品だ。
    どこの書評欄や文庫の背表紙の梗概にも書かれている「レベル7まで行ったら戻れない」という一文がまず印象的だ。人の記憶に残る秀逸なCMコピーのごとく、思わず手にとってしまいたくなる蠱惑的な魅力を備えている。

    2人の記憶喪失の男女がわずかな手がかりを基に自分の正体を探る話と、行方不明の家出少女を探す話の2つの軸が交互に語られながら、「レベル7」という謎めいた言葉に隠された意味が明かされていく物語だ。
    まず記憶喪失の2人の男女の腕に刻印された「レベル7」という文字がなんともミステリアスだ。SF的でもあり、当然のことながらTVゲームをも想起させる。

    本書が発表された90年当時といえば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったRPGが全盛であり(とはいえ、現代でもなお人気が高い)、発売日の行列は社会現象にまでなったことは記憶に鮮明に残っていることだろう。ゲーム好きで名高い宮部氏が本書を書くに至り、これからインスピレーションを受けたのは恐らく間違いないだろう。
    とはいえ、舞台は現代であり、当然のことながら、モンスターも魔法も出てこない。物語の進め方はRPG的だと感じた。周辺に散りばめられた手がかり、例えばメモやマッチなどを端緒として、捜索の旅に出る。そして旅の目的はもちろん世界を支配する魔王といった類いではなく、一方は失った記憶、すなわち「自分」であり、他方は家出した少女だ。このもつれた糸が徐々にほぐれていくようにわずかな手がかりから物語が判明していく様相はRPGに似ているなぁと思ったものだ。多数の小説、特にハードボイルドなどの私立探偵小説を読んだ今となってはこの手法はありふれたものであるのは解っているが、読んだ当初はこの手のいわゆる「失踪人捜し」系の小説を読んだ経験は浅く、また特徴的な題名からこのような連想が生まれ、今に至っている。

    物語は並行して語られる2つの話が漸近していくに従い、ある巨悪の存在も浮かんでくる。この辺の構成は非常に巧みなのだが、やはり「レベル7」という魅力的なキーワードに対する期待値が大きかったせいか、最終的に小さくまとまったなというのが正直な感想だ。非常に無難に手堅く纏められているが、最初の謎の魅力が大きすぎて、色んなことが解っていくごとにそれが徐々にしぼんでいくというような錯覚に陥るのだ。この評価は私のみだけでないようで、ブログやHPでの感想もそういった内容の感想が多く、また当時我孫子武丸氏が「なんてすげぇ物語だと最初は思った」といったようなコメントを残している。
    あとやたらと分厚いのもまたそれを助長したようだ。今となってはこのくらいの分量の小説はゴマンとあるので別段珍しくも無いが、当時としてはかなりの分量であり、恐らく作者本人もその段階における集大成的な作品という意欲を持って著したのかもしれない。しかしやはり冗長すぎると認めざるを得ないだろう。なかなか接近しない2つの物語にじれったさを覚える人はけっこういると思う。

    また別のパートで語られる共通するある人物の描写が別人かのように語られるのも非常に気になった。ストーリーの構成上、恐らくこのAはこっちのBなのだろうと推測するのだが、どうも一致するような人物のように思えず、この辺の違和感と最後にやっぱり一致した時に感じた叙述に関するアンフェア感がどうしても拭えなかった。
    とはいえ、この本を読んで15年以上は経っているのに、未だに最後の一行は覚えているのだから、やはり自分の中では案外鮮明に印象に残った本なのだろうなとは思う。そういったことからも着想の面白さを十分に活かしきれなかったことが非常に悔やまれてならないと思う1冊である。

  • 2つのストーリーが同時に進行していくパターン!!1

    好きなのですよ好きなのですよ

    これってアレなのですよね?きっと途中で「おや?」って思い出して
    「も、もしかしてー!!」って気付いた時にはもう……ってヤツなのですよね?!


    と、本格脳のしーなはwkwk読んでいたのですが
    宮部みゆきと言えば……社会派だったああああああああああああ!!1

    読み始めてすぐ感じたのは、ちょっとした不便さ。
    ケータイやスマホ、ネットの描写が無いのです。

    記憶の無い男女が知らないマンションの一室で目覚めるところからスタートするのですが
    ケータイとかパソコンとか、出て来ても良さそうなのですよね?

    と、思って奥付を見てみたら平成2年の本だったのです
    うはー!!20年以上前の本だったのですよ!

    20年以上……と思いながら改めて見てみると、ネット環境以外は多分最近の本だとしても全く問題ない雰囲気。

    文章とか、使ってる単語とか、全く古臭くないのです
    設定なんてもうdkdk盛りまくり!!1

    記憶の無い男女と謎の隣人
    失踪した女子高生を追う3世代親子

    2つのストーリーが目に見えてどんどん近付いて行く所なんて、もう時間を忘れて読み進めてしまうのですよ

    社会派は普段あまり読まないので、このサスペンス感が新鮮だったのです
    ……20年以上前の本だったのですが。

    本格物ではあまり無い、ちゃんと登場人物たちのその後の生活や環境が、こうイメージできる読了感が良くて、気持ちが柔らかくなる感じ。

    けどこの本の一番好きな所は、やっぱり最初のプロローグなのです
    最初のあの数ページ。勿論何のことか分かるのは随分後で……と言うか、読み終わる頃。
    むしろプロローグ忘れてて、思い出して読み返してみて「あああ!」と言う。
    繋がった時のスッキリは気持ち良かったのです

    社会派ズキにはきっと大好物な一冊だと思ったのでした。

  • 本書は上下に分かれていないタイプで中々に分厚い文庫で、終盤は引き込まれるように読めたが序盤にストーリーに入っていけず読み終わるのに結構時間かかりました。
    レベル7というタイトルでこの著者の話を読んだのが初めてということもあり、初めはゲーム系の話かSFかと思いましたが、普通に現実的なミステリーでした(笑)
    物語は行方不明の少女を捜索する物語と、記憶を失った男女が記憶を取り戻していく物語の2つが交互に進んでいく。物語の核は記憶喪失の男女のであり、記憶を取り戻していくうちにある殺人事件を追う話へと繋がっていく。そして2つの物語は終盤に1つになり、終盤の盛り上がりは目が離せないものがあります!しかし読み終わってまず思ったことは行方不明の少女捜索編、これいる??です!正直最後に繋がりはするけどいらないんじゃないかな〜って思いました(笑) 本も分厚く正直気軽に読めるものではないので少女捜索編を取り除いたらちょうどいい長さになるし、別になくても話は変わらない様な気もします(笑)
    まぁそれでも内容そのものはミステリーとして凝っていておもしろかったです!

  • まだ学生だった頃、本屋で見つけて帯買いした。

    「「レベル7まで行ったら戻れない?」」
    帯にあった、この言葉だけでも十分に引きつけられるものがあった。

    何度読んでも大好きな作品。色々な作品を読んだ今も忘れた頃にまた読みたくなる。

  • 先が気になって一気に読んでしまった。最後のどんでん返しからのどんでん返しが良かった。二つのストーリーが交錯し、謎だったプロローグにも繋がってすきっりした。

  • 初めて、宮部みゆき読みました。
    はじめは、なかなかジレンマでしたが、途中からおもしろかった‼
    また、違う作品読んでみたい。

  • 寝不足注意のおもしろさ☆

  • 再読。
    以前は夢中になって読んだ気がするが、普通に面白かった。
    ラストのどんでん返しはさすが。

  • これは面白い!

    二転三転どころか、四転も五転もする。
    最初は全部バラバラな点だったものが、すべて違うアプローチで線になって一つの結末に収束する感じが凄い・・・

    後ろ半分ぐらいは一気読みしました><b

  • ハラハラドキドキ感、手が止まらないのはさすが宮部みゆきというかんじだった

  • タイトルから、なんとなくゲーム的な内容なのかなと想像していたら全然違った。

    記憶喪失の男女が記憶を辿る話と行方不明の友人を探す主婦の話がそれぞれ進行し、終盤で合流する。
    700ページ以上あって読みごたえあったけど、割とスラスラ読めた。
    4人を殺したのが猛蔵だったのと孝役の人の正体は気づかなかった。(まあ後者は仕方ない気もするけど)

    解説で、元ネタになった実際の事件があるとのことだったので、今度ちょっと調べてみたい。

  • 2017/03/23
    よくこんなストーリー考えたなぁ。
    予測しながら読んでいったつもりだったけど、こんな結末だったとは!不足もなければ蛇足もない。全て繋がってて、完璧なシナリオだった。

    “そのとき、封じこめられていた時間が、最後の一秒まできっちりと巻き戻される音を、祐司はたしかに耳にしたと思った。”

    表現も素敵でした。

  • 普段、読書はライトノベルばかりな私にとっては少し疲れた。しかし、読んでいくうちに、2つの話がどうつながるか気になって楽しく読めた。終盤に入りかけたとき、ああ、やっぱこういうオチなんだ、とがっかりしたが、そこからまたどんでん返しで期待を裏切らなかった。

  • レベル7。この言葉がもうちょっとエッジの効いたものかと思ってたら、なんかそんなハッとする要素でもなかったのが個人的に残念。
    いつも本を読んでいたら、伝えたい大きな軸があるけれど、今回は色んなものが絡まって、薬はダメなのよなのか私利私欲に走ってはいけませんなのか自滅なのか、柱が見えなかった。
    そして、この時代はインターネットもなけりゃ携帯電話も手軽に誰もが持ってるわけじゃなくって、時代を感じた。笑

  • すっごくおもしろいし、読みやすいし、続きが気になって3日で読み終わりました。だけど、伏線を拾いきれてないと感じる点がいくつかあります。分厚い割には、読み終わった後のうわ〜〜〜!という気持ちがあまりありませんでした。
    とにかくスリリングで読後にあまり深く考えたくない気分のときに、オススメの本です。

  • もう20年以上も前の作品だけどオモシロイねぇ。
    こういうキレのある作品好きです。現在の宮部さんからすれば、プロットよりも人間関係をもっと掘り下げるのだろうけど、これだけ練り上げられたプロットはスすぎます。

  • レベル7まで行ったら戻れない。

    この言葉を一つの要素として展開していく話でかなりの分量があるにもかかわらず、テンポよく進んでいくので飽きることがありません。むしろ引き込まれていきます。

    中盤前後からある程度結末を予想することはできますが、「ここはいったいどう絡んでくるのだろう?」と考えさせられる内容です。

    まだ未読の方はぜひ読んでもらいたいです。

  • 名作。宮部みゆきの最高傑作だと個人的に思っています。(この本がキッカケでいろいろ読むようになりました)

  • 記憶喪失になった男女がある部屋で目覚める物語と、レベル7までいったら戻れないと日記に書いて失踪した女子高生の物語があり、読み進むにつれて2つがつながっていく。誰が味方?この人何者?とどんどんはまっていった。

    家族の暗い部分を描いたりするのはさすが宮部みゆき。「模倣犯」に近い陰険さもあったりして面白かった。

  • 記憶喪失の2人に、謎の刺青。あーハズレの宮部みゆきか、としばらく思っていたのですが、違った。この人、SFを書く才能は無いと思うんですね。つまり、本作はSFではありません。

    記憶なしの2人と、失踪した女子高生を探す母子家庭の家族の2つのストーリーが平行に進んでいく。どちらかと言うと、記憶のない2人のストーリーがスリリングなため、前半では悦子のターンがやや盛り上がりに欠ける。

    後半に入ると、今までの無駄に長かった話が嘘のように展開を始め、どんでん返しの連続で、まあ、面白いわけです。

    しかし☆2つ減らしたのは、ところどころ不自然なカッコ使いがあったり、一人称視点を断りなしにポンポン飛ばし、推敲なしのような荒っぽい文章が目に余ったこと。特に後半。

    また、記憶をなくして見回した部屋の様子や病院内などの、重要な情景の描写もイイカゲンで、せっかくの舞台が台無しになっているように感じる。

    誰かに怒られるかもしれないけど、そういう雑さは、女性作家特有のものなんですよね。せっかく長い本なんだから、もうちょっと表現を刈りこんで、その分で状態の説明を丁寧にやってもいいんじゃないのかね。

  • ものすごい久しぶりの再読。
    すっかり忘れてたので、とても楽しく読めました。
    キャラつながりで『火車』が読みたくなったんだけど、見つからない-。あるはずなのにー(汗)

  • 面白かったです。
    続きが気になり、すぐに読んでしまいました。

  • 最後のどんでん返し、、、宮部さんの作品は、最初から最後まで本当に面白いですね。

  • 2014/09/13

    レベル7まで行ったら戻れない――謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。

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レベル7まで行ったら戻れない-。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。

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