- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101373331
感想・レビュー・書評
-
【人がいる。酒がある。ただそれだけで、物語がはじまる。】
いや、普通は人がいて酒があるだけで物語なぞはじまらない。
むしろなんともない、とりとめもない日常のヒトコマにしかならない。
そこを、アクロバティックに、時にしんみりとした物語にしてしまうのが、「都さん」なのだ。
さて、都さんのことを話そうー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北村薫さんは「私と円紫さん」シリーズは読んでいる。著者近影も見ているので、オジサンだと知っている。あれ、薫さんは女性だったけと思うこともない。でも、なんで女性の気持ちで文章が書けるんだろう。
女友達の中で「この中で一番幸せなのは、わたしよね」という発言を許せないという気持ち。確かに論理的だと認める。でもやっぱり感情的だなとオジサンは思う。そういう女子の気持ちを知る面白さはあったけど、僕のようなサラリーマンの日常で感じる部分からの飛躍が弱いかな。
引用
と、装丁のことなど、あれこれ案を練っていたという。和菓子屋のようだ。
こういうちょっとした言い回しが個人的に何度もツボに入った。
大野隆司さんの猫の版画がありきで書かれた本なんでしょうね。 -
面白いのに長くて途中飽きてしまった。
-
文芸編集女子・小酒井都
のんべえたちがうようよと♪
楽しいお酒人との繋がりお仕事もがんばれるぞっと -
北村薫らしい、女の子を主人公にした日常ミステリー。
しかし主人公の人生の順風満帆ぶりに現実離れした文学上の欺瞞を感じてしまうのはオレだけの僻目か。
あと、文学と酒は相性が悪い。活字のインクはアルコールに溶ける性質があるのだ。
・・・なお、イラストが大変かわいい。 -
2017/8/15(火曜日)
-
内容(「BOOK」データベースより)
人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情…。本を創って酒を飲む、タガを外して人と会う、そんな都の恋の行く先は?本好き、酒好き女子必読、酔っぱらい体験もリアルな、ワーキングガール小説。
酒に飲まれてぐだぐだになる女の人ってどうなのかな?と思いつつ読んでいると一緒に飲みに行きたいかもと思ってしまった。酒と編集の話しばかりですが、淡々と進んでいく日常を描いたような連作は好きなので楽しんで読めました。その反面ちょっと染み込みは弱いので直ぐどんな本だったか忘れてしまいますですね。 -
永遠の直木賞候補と呼ばれた北村薫の、酒飲み女性編集者を主人公とした連作短編。
面白いんだけど、なかなか直木賞にならないのがよく分かる。いまいち詰めが甘いんだよな。そこが魅力なんだろうけど。 -
「愛おしいお酒の失敗」と、特に「女性の感情の機微」を、温かくユーモラスで薀蓄に富んだ文章で綴ってあります。
まさに文章中の「≪単なる打撲≫ではなく≪たんこぶですよ≫というのが、(中略) 柔らかく嬉しく、そしておかしく響いた」という感覚。
女性の登場人物たちの人間的で小気味良いリアルな存在感にも、心惹かれます。友人になりたい。
文章だけ見ても、ふっと微笑みを誘う可愛い表現で次の本を手に取りたいと感じさせます。
「装丁のことなど、あれこれ案を練っていたという。和菓子屋のようだ。」うん、甘くて可愛い。1949年生まれの男性が書くとは、参りました。