凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800806

感想・レビュー・書評

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  • 謎めいていたそれぞれの登場人物の背景や階段島の成り立ちが明らかになり、物語は本質的なパートに突入した印象。
    表面的ではなく心の奥底を抉るような会話と心理描写は、ひりひりするような斬れ味に溢れています。

  • まさかのビックリの展開.だんだん階段島の謎があらわになって来て,それぞれが良かれと思って行動した結果が悲しさにつながっていくところが,負の連鎖に陥っているようでとってもまだるっこしい.悪人がいないんだよね.

  • 前作が真辺エンドな感じだったのでちょっと手に取りにくかったのですがようやく読みました。何やら五巻目も発売されているらしいし本屋に行かなくては。

    今回で階段島の成り立ちと、前巻に登場したいわくありげな魔女の目的とが明確になりました。なるほど、そう言う話だったのか。ちょっと違うかもしれないけど七草の初恋と次の恋の対決みたいな話だなぁ。

    一巻を読んだときから思ったけれども現実の二人が二人であるために捨てた人格が同じ島に居るんだから衝突は免れないし、分かり合えるはずもない。でも真辺のまっすぐさを一番美しいと理想に掲げる七草の方が分は悪いのはワカル。
    だから今の七草が堀さんサイドに着くのはワカルけど、なんとなくモニョっとはする。人格を拾った魔女が悪いのではなく、捨てた方が悪いのでもない、でも捨てられた人格が現実世界に生きていないにも関わらず現実と繋がって居たいと考えることが悲劇なのか。悪者がいない事と、おとしどころを見つけるのはどうするのかな~というので次巻買ってこよう。

  • 階段島シリーズ4巻目。階段島の秘密に近づいているのだが、くどくて、もうそろそろエンディングを迎えてもいいんじゃないかな。ビジネスの側面では、人気シリーズはできるだけ引っ張るのがいいんだろうが、読む側からは飽きてきてしまう。

  • 後半で面白さが加速するが、続くような感じで終わるので、次巻に期待。

  • 階段島が魔女の理想なら、この物語は作者の理想なのではないかと思った。
    登場人物の会話から特にそれが感じられる。
    相手のことが好きでそれを尊重すれども、理想や思想がこんなにも相入れないのにあれだけ落ち着いて会話ができるのは大したものだと思う。もちろんそういう風に会話ができればいいんだけどなと思いつつも、読んでいてフラストレーションを感じずにはいられない箇所もあった。
    最後まで読んでしまってからいうのもあれだが、共感ベースで読んでいる人は、だんだんついていけなくなるのではないかと思う。

  • これはミステリではなく青春ファンタジー。階段等の秘密が次々と明らかになっていく。そんな中、密かに(?)魔女の対決が行われていた。
    面白いんだが、段々と分からない点が増えてきた。特に魔女の部分はゴールはないのか?魔女の寿命は?など。まぁファンタジーなので答えはないだろうが。
    次くらいがラストと思われる。綺麗な着地を期待してる。

  • 階段島シリーズ4巻目にして、初めてこの物語の核心がわかり衝撃を受けた。 『幸せを掴む為に無理な夢を捨てることと、幸せになる為に苦しくても夢を追いかけることの、どちらが幸せか』 これが物語のテーマであり、幸せになる為に夢を捨てたこっち側の人間と、幸せになる為に夢を追い続けるあっち側の人間の葛藤が描かれている、意外と奥が深い物語であった。 物語はまさかの人物の登場で、益々混迷を極め、先が気になる状況である。 登場人物みんなが物語が進む過程によって、それぞれどういった結論に至るのか今後も目が離せない。

  • 階段島の謎が次々に明かされ、一気読みしてしまいました。一巻も「いなくなれ、群青」の頃からの伏線が回収されましたね。ピストルスターの少年の謎、クリスマスの事件の真相、時任さんの正体、堀の願いと苦しみ、安達の目的・・・こんなに複雑で細かい作品を作れる作者さんはやっぱりすごいです。

    個人的には真辺よりも堀を応援してあげたくなります。
    謎はひとまず落ち着いたと思うので、これからは七草と真辺、堀と安達がどのように決着をつけるのかが楽しみです。

  • 彼女には初めから敵も味方もいない。
    正反対だからって敵じゃない。
    全てを否定することもしない、全てを肯定することもしない。
    だから何度でも話す、話し合う。例え交わらなくても、理解されなくても、諦めない。
    それが彼女だ。

    ただ、彼女は怖がってる。
    否定されないことを怖がってる。
    自分が間違った時に、間違っているよと言ってくれる人がいないと困るのだ。
    自分は止まれない、自分が間違ってると思っているものには諦めず向かって行ってしまう。でも、それ自体が間違ってるときに、彼女は自分じゃ簡単には気づけない。
    だから彼が必要なのだ。正反対の彼が。
    常に彼女を正面から見てくれる彼が。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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