未来探偵アドのネジれた事件簿: タイムパラドクスイリ (新潮文庫nex)
- 新潮社 (2014年10月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800134
作品紹介・あらすじ
依頼を解決するのは未来のボク? 過去のボク? 「愛犬の行方を探してほしい」「息子が暴れて……」「大切な宝石が消えてしまった」。益井探偵事務所にはさまざまな依頼が舞い込む。彼の相棒は芽原アド、23世紀からやってきた元刑事だ。携帯式時間移動装置《タマテバコ》を片手に、真相を探る二人のもとに、未来から武村ロミが加わって――未来犯罪との対決の行方は? 本格ミステリ大賞受賞作家が贈る、時空間ミステリ誕生。
感想・レビュー・書評
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この作者さん特有の、タイムスリップ話。未来からやってきた探偵のアドが、携帯タイムマシン「タマテバコ」を使って事件を解決する。過去に戻って解決するから解決率は100%なんだけど、過去に戻った時、その因果関係などなどがめっちゃ混乱する。理系の人には理解出来るのか、はたまたフィクションだからとまじめに考えず、読み飛ばすべきなのか…おもしろいとかおもしろくないとかよりもそこが気になった特異な作品。
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タイムマシンを使って依頼を解決していく話。慣れるまで読み進める気力があれば楽しめます。最初、急に未来人が3人出てくるので誰が誰だかわからなくなりました。正直始めの方はつまらないと思っていましたが、伏線(?)が沢山あるので、後半になるにつれて面白くなります。話自体が面白くなるというより、パズルが組み上がるような面白さですが…。話の盛り上がりは終始一定な感じです。好き嫌いが分かれるとは思いますが、個人的には可もなく不可もなく。よく考えられてるなあと思いました。
そういえば、警察署のミーティングルームの描写、「円型の壁、円型の窓、円型の扉、円型の窓」は何故窓が2回も出てくるのか。ミスなのかわざとなのか。わざとだとしたらどんな意味があるのか。これがどうしてもわかりませんでした。 -
探偵を行う主人公の所には、たくさんの依頼が。
今日も解決するため頑張るけれど、事件は一体
誰が解決しているの?
時間を自由に行き来できる装置があるため
時間さえ分かれば、犯人も捜し物も
何でもできるという、反則技。
とはいえ、時間をさかのぼったり進んだりするには
エネルギーをチャージしないといけないようです。
ものすごく、これでいいのか?! な解決方法で
事件が次々と解決していきます。
時には失敗を取り戻すために、過去に戻って
今がなくなってしまったり。
単調な事件ばかりが続いて、読みやすいのですが
面白くもなかったです。
ようやく最後になって、ややこしくなり
全てが絡み…という、全回収。
ここに繋がるのか! という驚きはありましたが
それまでがあれすぎて、面白いのか違うのか
さっぱり分かりません。 -
二〇一X年の探偵である二十歳の益井が、二二四X年からやって来た元タイムパトロール隊員である相棒のアド、タイムパトロール隊員であるロミと共に依頼を解決し未来犯罪とも対決する。携帯式時間移動装置《タマテバコ》を駆使する様はややこしかったけれど、タイムスリップものならではの過去との繋がりを楽しんだ。
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未来の探偵は、未来の自分に真相を乞う
「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」でタイムスリップした先は、2015年10月。中に浮かぶスケートボードは開発されなかったが、代わりにインターネットで世界中の人とコミュニケーションがとれるようになった。未来を予想するのは難しい。夢物語かもしれないタイムマシンも、未来がどうなるか分からない以上、絶対ないとは言えないかもしれない。
2200年代からやって来た未来の探偵は、タイムマシンを使い依頼をパパッと解決する。もちろんタイムパラドックスが発生しないよう、宇宙の因果だの相転移だのを計算に入れて行う必要があるようだし、予期せぬ邪魔も入る。それでも終始和やかで、テンポ良く話は進んでいく。さらっと読める王道の時空ミステリだった。
惜しかったのが、現代の探偵があまり活躍していなかったこと。未来探偵やパトロール隊員に敵わないのは致し方ないが、現代人ならではの視点やアドバイスによって事件を解決に導くような展開も欲しかった。 -
タイトルそのまま、タイムパラドックスもの。
よく考えられており、何度も読めばより楽しい・・・のではないかと思わせられた。 -
バック・トゥ・ザ・フューチャー
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設定の面白さとそれぞれの事件で描かれるタイムパラドクス関連のアレコレを上手く咀嚼できず素直に楽しめないまま読み終えてしまった。時間を置いてまた読んでみたい。