感染症に世界は覆われほぼ壊滅状態に陥る。さらに巨大地震・相互防衛システムの自動起動による核ミサイル発射、極限まで追い詰められた人類は新たな世界を構築するため北を目指し旅たっていく。

架空の物語が全て現実味を帯びてきており、しかもその歯止めの展望さえ見えない現実社会に驚いている。

2021年4月17日

読書状況 読み終わった [2021年4月17日]
カテゴリ 小説

村上春樹作品を読むことを止めた理由の1つに勃起の話が多すぎる、だったのにスティーブン・キング「第四解剖室」でまた取り上げられていて大オチだった。
しかも読む前の先入観から色々と勘違いをしていて、「サイコ」はスティーブン・キング原作ではないし、エクソシストみたいなホラー作品とも全然違った。

2021年2月23日

読書状況 読み終わった [2021年2月23日]
カテゴリ 小説

パーティー・ドラッグ・SEX・失恋、友達、ロッキーホラーショウ。
どの文化に傾倒するわけでもなく、失敗したり感動したりしながら、青春時代を謳歌していく。チャーリー、サム・パトリック・メアリー・ブラッド・クレイグ、そしてヘレンおばさん。
全く想像してなかった記憶がチャーリーに蘇り、それでも彼は受け入れ、再びピックアップトラックの荷台で涙ながらに無限を感じるのだ。

悩んだ時にはまた手紙を誰かに書くといい。
いつだって君は愛を込めていたんだ チャーリー。

2020年8月6日

読書状況 読み終わった [2020年8月6日]
カテゴリ 小説

“雨粒に包まれた窓の方が、
私にとっては有名人の写真より面白い。”
(p.44より引用)

“肝心なのは
何を手に入れるかじゃなくて
何を捨てるかなんだ。”
(p.56より引用)

雨滴る窓ガラス・傘・高層ビルのような高いところから撮影したり、1/3の構図などが印象的。縦型サイズが多く掲載されていて、スナップショット集みたいだった。

2020年7月28日

読書状況 読み終わった [2020年7月28日]
カテゴリ 美術

『東京タワー』というマジックワード。
物語を洗練された印象にするし幻想的なものにもする。

この舞台がスカイツリー、住居が下町で商店街近くの都営アパートだとしたら、読んだ印象はただのドスケベ話になったかもしれない。「とおる」は徹ではなく『透』だし、「よしだ」も下の名前ではなく『吉田』だし、設定に対して言葉選びに匠を感じた。

透で始まり詩史との未来で結ぶかと思いきや、耕二のふとした野望で結ぶ、不思議な読了感だった。

2020年6月23日

読書状況 読み終わった [2020年6月23日]
カテゴリ 小説

また僕の硬くなった勃起の話だ。
しかも不思議な事は何も起こらず。

主人公は僕だけど名はハジメでバーの経営が成功している別人の設定。
多感だった頃の恋が再会によって着火し、その当時にひどい仕打ちをしてしまって別れた別の元彼女の変わった姿を見て鎮火したお話。
いよいよ、ノリ極まって結ばれた彼女の性癖、結構ひいた。

村上小説を時系列順に読んできて、『世界の終りとハードボイルド〜』あたりから性描写にきつさを感じる。少し違ったテイストに離れたく、しばらく村上小説をお休みする。
(次も『東京タワー』を読んでいるので、SEXの話多めだけど)

2020年4月17日

読書状況 読み終わった [2020年4月17日]
カテゴリ 小説
タグ

キキとハワイで再会し、その時暗示を受けた死は6人。
ユキの導きもあって5人の死が判明するも羊男は消えていて、最後の死は判らないまま現実の生活へ戻っていった。

ガチガチのSEXをしたユミヨシさんとはきっとうまくいかないだろう。しかも割と早く別れが訪れているのでは? 彼女もホテルに取り込まれつつあるとはいえ、6人目ではないと思い、死を暗示しているのは「僕」か「羊男」か。いずれにしてもそのことが判るまで踊り続けるしかないのだ。

やがて大人になり恋を経験するユキは能力を失うのかひどくなるのか、彼女の青春を知りたい。

2020年3月21日

読書状況 読み終わった [2020年3月21日]
カテゴリ 小説
タグ

羊をめぐる冒険から4年、いるかホテルの夢をよく見るようになる。
彼女と別れ妻と離婚し、飼い猫の『いわし』を弔って、原点に立ち返るためまた旅に出る。

立派な施設に建て替えられた『いるかホテル』。
漆黒の闇で暮らす羊男の「待っていたよ」、ごくありきたりな映画の一場面「どうしたっていうのよ?」から始まる高級コールガールの殺害。
『僕』はキキとの再会を求め、再び踊り始める。

2020年3月7日

読書状況 読み終わった [2020年3月7日]
カテゴリ 小説
タグ

『洋服は全部レイコさんにあげて』と、直子は逝ってしまった。
選んだのは「僕」との未来ではなく、心の乱れからの解放。
僕は深く傷つき哀しむものの新たな未来を始めるために緑への電話を取った。

緑とのその後はなく、大切な人を失った側の気持ちが描かれていた。
恋愛・情愛・親愛・性愛の形としてのSEX。
20歳であの口調と受け答え、自分とはだいぶ違う。
上巻・下巻を通し、重要な愛(性)の表現として意図があって「手コキ」多め。

2020年2月22日

読書状況 読み終わった [2020年2月22日]
カテゴリ 小説
タグ

短編『螢』を丸々含めた、僕(ワタナベ君)・友達の彼女(直子)・友達(キズキ君)の話、完全版。
短編では同居人から譲り受けた螢を放つところまでで、本編では直子が施設に入所してからさらに後日談へ続いていく。

上巻では、直子は気持ちの整理がつかないまま、友達として関係をもったことで不安定だった心の糸がついに切れてしまい、別れから再会までが描かれる。
1章で、"愛されなかった、記憶から消えていく"とあるので、すでに直子は存在していない前提で読み進めていて、直子の人柄・美しさに触れる度に悲しみが増していく。

2020年2月8日

読書状況 読み終わった [2020年2月8日]
カテゴリ 小説
タグ

第4巻は17〜18世紀頃のフランス「古典主義」が中心。
キリスト磔刑など宗教画よりも風景画・静物画・風俗画の掲載が増える。
また背景に用いられるモチーフもただの自然風景ではなく、2階建て・3階建ての現代建築に近い建物も見られるように。

■気になった作品
ル・ナン兄弟「農民の食事」
プッサン「四季」連作
シャルダン「赤えい」
ルーベンス(「フランダースの犬」の人)
サムネイルサイズで複数作品が掲載されていた。
フェルメールも2点ほど掲載あり。

耳馴染みある作家の作品はまだ出てこない。

2020年1月26日

読書状況 読み終わった [2020年1月26日]
カテゴリ 美術

『ねじまき鳥と火曜日の女たち』
『パン屋再襲撃』は意味がわからないし、『1973年のピンボール』の双子に関わる短編も読みどころがあるわけではなかったけど、ねじまき鳥のエンディングが美しく、とても気になった。

・エロ電話の女は誰なんだ?
・消えた少女はどこいった?
・猫は死んだのか?
・妻は「手を下さず色々なものを殺す」となぜ僕に言ったのか?

この伏線に関してねじまき鳥がねじをどこまで巻くのかは、『ノルウェイの森』含め幾つかの長編(代表作)を読んだ後に続く。楽しみ。

2020年1月23日

読書状況 読み終わった [2020年1月23日]
カテゴリ 小説
タグ

現実世界へどうやって戻るのかを意識しながら読んでいたら、異世界に留まることを選択した「僕」。心を持ったまま永遠に異世界で彷徨い暮らすのだ。
現実世界と異世界を統合しないまま終わらせるハッピーともバッドとも言えない絶妙な落としどころのエンディングだった。

2020年1月11日

読書状況 読み終わった [2020年1月11日]
カテゴリ 小説
タグ

計算士 vs 記号士 vs 第三勢力。シャフリング、やみくろ、研究所、一角獣、老大佐、屈強な門番。夢追いをガイドする女、大食い女、太った娘と博士、「私」と「僕」と「影」、ペニスと勃起。
「私」は真実を求め博士に会いに地下へ。「僕」は「影」に頼まれた地図を作るため森へ。物語は二軸で進んでいく。

2020年1月1日

読書状況 読み終わった [2020年1月1日]
カテゴリ 小説
タグ

東京都現代美術館で展覧会を見た後に併設の図書館にて。
ファッション通販サイト元社長の絵は掲載なかった気がする。黒と青の落書きのような作品イメージで、何もなく大きな部屋には合いそうだけど、生活感ある部屋ではよりガチャガチャしそう。

2019年11月30日

読書状況 読み終わった [2019年11月30日]
カテゴリ 美術

第3巻は「15世紀頃の西欧美術」が中心。
当時は画家が個性を主張するのではなく、フィリッポ・リッピのような巨匠が工房を持ち、その弟子達とともに制作するのが主だった時代とのこと。モナリザを始め、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作がこの巻に複数収められており、本全体を通して他の作家とは異質、神秘的で特別な印象を受けた(印刷物なのに)。

2019年12月14日

読書状況 読み終わった [2019年12月14日]
カテゴリ 美術

再読、9編の短篇集。
冒頭にてご本人の創作された小説ではなく人から聞いたものであり、文章をスケッチする感覚に近い形で書いたとのこと。
『レーダーホーゼン』
全くの他人にお願いして、その半ズボン試着の様子を見ていることをきっかけに、離婚まで気持ちが一気にかけあがった理由なき決断。歳を重ねて理解できるようになった気がする。
『タクシーに乗った男』
タクシーに乗った男の話ではなく、自分自身を整理するために断捨離した絵のタイトルがそれ。その絵のモデルと偶然異国ですれ違い、旅行者がするごく一般的な挨拶をしたことをきっかけに完全に心の整理がついた話。
など。

2019年12月25日

読書状況 読み終わった [2019年12月25日]
カテゴリ 小説
タグ

『螢』
寮生活をしていた大学生時代、窓辺から見える毎朝揚がる国旗とドタドタとラジオ体操を毎朝続ける相部屋の迷惑な男。僕ではない僕を見ている死んでしまった友だちの彼女。その彼女の苦しみを救えなかった僕の話。
『納屋を焼く』
消えたガールフレンドと銀色のスポーツカーに乗る納屋を焼くのが趣味の男。男は納屋を焼いたのか? 焼いてないのか? 男の「どこかでまた会いましょう 」は、会えていないだろうと思う。理由はなんとなくで特にない。

2019年12月5日

読書状況 読み終わった [2019年12月5日]
カテゴリ 小説
タグ

第2巻は「中世美術」。テンペラによるキリストの磔刑、モザイク画、ノートルダムのステンドグラスなど教会・礼拝堂や聖書関連のモチーフが中心。
たくさん掲載されていた磔刑でキリストの脇腹から血が流れているのは“ロンギヌスの槍”の描写。死後に刺されたもので、キリストが本当に死んでいるか確かめるためだったとされている。

土曜日にゆっくり観たかったけど雨だったので日曜日の早い時間に。
お昼にお酒も飲める古い食堂に立ち寄った際、年配夫婦の旦那さんが奥さんをネチネチ割と強い口調で叱っていて、店員さんが見た目さながら、スナックのママさんのように「お酒飲みながらそれはよくないよ」と優しく優しくなだめていた。

2019年11月24日

読書状況 読み終わった [2019年11月24日]
カテゴリ 美術

18編の短篇集を再読。
作者あとがきにあるように、文章にばらつきがあって読みにくかった。
「図書館奇譚」以外は流し読みしたせいか、タイトルの「カンガルー日和」でさえ記憶に残らず。

2019年11月22日

読書状況 読み終わった [2019年11月22日]
カテゴリ 小説
タグ

短編集。「中国行きのスロウ・ボート」が好き。
山手線で逆回りを教えるなんて、さらに電話番号まで失くしてしまうなんて!
かわいそうな感じがするし切ない感じもする、かといってそこまで気にする話でもない気もする。不思議。

2019年11月22日

読書状況 読み終わった [2019年11月22日]
カテゴリ 小説
タグ

第1巻はメソポタミア・イラン・エジプト・ギリシア・ローマなどの「古典美術」がテーマ。実際の掲載物は壁画・彫刻・壺絵などが中心。この手の美術書を色々観ていく。

2019年11月9日

読書状況 読み終わった [2019年11月9日]
カテゴリ 美術

大雨の中、荒川区高層マンションで4人が殺害された。その4人は占有屋として住み込んでいた他人同士。この事件に深く関与し重要参考人である男が簡易宿泊施設で保護され、事件全容をドキュメンタリータッチに回顧する。
複数の登場人物、その背景や心理描写が詳細に描かれていて、読書力が足りず文章量がとても長く感じ、「誰だっけ?」と登場人物の因果関係がよくわからなくなった。殺人シーンや殺人動機が今作のテーマではなく、詳細は描かれていない。

2019年10月21日

読書状況 読み終わった [2019年10月21日]
カテゴリ 小説

強豪校野球部エース君がガソリン塗れで焼死する現場に居合わせてしまったその弟君と探偵事務所家の女性調査員、そして引退した警察犬。擬人法的に警察犬目線で犯人捜しから事件解決までを追う物語。
ちょうど読み始める前に京都の放火事件があり、読み終わっても読了感より暗い気持ちが強く、今も抜けていない。

2019年8月11日

読書状況 読み終わった [2019年8月11日]
カテゴリ 小説
ツイートする