ニッポニアニッポン (新潮文庫 あ 41-4)

著者 : 阿部和重

• 新潮社 (2004年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[真田小僧さんの感想 · 2021年11月21日]

装丁込みですな。電子書籍ではどうなんだろう

[knhrshjさんの感想 · 2012年6月24日]

kindleにて10年ぶりくらいに再読。
くだらない。象徴と象徴を暗にひっかけようとしたってそんなの面白くない。

[mtakanoさんの感想 · 2011年9月25日]

中編くらいのボリュームなので、一気に読めた。ひきこもりの少年がトキを殺そうとする計画と実行の話で、その少年のみに絞られて語られているため、最近の阿部さんの作品とは違って話がスピーディに進む。

今まで読むと、主人公の少年の引きこもり像が安直にも思えるけど、もう引きこもり像が語り尽くされたからだろうなあ。さらに阿部和重は要素をくっつけて人物を造る人だし。

ヒロインが二人出てくる所が肝なのかな。似た人物を、一部の環境を裏返したことで、分かりやすく主人公に変化は訪れなかったけど、重層的な構造の物語となり、さらに主人公に人間らしさが見えた。

最後に流れるクイーンの歌は、賛否両論ありそうだけど、おかげで中編にも関わらず大きなカタルシスを与えてくれて、そのシーンが僕はとても好きだった。

[s14pesさんの感想 · 2011年9月9日]

サブカルへのオマージュあふれる作品。
ラストシーンはまったく映画のラストシーンの様に美しく脳内で再生されました。

[いまむらさんの感想 · 2010年10月23日]

"選択肢は三つに絞られた"という入り方だったり、文体だったり、鴇は実は天皇のメタファーであるっていう基本的にはむちゃくちゃ大好きな部類の話なのに、肝心の語り部が中二すぎてあんまり楽しめなかった。それまで誠実に生きてきたのにひょんとした拍子に落下して蹴落とされ見捨てられどうしようもなくなった転落人生の果てに性格転換…とかだったらまだしも、たいした苦労もしていない甘ちゃんの妄想聞かされたって「へえ…あ、そうなの」の一言。さらにその妄想が叶っても二次的にしか捉えられない。
だからとにかく、ヒロイン的女の子にしても語り部にしても、キャラクターだけが反りに合わなかった。残念。

[watashiさんの感想 · 2010年4月28日]

微妙。そんなに面白くない

[dorobowcatさんの感想 · 2010年4月18日]

学名「ニッポニアニッポン」。通称「トキ」。
佐渡のトキ保護センターにおいて、たった一人、テロリズムを目論む主人公。その荒唐無稽さが哀れさを誘う。

[ayasakitaさんの感想 · 2010年2月26日]

狂気を憧れや恐怖の対象としてではなく、狂気の側から眺めようという試み。

[ＥＺＭさんの感想 · 2009年10月25日]

10/25
突然の焦点移動。

[けいたとさとこさんの感想 · 2008年10月10日]

とあるきっかけで上京したニート、鴇谷春生が、自分の名前と同じ字をもつ「トキ」を救おうとインターネットを駆使して、「ニッポニアニッポン問題の最終解決」作戦の計画を立てて実行する話。

インターネット時代の黎明期に書かれた作品。

誰にでも鴇谷のようになる可能性はあるけど、普通にしてれば別にない。

フェリーの女の子がかわいい。

著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC　阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」