この部屋で君と (新潮文庫nex)

  • 新潮社
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本棚登録 : 2001
感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800059

感想・レビュー・書評

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  • どの状況にもなりたくはないけれど、こんな暮らしもきっとあるよなーと思って面白く読めました。

  • 浅井リョウ「それでは二人組を作ってください」
    飛鳥井千砂「隣の空も青い」
    越谷オサム「ジャンピングニ―」
    坂木司「女子的生活」
    徳永圭「鳥かごの中身」
    似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
    三上延「月の砂漠を」
    吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
    以上8つの短編集。

    率直な感想を述べると、私には少し難しかった。
    同居人との間には特別な価値観があり、そしてその形の多様さはとても素敵だと思う。
    しかし、若輩者の私には実感が伴わなかった。
    この物語を楽しむには私の経験が足りない。
    逆に言えば、もっともっと多様な人と出会っていけば、きっとどこかで共感できることだろう。

    以下は、いくつか気になった作品について。

    「鳥かごの中身」は、途中まではすごくよかったのだが、結末に納得がいかなかった。
    主人公はななかのおかげで救われたかもしれないが、ななかはあの後前向きにやっていけるのだろうか。
    小さな少女が大人に諭されて、仕方なく従っただけではないか。
    ななかへの救いがほしかった。

    「十八階のよく飛ぶ神様」は、8つの作品の中では唯一ライトノベルっぽい。
    しかし展開はラノベのようにはいかない。
    読み終わった後に、愛着を感じてしまっていたのにと寂しさを覚えたのは私だけだろうか。

    「月の砂漠を」は作品としての出来が一番いいと感じた。
    八重の寂しさがよく伝わってくる。
    いい夫婦の話。

  • 冷やし中華にマヨネーズがイチオシ。自分もなあなあになっている関係の人がいるけど、それが心地よく感じてる自分に気づけてよかった。

  • 部屋をテーマにした作品集。

    友達と、家族と、恋人と、出張先で同僚と、人ではないものと、いろんな同居の形があって、それぞれ楽しめた。
    「鳥かごの中身」と「月の砂漠」はすごく切なかったけど、現実を受け入れながら生きる登場人物達が印象的だった。
    あと、部屋の間取り図があったから部屋の様子を想像できてよかった。

  • 朝井リョウ、飛鳥井千沙、越谷オサム、坂木司、徳永圭、似鳥鶏、三上延、吉川トリコという8人の作家が、それぞれ「部屋に住む」ということをテーマに綴ったアンソロジー。

    それぞれの作家性というか、クリエイターの個性あふれる物語で非常に面白かった。

    「住む」ってのは衣食住のひとつを占めるとてもとても大事なマテリアルだし、更に異性とどんな形であれ一緒にひとところに住む、ともなれば「物語」は自ずと生まれるわけで。

  • *それでは二人組を作ってください(朝井リョウ)

    姉とルームシェアをする大学生のリカ。小さい頃から二人組を上手く作れず、今回姉が婚約者と同棲するために出ていくことになって、友達の智美をルームシェアに誘おうとするが…
    きっと女性なら必ず感じる、「二人組を作る」イベント時に感じる不安を上手く表現されていた。後味はすっきりしない感。

    *隣の空も青い(飛鳥井千砂)

    同じ会社の男性先輩と急遽、韓国出張に行くことになった男性主人公。宿泊するホテルの部屋が手違いでダブルの部屋で。。
    国問題も少し表現されていて、でも希望が見い出せる素敵なお話だった。個人的に飛鳥井さんのファンなので読めてよかった。

    *ジャンピングニー(越谷オサム)

    プロの漫画家を目指し睡眠を削り死にものぐるいで生活する智美とチャンスを掴みそうなプロレスラーの彼氏との同棲生活。

    *女子的生活(坂木司)
    東京でともちゃんとルームシェアして女子的生活を送るミキ…
    少しだけミステリチックになってて面白かった!

    *鳥かごの中身(徳永圭)
    ひょんなことから小学生のななかを預かることになった主人公のお話。

    *十八階のよく飛ぶ神様(似鳥鶏)
    突然、神様と敵が現れるお話。敵から身を護ってくれるという神様と数日同居をするが…

    *月の砂漠を(三上延)
    大正、昭和時代の夫婦の話。その時はまだ珍しいモダンなアパートメントでわずらわしい規則にうんざりして生活する八重のお話。

    *冷やし中華とマヨネーズ(吉川トリコ)
    13年近く同棲をする恋人の物語。
    アンソロジーの最後に相応しい、少し切なくでも明るく前を向ける作品でした。

  • 似鳥鶏、吉川トリコ
    初見だったんだけどおもしろかった

  • 「二人の部屋での同居生活」を物語の共通点とした、複数作家のアンソロジー。

    純愛をテーマにした作品だけでなく、なかなか複雑な事情を持った境遇や二人にフォーカスをあてた作品だったりするので、バラエティーに富んでいる。

    同居生活から見えてくる隣人との距離の取り方というかなんというか。妖怪や神様が登場する話(!)含め、考えさせられた。

  • 誰かと一緒に暮らすことをテーマにしたアンソロジーですが、それぞれの作家さん達があまりにも個性的な設定を駆使したお陰でそれなりに面白いのですが、まとまりが無さ過ぎる一冊になってしまった印象です。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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