ダブリン市民 (新潮文庫)

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著者 : ジョイス
制作 : 安藤 一郎 
  • 新潮社 (1971年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102092019

ダブリン市民 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ネタバレ ◆出版100周年。◆ダブリンという街に住む人々の群像。まとわりつく古き良き故国。学校・職業・政党・宗派 …。何につけても存在する「育ち」の階層によってがんじがらめにされる人々。押しつぶされそうになり、自尊心と自意識は閉ざされた自己の内にたぎる。麻痺した者への侮蔑と麻痺していく自己への不安。◆各断片の主体と相似した人物が、他の断片にも登場・配置される。老若男女のかすかな声が重なり合い、荘厳な和声音楽のよう。やがて全ての主体はモブに吸収されていく。あとはただ、ダブリンがあるだけ。
    ◆LIKE: Eveline/A Little Cloud/Clay/A Painful Case/A Mother/The Dead
    ◆岩波文庫結城訳・旧新潮文庫安藤訳・新潮文庫柳瀬訳3冊読み比べ。
    ◆今回読んだなかで唯一の旧訳(1971改訳)であったが、特に読みにくさなどは感じなかった。解説についても、註についても(特にカトリックとプロテスタントなどの違い)、大変参考になったし、旧訳ならではの硬質な美しい表現も多々あった。

  • これも写真が無い;;ジョイスはこの後どんどんブッ飛んでいきますが、初期のこの作品、淡々と日常を追います。NHKのドキュメンタリーのように。ストーリーがあるようでない、だけど僕はこの世界観が好きなんです。

  • ジョイスは私が大学で研究していたケルアックにも多大な影響を与えていたので、いつか読まなければならぬという強迫観念でまずはこれからと。
    嬉しいことに意識の流れの技法も垣間見えました。
    この本の次はユリシーズに挑戦しようと思います。。

  • ジェイムズ・ジョイスの初期作品を集めた短篇集。アイルランド・ダブリンに暮らす庶民の生活を描き出します。

    20世紀初頭ブリテンの植民地となり閉塞感が充満するダブリン市での、どこか陰鬱とした市民生活の情景を静謐であるが濃密な筆致でスケッチしています。いずれの作品も登場人物の心理描写を中心とした連綿とした描写が続き、その絶え間のない観察の連続から当時のダブリン市の中に漂う空気感が読者の中に立ち現れていきます。本書が出版された1914年はアイルランド独立運動が激化する「イースター蜂起」の2年前です。本書で描かれている鬱鬱とした空気はギリギリの政治的緊張の中で、現実政治の世界から目を背け怠惰や精神的生活への没入などの逃避がゆえに生まれているように感じられます。

    この小説ではそれぞれの短編ごとに少年や若い女性、中年男性など様々な人物の心理描写がされていきます。一つの短編の中でも視点が変わるなどしますが、その語り口やテンポが変わることはないという点が一つ特徴的です。全体に統一された語り口はともすれば、変化が退屈な印象を与えるかもしれませんが、ダブリン市民の生活に流れる共通した沈鬱な雰囲気を感じ取ることができるのではないかと思います。ただしその精緻な描写が描き出す世界は独特の清らかさがあります。登場する人たちは決して倫理的でもなくほとんど悪人といっても良い人物も存在しますが、ジョイスの描写(そして訳を務める安藤一郎氏の描写)によって沈鬱ではありますが、濁りきって目も当てられないといった事にはならずどこか人間の本質的な部分に触れているのではないかといった感覚さえ呼び起こすのです。

    本書を気晴らしや娯楽として読むことは難しいかもしれませんが、この作品を読むことによって立ち現れるどこか神秘的な雰囲気を味わっていただけると良いと思います。

  • 短編集。最初に読んだジョイスの小説。死者たちは映画化もされましたね。

  • 英文学の紹介で知りました。
    アイルランドは英語を話すらしい。

    ダブリンに生きる市民の15の短編。
    最後の
    死者たち
    という話は,
    独身の老姉妹のパーティの話。

    it is not the first time that we have been the recipients
    or perhaps, I had better say, the victims
    of the hospitality of certain good ...

    という名場面をNHKの番組で紹介があった。

    1つでもとっかかりがあったので,読み進むことができました。
    「NHKテレビ3か月トピック英会話 2010 12―聴く読むわかる!英文学の名作名場面」
    ありがとう。

  • ダブリン、アイルランドなどを舞台とした作品です。

  • 長年積んでたけど昨年からの積本消化キャンペーンでやっとこさ読了。15編の短編で読みにくい文章ではないのだけどだらだら読んでたら1ヶ月以上かかってしまった。アイルランドの立ち位置という物にあまり馴染みが無いので大都市の割には古い田舎気質な雰囲気が意外だった。

    私の持ってるのは安藤訳版なんだけどもしかして絶版?一番長い最後の「死せる人々」が比較的一番面白く読めました。

  • やっと読み終えました…カラマーゾフよりキツかった…
    短編集だし、文字も大きめでしたが、なんだか読みづらいのはなぜだろう。
    特に最初の「姉妹」や「邂逅」は、オチもなく「えっもう終わり?」って思う感じで。いったいどの辺をおもしろがればいいのか、と。
    でも後半の「土くれ」や「痛ましい事件」「母親」なんかは、それなりに起承転結があって、読みやすかったし結構好きな感じ。
    特に一番最後の「死せる人々」は、ある夜の、なんということもないいろんな出来事を時系列に沿って描きつつ、その時その時の主人公の心理を細やかに追っていくという手法で、ごく平凡な一市民の心の中のドラマを見ることができる。これは、何が面白いのか自分でもはっきりわからないけど面白かった。

  • 大学の英文学講義のために(必要に迫られて)昔むかしに購入。評判に違わず難解だ、とも思ったけれど、先生がとても魅力的だったこと、当時の友人のことなどが自動的に想起される、懐かしい1冊。「nose wing」を「鼻たぶ」と訳して教室中を笑わせた(「耳たぶ」はあるけどね)D君、元気にしてるかなぁ。

  • ダブリンという都市名で買っただけ。
    映画コミットメンツのせいだな(笑)
    有名な本ではあるが、日本人には分からんよ。
    よく分からなかった。

  • 挫折・・・。

  • ジョイスやプルースト読むのなんて酔狂だと今でも思ってるけど。
    これなら、いかが、でしょうか。

  • 初ジョイス。

    ユリシーズかフィネガンズウェイクを読みたい。

  • 深みがある。でも読み易い。

  • 読んでいると、この色気のない短編集の暗いところばかりが眼について、そういうところをわざわざ書いているジョイスと、そのジョイスを偉い偉いといって今日まで残してきたひとの心の暗さのようなものを感じる。
    『ユリシーズ』や、『フィネガンズ・ウェイク』を読んで何が書いてあるかさっぱりわからなかった人が、俺でもジョイスの書いた文章がわかる、安心、という気持ちを得たいときに読むといい。

  • 陰鬱かつ閉鎖的なダブリンの市民階層の生態を描く。

  • 無気力なダブリン市民

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