- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800523
感想・レビュー・書評
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この世の終わりならふたりの全てが許される。
奄美の海を漂う少女の元に、隻眼の大鷲が舞い降り、語り始めたある兄妹の物語。親を亡くし、一生を下働きで終える宿命の少年フィエクサと少女サネン。二人は「兄妹」を誓い、寄り添い合って成長したが、いつしかフィエクサはサネンを妹以上に深く愛し始める。人の道と熱い想いの間に苦しむ二人の結末は――。南島の濃密な空気と甘美な狂おしさに満ちた禁断の恋物語、待望の文庫化。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奄美を舞台にした悲恋。
戦前の薩摩にあった宝の島、ヤンチュという奴隷制後。
希望をもってこの世の終わり、サネンとの邂逅を待ち続けるフィエクサ。
誰もがみな一粒の椎。 -
ありがちっちゃありがちなんだけど、確かな描写は読ませる力を持ってた。悲劇を殊更に煽るわけではなく、悔恨をただだらだらと綴ったわけでもない。答えを見つけるまで、見つけてもらうまでのプロセス。他の著作も読んでみたいなー。
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帯の文句に惹かれて購入。
フィエクサとサネン、読んでいてどちらも愚かしく見えるものの一気に読み進めていくと二人で幸せになる未来を望みだけなる。
フィエクサの希望は果てしないな。 -
第21回日本ファンタジー大賞受賞作。
ファンタジー大賞は残念ながら無くなってしまったが、本作は『ファンタジー大賞らしい』長編だった。割と若い人に受け入れられそうな作風なので、文庫化がnexだったのも納得。