理由 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369235

感想・レビュー・書評

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  • 長かった…。石田氏はちゃんと社会復帰できたし、綾子さんも罪が軽いといいな。真の悪は3人を手にかけた八代祐司だとしても、その状況を作った悪人は誰なんだろう。早川社長?最後、小糸少年が「僕が殺すことになってたかも」みたいなこと言ってたのは、なんだか切ない気持ちになった。それくらい小糸少年が精神的に落ち込んでるということなんだろう。映像化作品も見てみたい。

  • これから家を購入しようと考えていたので、思わず二の足を踏んでしまう。身の丈にあった家にしようと思います。

  • 宮部みゆき。高層マンションで起きた殺人事件を、関係者へのインタビューを通したドキュメンタリー方式で進めていく、780ページの長編。インタビューを通して様々なかたちの、家族が登場し、それぞれの背景もしっかり描写されているのは流石と言わざるを得ない。事件について少しずつ明らかになるのがテンポよく、かなりの長編であったが最後まで中だるみすることなく読み終えることができた。

  • 描写が丁寧ですらすら読めた

  • 『火車』に続いて二冊目の宮部みゆき作品。

    登場人物が本当に多いので、前を見返して確認しながら読んだ。しかし、読み進めていくうちにぐいぐい物語に引き込まれて一気に読み終えた。

    外から見えている家族の姿と実際のところは同じではないし、どの家庭もそれなりに問題と幸せを内包しているのだと教えてくれる作品だった。

    虚栄心や金銭問題、嫁姑関係、親子関係、それぞれに問題を抱えた家族が、ドキュメンタリー形式で様々な視点から描かれる。はじめはすり鉢の別々の淵からスタートした一見関係のないような話がすり鉢の底で上手く合わされるテクニックはさすが数々の賞を受賞した著者の代表作。

    名探偵や花形刑事、連続殺人犯が登場する訳でもない。一見近所に住んでいそうな普通の人の絡み合いのなかから、ちょっとした誤解やすれ違い、タイミングの悪さが重なって殺人事件に発展する可能性があるということを思い知らされる怖さがある。
    ニュースとして取り上げられる殺人事件の数々は自分とは関係のないテレビの中の話、別の世界の話のように感じられるが、実は事件の裏には、ごく普通の人間模様があり、ちょっっとした運命の巡り合わせで自分が様々な形で関係する可能性もあるのだと痛感した。

  • 宮部みゆきをはじめて読む。。昔、人気の作品読もうとして挫折した記憶があるが、これはすごく面白くて3日くらいで読んでしまった。家出人みたいな人が老若男女いろいろ出てきて、それぞれ人と繋がりも書かれていてよくこんなに設定考えられるなと思う。もうおしまいだ、と思うような人生でそれでも誰かといっしょにいようとしたり、家を買おうとしたり、派手な登場人物はいないが、読み入ってしまう。ネタバレになるが、全然感動はしないで読んでいたのが、最後、簡易旅館で、逃げていた男が観念した時の心境を自分で振り替えるくだりは涙が出た。
    何か他の小説で、競売物件のマンションをなんのトラブルもなく購入できたシングル女性の話を読んだことあったが、この本を読んで絶対競売物件には手を出すものかと思った。

  • インタビュー記事を読んでいる感じなのでどこか淡々としている印象。

    死んだ4人がこういった人生を選んだ【理由】を周りの人たちがそれぞれ考えていて、自分にとってそうしてくれる人はいるのだろうかと思った。
    誰かが理解してくれようとすること、考えてくれる人がいることは幸せであるが、4人とも生きているうちに誰かに自分の内に秘めている【理由】を打ち明けられたら何か違っていたのかなと思う。

  • とある殺人事件を取材する立場の人間の語りというかインタビュー記事のような感じで進んでいく物語。
    一つの事件にも色んな人がいろんな形で関わっているんだなと思った。
    「理由」というタイトルの意味は明確にはわからなかったけれど、血の繋がった家族と一緒にいる理由、血の繋がらない赤の他人と一緒にいる理由…、これもタイトルの意味の一つなんじゃないかなあとぼんやり思った。
    宮部みゆきさんの謎解決系の話によくあるような、どんでん返しが最後にあるような感じではなくて、淡々とストーリーが進んでいくような感じの内容だった。
    それなりに楽しんで一気に読めたけど、やっぱり人間っていいねって感動する感じを描いている物語が宮部みゆきさんの好きなところなので、やっぱり時代物読みたいな!と改めて思った!

  • 大雨の中、荒川区高層マンションで4人が殺害された。その4人は占有屋として住み込んでいた他人同士。この事件に深く関与し重要参考人である男が簡易宿泊施設で保護され、事件全容をドキュメンタリータッチに回顧する。
    複数の登場人物、その背景や心理描写が詳細に描かれていて、読書力が足りず文章量がとても長く感じ、「誰だっけ?」と登場人物の因果関係がよくわからなくなった。殺人シーンや殺人動機が今作のテーマではなく、詳細は描かれていない。

  • 一気に読めました

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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