ころころろ しゃばけシリーズ 8 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461281

感想・レビュー・書評

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  • 「神は人に、時に、置き去りにされる」
    ゾウの感じる時間とネズミの感じる時間は違うという話があるけれど、ゾウとネズミが恋をしたらゾウの気持ちを十分伝える前にネズミは亡くなってしまうかもしれない
    生目神が最後に何を感じたか分からないし、どの様な結果でも苦さが残る
    ちょっとしんみりした終わりでした
    それから佐吉の心根の優しさが感じられて心が暖まりました。

  • 巻末は萩尾望都との対談
    ■はじめての…若だんな12歳の初恋。昌玄先生と生目八幡宮の主神「品蛇和気命(ほむだわけのみこと)」の氏神である生目神の七宝
    ■ほねぬすびと…骨盗人=相手の骨折りを盗む、ただ働きさせる者のこと。若だんな盲目になる。久居藩岩崎の干物運び。五徳猫登場
    ■ころころろ…見世物小屋につかまった小ざさ、万太。河童から七宝の一つをゲット
    ■けじあり…佐助、七宝のひとつをゲット。
    ■物語のつづき…生目神との問答の結果、若だんなの目が戻る。桃太郎、浦島太郎の後日談。

  • 来ました!しゃばげシリーズ!
    年末年始は重いテーマの本が多かったので、ほっこりしまくりです。

    ・はじめての
    若だんなが12歳の頃の話し。
    はじめての…恋???失恋???
    さ〜物語りの始まりです。
    (今回は短編でありながらの長編作です)

    ・ほねぬすびと
    若だんなの目が見えなくなる?!
    長崎屋が請け負った運びの仕事。荷物が消えると言う事件が。
    若だんなも長崎屋もピンチ!

    ・ころこころ
    若だんなの光(視力)を取り戻すため奮闘!
    これは仁吉の奮闘記。厄介者を面倒見ながら…仁吉はどうなるか?

    ・けじあり
    こちらは佐助の奮闘記。
    ん?佐助が結婚???優しい佐助が見られます。

    ・物語のつづき
    若だんなに光は戻るのか?
    光を奪った生目神様との直接対決。
    『桃太郎』のその後?『浦島太郎』のその後?
    本当に知りたい『物語り』のその後は???

    〈スペシャル対談〉萩尾望都さん×畠中恵さん

  • 今回は短編ではなく、短編ながらも話が繋がっている作品でした。
    若だんながあまり活躍する感じではないですが、今回も読みやすくあっという間に読み終えてしまいました。
    相変わらずキャラクターが可愛らしいです。

  • 全部で5話のお話。それぞれが繋がっているのが面白いです。物語はゆったりと流れます。展開もゆったりで、少し退屈に感じましたが、今作も癒されたし、最後は感動しました。

  • 若旦那の目が見えなくなってしまうお話。妖達が、必死になって若旦那の目の光を取り戻そうと頑張っていてなんだか微笑ましい。妖達にとって若旦那は大切な存在なんだとほっこりした。若旦那の視力を奪った生目神も何だか憎めなくて、最後には若旦那の視力も戻り、めでたしめでたしな話だった。

  • 今回はいつもの呑気なトーンではなく、割と深刻に困っている問題解決のお話。
    だけど、途中の妖たちの行動は真剣なのにユーモラスであり、最後の生目神との勝負の微笑ましいオチを読んで、やっぱりこのシリーズは好きだなぁと思いました。

  •  短編集ではありますが、一冊まるごと「目」の話で、オムニバスみたいな感じです。
     まず、一太郎ですが、初恋もまだのネンネ(古)かとばかり思っていましたが、十二歳(今で言う十歳かな)で淡い恋の経験があったみたいですね。びっくりでした。ちょっとせつない恋でした。
     仁吉と佐助は、もっとそれぞれの特徴を活かした話になればいいのに、と思います。
     仁吉は女に好かれ、知識が深い。佐助は男に頼られ、腕っぷしが強い。
     なのに今巻の話では頼られて戦ってるのは仁吉だし、頭を使った知能戦で女人と駆け引きしているのは佐助でした。逆が良かったとまでは言わないけれど、もっとそれぞれのいいところ引き出した話が読みたいです。
     そして今回出てきた五徳猫、可愛かったです。続いて出てきてほしいです。
     生目神様は……、もういいかな。せつないし、意地悪だし、勝手だし。あまり魅力を感じませんでした。でも日本の神様ってこんなですよね。ある意味納得する展開でした。

  • 短編集と思いきや連作。キャラの仕事がだんだん固定、定着されてきて、コミカルで楽しい。

  • しゃばけシリーズ第8弾

    短編だが、すべてつながっていて、若旦那の目が見えなくなり、光を取り戻すお話集。

    <はじめての>
    <ほねぬすびと>
    <ころころろ>
    <けじあり>
    <物語のつづき>

    生目神様がなんとも人間臭く、かわいらしい。
    仁吉と佐助はもちろん、妖たちも若旦那の事を心配している所が目に見えるようで本当に好き。
    <けじあり>では、佐助のお話のようだけど、どうしたの?と物語内の佐助と同様、「?」な感じで進んでいくところが、うまいなぁ。
    <物語のつづき>はとてもせつない。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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