模倣犯〈5〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2005年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369280

模倣犯〈5〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • とうとう読んじゃった!完結ですっ!
    この小説はほんと凄かった!その一言に尽きる。
    今まで読んだミステリーの中で最高の1冊でした。
    宮部さんの筆力に脱帽。

    話の展開さ、登場人物たちの背景、完璧。
    加害者、被害者、被害者の家族、ライターとその家族、警察の上司を部下、こんなにいっぱいのキャラクターが出てくるのに、個々の置かれてる立場や、心境・心情を一言も漏らすことなく、それかといってしつこくなく、まるで台詞を言ってるように自然に聞こえるの。ほんとすごいな~。って思う。
    ここまで良く書かれちゃうとね、映像化は絶対無理。映画の『模倣犯』がコケたの分かるわ~(笑)だって、宮部さん、試写会を途中退席したんでしょ?

    実は、前畑滋子っていうキャラ、最初読んでてずーっと好きになれなかった。「自分にやれるのか」と最初弱気だったのに、書き出すと何故か知ったかぶりし、高井由美子の言い分なんか結局聞かず、それで仕事コケ、家族を振り返らず、「なんちゅー、自己中な女なんだ」と思ったの。
    でもね、最後、網川に白状させたとこ、鳥肌たった。この女、かっこい~!ってね。最後、ほんと彼女にやられた~。

    そして、鞠子のおじいちゃん・有馬義男。これもカッコいい。すっごい「粋」なおじいちゃん。この人の頭の良さや鋭さには恐れ入りました。
    この人の言い分を聞いてると、ほんとスカッとするの。もう惚れたね。

    私の好きなシーンは、最後の方でね、昔、和明の水泳の顧問だった先生が奥さんと喫茶店を訪ねるとこ。病弱なのを無理してきて、最後「いい子だった。本当にいい子だった。」って何度も言うとこ。泣いちゃった。
    網川がTVで切れたときよりも、このシーンを読んだときに、「ああ、よかった~~。やっと高井和明が浮かばれたね」って思ったんだ。

    ほんと、最後はめでたしめでたし。
    これだけ、いろんな人がいろんな思いをし、最後まるく納まったところに、「ほんとにこの本を読んでよかったな」と思えた。
    素晴らしい小説でした。

  • けっこう時間かかっちゃったけど、ついに読み終わりました!
    5巻の最後のほうで「模倣犯」というタイトルの意味が明らかにされてました。彼が最も言われたくなかった言葉だったんですね。
    確かに彼の筋書きはすごかった、、実際に模倣ではなかったし、皆を惹きつけさせた。しかし、全ての人をずっと欺けるほど完璧になんてできるはずがなかった…

    真実は、悲しみを消してくれるわけではないけど、嘘や猿真似には決して負けない。
    「本当のことは、どんなに遠くに捨てられても、いつかは必ず帰り道を見つけて帰ってくるものだから」という言葉、、本当に辛い思いをした末に真実を知った、有馬さんだからこそ言える言葉だと思います。

  • 宮部みゆき嫌いが好きになりそう。
    本当に面白かった。

  • ピースに鉄槌を。2日で一気に読んだ 2015/05/04

  • 文句なしに面白い。
    これぞ大団円。

    事件は終わるが救いは少ない。

  • 2013年12月18日読了。

    文庫本にして5冊。長編です。
    それでも、最後まで飽きることなく読めました。

    遺族の有馬義男が犯人を「嫌なことは忘れて
    皆生きていく。お前の事だって忘れるよ」と追い詰める
    シーン、滋子が生放送で犯人の自白を促すシーンは、
    読んでいて息が止まる想いでした。

    また、事件が収束に向かった後の、有馬義男が
    すごく切なかった。
    終わるはずのない事件が終わっていく。その無念さに
    胸が締め付けられました。

  • タイトルの模倣犯、はこういうことかー、と納得した。
    最後の最後に義男さんが激昂するところはきつかったなあ。特に4巻辺りからは超然とした印象を持っていたので、胸を突かれた感じがした。
    滋子と昭一の関係はいまいち理解できないな。あれでまたくっつける昭一の無神経さにも滋子の能天気さにも驚きだ。
    最後の逆転劇はまさにやってやったという気分だった。すっきり。
    ピースが最後まで悪であってくれて安心してしまったのは、どうなんだろう、間違っているんだろうか。本文にあった、犯罪をするような人間は自分から遠い所にいるんだという身勝手な解釈をして、安心してしまっているんじゃないだろうか。
    色々と考えたくなるし、終わり方はずっしりと重みを感じさせてくれるけれど、どこか爽やかな気分だった。

  • 宮部みゆきの代表作のひとつ。社会派ミステリ、というかスリラーってのはこういう感じ、というお手本のような長編。
    所謂フーダニット、本格推理が好みの自分にとって社会派は純然たる「ミステリ」ではないと思っている。心理サスペンス、スリラーというカテゴリのほうが適切。でも、それはそれで面白いし好きなのね(笑)。
    この長編は(以下若干ネタバレあり)、観衆=一般市民を驚嘆させ恐怖に陥れることに無上の喜びを感じるシアター型犯罪を「創作・演出する」愉快犯が中心。
    人間的感情がどこかに行っちゃってる(精神的に壊れた)犯人と、共犯者、その家族。彼らの犠牲者たちとその家族、友人知人。遺体の発見者となってしまった人たちとその周辺。彼らの人生。大掛かりな捜査を展開する警察と、独自に犯人像を追いかけるマスコミ、ジャーナリスト。
    同じ事件をリアルタイムで体験する、立場のちがう人々の異なる視点から、重層的に時間経過をなぞり、徐々に事件の真相に迫る。その過程はときに(繰り返しもあって)しんどいけど、なるほど犯罪というのは誰がどう見るかによって、様相が異なるものなのだ、と。被害者も加害者も、その家族も、見たいようにしか事件を見られないのだ、と。そう実感させる力作だと思います。
    文句なしに面白いし、分厚い五冊も一気読み。
    でも、瑕疵がないわけじゃないですね。取りこぼしと思われる伏線もあるし、細かいことですが1巻の季節感の描写の違和感とか、警察vsマスコミの構図の不自然さとか(書かれた時代の反映なのかもしれないが今ではちょっとないと思う)、彼女独特の表現「行けない」ではなく「行かれない」など・・・気になってしょうがない部分も多い。女性認識、女性ジャーナリスト認識なんかは、むしろ反フェミ的とすら感じるし。
    とはいえ、上質の娯楽なのはまちがいない。お勧めです。

  • なぜ僕たちは「自分は特別な存在である」と思ってしまうのだろう。そしてそんなことは決してないと気付いたときに落胆してしまうのか。この感情は相当深いところからきているのではないか。食べたり寝たりと同じ欲求だ。これから自由になるにはどうすればいいのか。それは宮部みゆきの言うように人と人とのつながりなのか。

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真犯人Xは生きている-。網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、一躍マスコミの寵児となった。由美子はそんな網川に精神的に依存し、兄の無実を信じ共闘していたが、その希望が潰えた時、身を投げた-。真犯人は一体誰なのか?あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇、深い余韻を残して遂に閉幕。

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