孤宿の人(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369310

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとまだ誰が主人公なのかわからないけと…
    "ほう"を取り巻くひどい人と優しい人の幅がすごい。
    優しい人たちには本当に癒される。
    上だけではまだ前提条件の説明部分にしかならないのかな?話はまだ動いてない、動き始めそうなところで下巻へ。

  • 大好きな作品。

  • 読めば読むほど、深まる霧の濃さ
    どんどん白くなって何も見えなくなり、最後は真っ暗闇になってしまうような…
    なんとも言えない後味の悪い、座りの悪い
    何か…
    人の思惑がそう感じさせるのか

    着地がどうなるのか…
    おもしろかった…

  • 2019/02/08読了
     一言で言えば孤児ほうの成長物語。
    緻密に構築された架空の讃岐・丸海藩を舞台に街全体を巻き込む一大叙事詩が展開される。ほうの周りの人々が次々と死んでゆく展開。優しく接してくれた琴江をはじめ嘉助親分の一家、同心・渡部一馬、最後には準主役の宇佐まで・・・最後は猛烈な嵐と落雷でカタストロフィを迎える。

  • 下巻に記載(再読。前回読んだときの印象は、とにかく位だけの辛気くさい印象で途中で読むのをやめたぐらいだが、今回は全く印象が変わった。
    ストーリーはともかく、ほう、宇佐、加賀殿など登場人物が皆心温まる人々で、土着の風習や庶民の生活を背景に描く宮部みゆきの世界にはめられた。)

  • 宮部みゆきの小説の中では一番好きかも。ちょっとまどろっこしいけれど、よく組み立てられていると思う。
    雷の多い土地。屋根でキラリと光ったのは雷を呼び寄せるためだったのね。それはお屋敷だけじゃなくて、ほうの小屋も同じだったのかも。試した?
    阿呆のほうが、最後は宝のほうになる。その名付けは加賀様。加賀様とほう、宇佐とほうという家族。なるほど。
    どんどん人が死んで、話にはどんでん返しも何もない。これはミステリーではなくて人心や仏の話だ。

  • 怖いのは、悪霊より人の心?
    宮部さんの容赦ない展開。

    四国の歴史や江戸時代の文化についても、興味深く読みました。チカラ入ってますね。

    下巻はさらにザワザワしそうで、楽しみです。

  • 久しぶりの宮部さん時代もの。すっかり丸海の世界にはまってしまいました。テンポが早くなっていく。宇佐、ほう、渡部はどうなっていくのか、早く下巻が読みたい。

  • 実は以前買って読んでいた(後に売ったのは覚えてる)のに、図書館でまた借りてしまった本。結局好きな感じだからなんだろうと思う。
    上下巻なので読みごたえもあったが、登場人物が複数いる中で、それぞれの視点を通してラストへ進んでいくのは、さすが宮部みゆき!というストーリー展開。
    けなげに生きる「ほう」と「うさ」のラストに涙が流れた。家で読んでてよかったな。2回目に読んだ今回のほうがより深く物語に入り込めてよかった。
    2かいめ

  • まずは幼い女の子目線で物語が展開
    江戸時代当時はそう珍しくはなかったのかも知れないが、女の子は決して裕福な環境にはなく、生まれてすぐに母が亡くなり、今でいう不倫関係であった事もあり、その子は大事にされない
    名前は「ほう」あほうの「ほう」

    ほうは厄介払いの形で遠い国にお参りに行かせられる
    お守り役が付いていたが、いじめられ、最終的にはお金だけ取って逃げられてしまう

    行き倒れのような状態から色々あって藩内でも有名な大家に引き取られる
    このあたりから物語が展開
    ほうが引き取られた家の娘が毒で殺される
    ほうは毒殺されたと信じて疑わないが、政治的な都合で娘は毒殺ではなく病死という扱いになる

    ほうは納得いかず、同時にこのあたりからもう一人の女の子の目線で話が展開していくようになる
    こちらの女の子は引き手?の見習いというような職業で、現代でいうと警察官のような職業か

    政治的な都合というのが、鬼に祟られたという罪人を藩で捕らえておかなければならず、その際にそういった事件があったと中央に知られたら、それだけで藩がつぶされかねない
    藩は最近、着物の貝染めを特産物にする事で経済力が上がっており、中央から目をつけられているのだ

    その後も事件が止まない
    罪人が「鬼」として恐れられ、その鬼によって藩内がザワついていく

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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