ティファニーで朝食を (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102095089

感想・レビュー・書評

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  • 『ティファニーで朝食を』(原題: Breakfast at Tiffany’s)は、アメリカ合衆国の小説家トルーマン・カポーティによる中編小説。

    題名は主人公の言う「ティファニーで朝食を食べるご身分」というたとえで、当時ニューヨーク5番街にあるティファニーは宝石店であり実際のレストランではなかったが、映画の影響を受け2017年にブランド初となるダイニングスペースがオープンした。映画版では冒頭で、(小説に描かれていない)題名そのものを直接的に表した「オードリー・ヘプバーンがティファニーのショーウィンドウを前に朝食を食べるシーン」がつくられた。

  • ティファニーで朝食を含む4作の中小編からなる。
    そして、度肝を抜かれたのだがティファニーで朝食は食べない。

    とても読みやすく仕上がっているが、特有の文体と変な女に巻き込まれる冴えない男というまさに村上春樹が書くような内容と相まって、氏の作品を読んでいるような感覚に陥った。ここは評価の分かれるところだろうなと感じた。


    最後に、
    同録の花盛りの家、ダイアモンドのギター、クリスマスの思い出も素晴らしい作品だったので、映画の内容を期待してがっかりして読むのを放棄した人がもしいたらこれらだけでも読んでほしい。

  • 天真爛漫な主人公ホリー・ゴライトリーは、社交界でも名を馳せ、移り気の多いところを見せるが、寄ってくるセレブはいなしながら、しっかり自分の道を歩む一風変わった魅力的な女性。他に短編3作も登場人物の独特な生き方がおもしろかった。2022.1.24

  • 自由気ままで謎多き美女ホリー・ゴライトリー。彼女のご近所さんの視点で彼女の生き方を捉える。

    ぱっと、ホリーは目先のことに振り回されてるんじゃないかと思った。
    しかし彼女にしてみれば、正直に楽しいと感じることを追いかけているだけだと分かった。

    とはいえここまで劇的で身軽な人間は少ないだろう。

    ホリーは貪欲に生きる楽しみを獲得しようとしている。それが周りの人物や読者を引き付けるのかもしれない。

    それから美貌
    −もし不細工だったら単なる変人だっただろうから。そしてホリーの人生を最高に魅力的にするために誰もが羨む美貌は必要だろうから。

  • オードリーヘプバーンが映画やってるやつね〜ぐらいの知識で先に原作を読んでみた。

    主人公とホリーの友情、愛情を超えた心の繋がりがとても良かった。
    相手が自分に何をしてくれる訳でもなく、そのままの存在でただ幸せで居てくれればいいって思うのは究極の愛なんじゃないかな。

    ホリーというキャラクターは、明暗や色がごちゃごちゃになった雲みたいな存在って感じがして、とても魅力的なキャラクターだと思う。
    人間離れしているように思えて、自分の中での人間としての在り方を人生をかけて探しているから、不思議と人間臭さがある。

    私もしがらみに囚われずに、自分の中の大切なものを鋭く研ぎつづける人生でありたいと思った。

    村上春樹の訳がとても良い。

  • 人種差別とか薬物の話がこの時代から書かれていたのが意外だった。

    ホリーの謎めいた感じがたまらなく面白くて、結末は良い意味で期待を裏切られた。

    「ティファニーで朝食を」というタイトルから明るい話なのかと思ったら、そこも違った。

    けど、このタイトルが例えで表していることを見た時に、その表現の豊かさに感動しました。

  • カポーティの文体がとても良かった。
    比喩表現が特に見事で、「そんな例え普通思いつかない」と言った驚きと同時に、的確に思えて納得してしまう。おしゃれというか、スタイリッシュというか、素敵な文を書くなぁと思った。

    “ティファニーで朝食を”はすごく面白かった。
    ただの超自由人かと思いきや、彼女なりにいろいろ考えながらも生きているホリーに惹きつけられる主人公。
    先の展開が気になって、忙しい中でも読むのは苦じゃなかった。

    “クリスマスの思い出”は、とても短く、特に印象に残るお話だった。
    カポーティの小さい頃の、年の大きく離れた親友とのお話。
    貧しい暮らしではあるが、毎年クリスマスになると、頑張って貯めたお金でたくさんのケーキを作る。遠くまで木を切りに行き、クリスマスツリーを立て、自作の飾り付けをする。そして2人で自作のプレゼントを送り合う。
    そんなお互いを思いあう親友との思い出の話。
    暖かく切なくて、ジーンときた。
    これまで読んだカポーティのお話で1番好きだった。

  • すごく面白いストーリーと文章だっただけに、短編ではもったいない感じがしました。
    ある程度の尻切れ感は覚悟して読み始めましたが、もう少し膨らませてほしかったです。
    それでも映画よりは好き。

  • 不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。

    このセリフに彼女のすべてが詰め込まれているような気がします。

  • 映画「ティファニーで朝食を」を以前見ていて、あまりいい印象を抱かなかったものの、アメリカ文学に触れてみたくなって手にした本書。映画版とはいい意味で印象が違っていてとても良かった。ホリー•ゴライトリーの懸命さとやるせなさ、弱さを感じた。表題の他には三作の短編が収録されていて私は「ダイヤモンドのギター」が好き。

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