堪忍箱 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369228

感想・レビュー・書評

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  • 家が貧しく奉公に出された娘を主人公に据えた短編が多い。『本所深川~』と違い比較的起伏に乏しいが、いずれも厳しい生活環境に置かれながらも、宮部みゆき作品の時代物ならではのすっきりとした温かみがある。大きな力に翻弄されながらも日々を生き抜く人々。現代ものでもそうだけど、ただひとつのことをやり続け、そしてそれが平凡であればあるほど眩しく見える。でもやっぱりちょっとした事件が起こるような作品が好きで、『謀りごと』『敵持ち』が良かった。

  • 堪忍箱のオチがよくわからん。

  •  表題作が最初な事に軽く驚き。
    「お墓の下まで」は血の繋がりの無い家族のそれぞれの秘密、だがそれでも繋がっている想いに微笑した。
     それ以外の篇ではほとんど「恋」が関わっていた。「かどわかし」では純情が、「砂村新田」では若き日の恋が主旨として描かれていた。その他では各々に別の主旨と展開があり、そこに岡惚れ、不倫等の不純な要素がチラホラ。
     人間の暗い部分が多く描かれているので決してスッキリとした読後ではないですが、胸糞悪くなるほどでもない。切なかったり、モヤモヤしたり、でも気になるから読んでしまう。

  • 8編。1996年10月刊の単行本の2001年11月文庫化。哀しく辛く、怖いようなお話ばかりですが、救いもあり、情感たっぷりに描かれています。

  • つまらなくはないのですが、どれもすっきりしなくて読了感があまりよくありません。
    特に気に入った話もなく、全体的に印象の薄い短編集に感じられました。

  • 再読、短編集。ほかの宮部さんの短編集とちょっと違った色合い。ホラーの怖さもないし、ミステリーの謎解きもないし、人情にもいつものようなまっすぐな温かさが不足している。何かが少しずつ足りないような気がするのに、つまらないわけではない。いつもよりちょっと突き放したクールな感じがするというか。個人的には「敵持ち」が好み。用心棒を請け負ってくれ浪人者の旦那が、飄々としているのに、帰参を心待ちにされている頼もしい人物っていうところが格好良くてスカッとする。

  • 20142月25日
    初期の作品かな。
    話が強引ぽく感じてしまう。
    情景描写や人物の性格や特徴の表現はさすが。江戸情緒に浸りました。

  • 2014.1月
    初ものがたりを読んだら時代ものもいけるかも!と、同作者の短編に挑戦。
    堪忍箱は、きっとこの時代は祈りとかそんなのがとても大事で、心の拠り所みたいなものだったんだろうと思った。
    面白かったのは用心棒のと、女の子が奉公に、行くやつ。
    訳がわかんなかったのは、月の光の呪いのやつ。

  • 宮部さんを読みあさろう第二段。

    家が火事になった時、母親が火の中に取って返して持ってきた「堪忍箱」。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花、木蓮の細工が施してあったー。

    という表題作に加え、全部で8編の短編が収録されている、時代ものの短編集。
    地名が東京のものばかりだったので、何となく位置がイメージしやすかった。
    宮部さんの小説は、時代ものになっても読みやすいですね。
    表題の堪忍箱は特にだけど、ちょっと京極夏彦っぽい感じの印象を受けました。
    でも最後にすっきり解決してくれるので、京極っぽい後味の悪さはありません。

  • 宮部みゆきの時代物のなかでは、イマイチ。

    なんかこう、すっきりしないのだ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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